超純愛で、ちょっとエッチなニオイフェチラブコメ『あせとせっけん』が面白すぎると話題沸騰!作者・山田金鉄インタビュー!(前編)

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2018年11月21日 12:02  おたぽる

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おたぽる

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 好きな気持ちって尊いですよね。


 何度かこの連載でも叫んでいるかもしれませんが、私は好きなものが大好きです。


 なるべくその気持ちを“好きの対象”に伝えたいのですが、なかなか面と向かって伝えられる機会がありません。


 だから、この機会は逃がせない……!!!


 今回は10月10日にコミックス1巻が発売・即日重版が決まった大人気漫画『あせとせっけん』の作者である山田金鉄先生の初インタビューをお届けします!!


 以下、あらすじです。


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 女性に絶大な人気を誇る化粧品&バス用品メーカー・リリアドロップに勤めるOL・八重島麻子(やえしまあさこ)は、重度の汗っかきなのがコンプレックス。デオドラント製品が手放せない生活の中、ある日、商品開発部の名取香太郎(なとりこうたろう)に、「君の体臭は素晴らしい! 新商品の石鹸開発のため、これから毎日、君のにおいを嗅ぎに来ます!」と言われてしまう。


 でも、においを嗅がれるのは、そんなに嫌でもなくて……?


 多汗女子と嗅覚男子の、超純愛フェチラブコメ、爆誕!!
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 初めて読んだその日から即座にはまり、おたぽる編集部にめちゃくちゃ勧めまくり、「インタビューしたいしたいしたい!」とラブコールを送りまくって、本当にインタビューが実現! 麻子さんばりに汗をかきまくって講談社に乗り込みました!!


華山:本日はよろしくお願い致します。


山田:ちゃんとしゃべれるといいんですが……(※山田先生は緊張気味)。


華山:私も緊張と興奮でただのオタクみたいなしゃべり方になりそうなので、ゆっくり色々質問させていただければと思います。その前に、あの……。すごく好きです。


山田:あ、ありがとうございます。


華山:それがすごく言いたくて。重版もおめでとうございます。私は電子と単行本の両方を買ったのですが、単行本を手に入れるまでに色々な本屋さんをのぞいたんですよ。どこも軒並み売り切れだったんです。


山田:自分も担当編集と見に行ったのですが、ポスターとか複製原画を飾ってくださるところが多くて恐縮してしまいました。でも、地元の本屋さんでは棚刺しの1冊だけだったので「誰か見つけてくれ!」と思いましたが(笑)


華山:単行本化した率直な気持ちはいかがですか?


山田:初めての単行本、かつ紙の本で出るということで、決まったときは本当に嬉しかったです。実物を手に取ったときは本当に感動でしたね。でも手元に届くまでは実感が湧かなくて、周囲が出るよって言ってくれているだけで、実は大きなドッキリなんじゃないかと思っていました。


華山:即日で重版がかかりましたよね。


山田:本当に早かったのでかなりビックリです。普段からTwitterとかで「読みました」とか、感想をくださる方は多くて、それはそれで嬉しかったのですけが、電子ではなく、本で売れるという実感がなかったので、手元に置きたいと思ってくださる方がいることが、本当に幸せです。特典が付く店舗もあったので、それをコンプリートしたよっていう方も多くて、嬉しい反面、ちょっと心苦しいなっていう気持ちもありますが……。


華山:それがオタク心だから何も問題はありません!! 初の単行本ということで、何か苦労した点とかありますか?


山田:苦労という意味では、一番時間をかけたのは表紙ですかね。かなり相談しながら作りました。実は、初期の案はふたりが横向きだったんですよ。


 後ろから壁ドンしているような構図を自分が提案していて、1回ラフを上げたんですが、デザイナーから、もっとこっち向きで! おっぱいをこう! 壁にくっつける感じで! という熱いアイディアをいただきまして。そこから徐々にいまの構図に変わっていきました。


 でもあまりエロくなりすぎて読者が引いちゃってもいけないので、少しエロいけど優しさというか、暴行ではない、強制感のないギリギリの路線を狙いました。


華山:この表紙すごく好きです。私この漫画読んでいるときって、壁になりたい……壁とか天井になりたいって気持ちで読んでいるんですよ。


山田:壁目線(笑)


華山:壁になってすごい近くでふたりのことを「うんうん」って言いながら見てたいなぁって気持ちになるんです。すごく1巻は「納得!みんながその気持ち!」ってなる表紙だなって。


 あ、あの、ちょっとそれにつながるんですけど、コミックスの献本もらったときに、先生がとりあえず嗅いだっていうのを見て……。


山田:え、自分がですか? 匂いフェチなんじゃないかって!?


華山:実際どうなんですか? やっぱり敏感なのかなって。


山田:いや、あれは普通に新書の匂いを嗅いだだけなんですが、人から見たらそう感じるかもしれないですね(苦笑)


華山:でも私、ちょっと麻子さんの香りしないかなって思いました。


山田:担当編集が、こすったら良い匂いする紙にしようかと考えてくれたそうなんですが、かなり(価格が)高くて断念したそうです。


華山:ポストカードとか初回特典みたいなのにこすると香るのとか……。


山田:そうです。編集部で、考えてくれてはいるようです。


華山:今日それ、読者の要望として……欲しい! って言いたかったんです。麻子さんのどこかをこすると匂いがするやつとか。


山田:どこか(笑) せっかくなら擦りがいのあるところをやりたいですね。2巻以降でもしやれたら。


華山:毎回心血ポイントがTwitterであがっていますが、作品全体で心掛けているポイントとか、作画・ストーリーそれぞれに気を付けていることはありますか?


山田:作画で言うなら、それこそ心血ポイントもなんですが、自分はもともと少年漫画出身なので、どちらかというと読みやすさを重視しています。心血ポイントみたいな頑張りたい絵のところはすごく頑張りますが、それ以外のギャグ顔とかは抜いた感じで描いたり、会話のコマとか台詞が多めになると、画面の隙間を意識したりしています。


 ストーリーで言えば、フェチラブコメという感じでやっているので、エッチな部分も楽しんでほしいけど、普通に漫画として楽しい話になるよう心がけていますね。


華山:1話が出来るまでのスケジュールってどういう感じなんですか?


山田:打合せからネームを作るまでが2日くらい。そこから作画を始めて、仕上がるまでは4日か5日ですね。ページが多かったりキャラが多かったりすると押すので、スケジュールがガタガタになることもありますが。


華山:締切やばい! ってなったことありますか?


山田:まだ本当にデッドみたいになったことはありません。もともとすごく描き貯めていたんですよ。1か月分くらいはあったんじゃないですかね。だから最初は余裕がありました。


 でもコミックス作業で押しちゃって、いまはもうカラなんですよ。色々やばい感じになりかけていて、年末年始の休みはないかもしれませんね(苦笑)




華山:麻子さんみたいな汗っかきの女性をヒロインにしようと思ったきっかけはなんですか?


山田:自分がまず“赤面が好き”っていうのがあり、それに加えて“汗好き”というのがあるんですよ。汗をかくことってすごく頑張り屋なイメージがあるし、汗だくになって色々やっているのってちょっとドキドキしちゃうじゃないですか。麻子さんのようにすれば、常に赤面させられるし、汗もかき放題なんで、それがきっかけですかね。


 汗っかきをコンプレックスしているだけの子が描きたかったわけではないんですよ。その設定だけだと添え物というか、テンプレートみたいになっちゃうので、人間味を出したかったんです。


華山:麻子さんのコンプレックスである汗っかきは、みんな誰しも多かれ少なかれ経験があると思うんですよね。好きな人と手をつないだら手汗やばいどうしようとか、緊張しすぎて人前で自分だけ汗だくとか。


 そういう共感ポイントや、それを全肯定してくれる名取さんがいてくれることがこの作品の魅力で、コンプレックスを解消してくれる存在を間接的にも知れるって、救いだと思うんですよね。そういう部分が女性読者の多い理由かなって個人的に感じているのですが(※Twitterアンケートでは女性読者が多かった)、こちらの結果についてはどう思われますか?


山田:女性ファンが多いと感じたのは、Twitterの公式アカウントを作ったときの反応だったんですけど、アンケート結果もそう出ていましたね。


 確かに、掲載誌が『週刊Dモーニング』だからといって、中年男性向けに作ろうって思って描いていたわけじゃありません。やりたいようにやったらこうなった、みたいな感じですかね。とはいえちゃんと男性読者もいますし、男女どちらでも楽しんで読めるようにはなっていると思います。


華山:男性読者からはどんな反応がありますか?


山田:男性のほうがしっとりと作品を語る印象があります。エロ目線で見る人もいるし、麻子さんカワイイみたいな方もいるし、物語として楽しんでくださる方もいるし。


華山:まだ第1巻が発売されたばかりですが、物語としての全体像はすでに思い描いているのですか?


山田:普通のラブコメだったら、ふたりが結ばれて終わる、みたいなのが基本だと思うんですよ。でも『あせとせっけん』はふたりが結ばれてから始まっているんですよね。最終的にどう着地させるか、ぼんやりと考えてはいるけど……ってところです。


華山:付き合ってから始まるというのは、最初から決めていたことですか?


山田:いえ、最初は読み切りでしたので。


華山:ということは、連載開始時はその後の展開を考えていなかった?


山田:そうですね。単行本のあとがきにもありますが、読み切りが掲載された時点では全然考えていませんでした。だから第1話のラストが一気に冬に飛んでいるんです。2話以降から時間を過去に戻して、それまでの空白をせっせと埋めているところです。


華山:そっか! “香りの二重構造”(※第1話の最後に冬の新商品として登場する石鹸)が完成するところにつなげているんですね!


山田:そうです。1話のラストに戻るし、そこからさらに話が続けば未来の話になります。


※後編(11/22 12:00-公開予定)に続く!


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