絶対権力を持つ親になる恐怖、どう対処すれば? 毒親

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2018年11月21日 11:02  ノーツマルシェ

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ノーツマルシェ

子どもに悪影響しか与えない親を「毒親」と総称した、セラピストのスーザン・フォワード氏は、著書のなかで「小さな子どもにとって、親は生存のためのすべてであり、そういう意味では、いわば神のようなものである」と述べています(※1)。家庭という密室の環境で、食事や排せつまで親に依存せざるを得ない幼子。たしかに、親と乳幼児の関係ほどパワーバランスが決定的なものはないかもしれません。そんな“親”という絶対権力を手にし、自分は独裁的な親になっていないのかと不安に思う親もいます。


 


■自分の親のようになっていない?


筆者のカウンセリングに訪れたA子さんもそんな一人です。A子さんは、幼いころから、親に怒鳴られ殴られて育ってきました。好きな習い事もできず、親が望む習い事をイヤイヤ続けてきた。そんな独裁的な親の下で育ってきたので、自分が親になったら、我が子には同じことはしないと心に固く誓っています。しかしながら、ふとした時に「自分も親と同じように、子どもを押さえつけているのではないか?」と不安になる時も。子どもと接する時に、自分に自信が持てなくなってしまう時もあるとのこと。自身の幼少期を思い出すと、今でも心が緊迫してくるとA子さんはおっしゃっていました。


 


■まずは抑圧された“幼いあなた”のケアを


このように、親という絶対権力を不安視する方は、抑圧された幼少期を過ごされた方が多い印象を受けます。もちろん、そういう方ばかりではなりませんが、もしあなたが「親と同じ親になるのが怖い」と感じているのなら、まずは“幼い頃のあなた”から先に癒していきましょう。幼い頃のあなたの言い分をちゃんと聞いてあげましょう。本当はイヤなのに、親からの暴力が怖くてイヤと言えなかった。親の顔色をずっとうかがって過ごして、いつも緊張状態だった。今からでも遅くはありません。ずっと心の奥に仕舞い込んでいた、幼い頃のあなたの言い分を聞いてあげましょう。言い分を聞いてもらえたら、それだけでも嬉しいものです。過去の自分を癒すには、心の取扱いのプロであるカウンセラーを利用するといいでしょう。まずはプロの力を借りることをお勧めします。


 


いかがですか? 筆者も、親と言う絶対権力を持つことに、恐怖に感じる時もあります。自分の気分で子どもと接していないか、自分の都合のいい様に子どもを操ろうとしていないか、などと自分に問いかけることもしばしば。親として大切なのは、「独裁者にならないようにしよう」と自分を戒めることよりも、自分の感情をよく観察することです。例えば、足のつま先から頭まですっぽりと海に浸かるのは呼吸もできず苦しいものです。しかし、海から頭1つ出せると呼吸もできるし、現在地も分かって冷静になれます。感情的になっても、感情的の海にすっぽりと入り込むのは苦しいもの。感情の海に支配されず、頭だけ出せると少しは楽です。このように、自分の暴走を止めるのは、やはり自分自身なのです。


[執筆:久保木 惠子(乳幼児ママのサポートコーチ) ]


 


【参考】
※1. スーザン・フォワード(2001)『毒になる親 一生苦しむ子供』講談社α文庫, pp34
※この記事の執筆者:久保木恵子(乳幼児ママのためのサポートコーチ)について。女性専用のカウンセリング『ボイスマルシェ』の登録カウンセラー。電話カウンセリングなので全国どこからでも利用できる、匿名で話せる、当日予約できるというボイスマルシェの特長を活かし、全国の女性たちの相談にのっている。一児の母。
※写真:PIXTA、本文とは直接関係ありません


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