バンドマンや大道芸人を支える「投げ銭」 懐に入れていいボーダーラインは?

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2018年11月29日 10:12  弁護士ドットコム

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繁華街に立ち、道ゆく人たちにパフォーマンスを披露する若いバンドマンや大道芸人。そんな彼らに「頑張ってね」と伝えるため、投げ銭をしたことはありますか。投げ銭箱をのぞくと、お札がのぞいていることもあり、中にはそれで生活できる人もいるのかもしれません。


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では、そのお金は税法上、どのような扱いになるのでしょうか。田邊美佳税理士に聞きました。


●投げ銭は「パフォーマンスの対価」

ーー 投げ銭をする人は、応援するという動機があると思います。税法上はどのような位置付けにあるのでしょうか


「贈与は『自己の財産を無償で相手にあげること』です。つまり、対価性がないことが前提となります。これに対し、大道芸人やバンドマンへの『投げ銭』は通常パフォーマンスの対価として渡しているのではないでしょうか。この場合には、贈与税の対象ではなく、所得税の対象となってきます。


投げ銭を所得として申告するにあたっては、売れっ子の大道芸人やバンドマンであれば、通常それを事業として行っているのと思いますので、事業所得として申告することになります」


ーー「事業」規模ではない、趣味の延長でおこなう人も多いのではないでしょうか


「実際はそのようなケースが多いそうですね。大道芸人やバンドマンとしてだけでは十分な収入が得られず、他の収入で生計を立てているような状況であれば、通常は雑所得として申告することになります。


ただし、給与を1カ所からもらっている人で、給与所得や退職所得以外の所得合計が20万円以下であれば確定申告をする必要がありません」


ーーたとえば、副業でバンド活動を行っているサラリーマンであれば、バンド活動から得られる所得「総収入金額(投げ銭等)−必要経費(バンド活動の費用)」が20万円以下であれば税金はかからないのですね


「そうなります。投げ銭について申告が必要か否かは、他の収入の内容や金額によって変わってきますので注意が必要です」


【取材協力税理士】


田邊美佳(たなべ・みか)税理士


オネスタ税務会計事務所所長。公認会計士・税理士・行政書士・ファイナンシャルプランナー。相続税申告、生前対策業務に特化。国際相続案件にも対応可能。


事務所名 : オネスタ税務会計事務所


事務所URL: http://www.onesta-tax.com/


(弁護士ドットコムニュース)


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