【ターニャの映画愛でロードSHOW!!】同性愛が重要なカギ?社会的マイノリティーと「ファンタスティック・ビースト」

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2018年11月29日 13:00  citrus

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© 2018 Warner Bros. Entertainment Inc. Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights © JKR

⬛︎同時代に観ることであなたの人生に刻まれる傑作

 

こんにちはー、金曜ロードSHOW!プロデューサーのターニャです〜☆


これまでの人生、相当な数の映画を観てきました。その結果、気づいたことがあります。公開や製作とほぼ同時期に観ることで人生に深く刻まれる傑作、というものがある、と。「スター・ウォーズ」や「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズ、「ロード・オブ・ザ・リング」など、シリーズものに多いかもしれません。

 

今回ご紹介する『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』、先週公開された最新作『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』と合わせて、「ファンタビ」シリーズはまさにそんな映画です。

 


⬛︎「ハリー・ポッター」の新シリーズは「大人が楽しめるファンタジー」

 

ご存知のように「ファンタビ」シリーズは、「ハリー・ポッター」シリーズの新シリーズです。脚本を手がけているのはハリポタシリーズの原作者、J.K.ローリング。2つのシリーズの舞台は「魔法ワールド」という共通の世界で、ハリーたちが活躍したホグワーツ魔法魔術学校も「ファンタビ」シリーズに登場し、主人公のニュート・スキャマンダーはホグワーツの卒業生です。オスカー受賞俳優エディー・レッドメインが演じるニュートはハリポタシリーズでもお馴染みのダンブルドア先生の教え子でもあります。


……と書いてくると、「あー、ハリポタと同じで魔法が出てくる子ども向きのお話ね〜」と思われる方も多いかと思います。ハリポタが子ども向きかはさておき、世界中の子どもたちに圧倒的な支持をえた作品であることは事実です。

 

ただ、私ターニャは断言します。「ファンタビ」シリーズは、大人こそがより深く楽しめる上質な物語である、と。もちろん、ハリー・ポッターシリーズのファンは間違いなく楽しめますが、ハリポタシリーズを観ていなくても、十二分に面白いと感じられる傑作シリーズなのです!

 


© 2018 Warner Bros. Entertainment Inc. Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights © JKR


⬛︎大人の恋愛、権力争い、同性愛……ファンタビとハリポタの大きな違い

 

「ファンタビ」シリーズは大人こそが楽しめる、という理由はいくつかあります。

 

最大の理由はハリポタの主人公はハリー・ポッターという少年であり、その親友たちを中心にした物語でしたが、今回の主人公ニュートは大人で、登場人物はほとんど大人であるということです。そして、「魔法ワールド」を舞台に描かれるのは、魔法動物学者であるニュートの世界を股にかけたスリルとサスペンスに満ちた冒険であり、周辺の大人たちを含めたラブロマンスだからです。

 

私は、J.K.ローリングの凄さはキャラクター設定の巧みさとストーリーテラーとしての異常なまでの優秀さ、にあると考えています。まさに天才と呼ぶにふさわしい彼女の紡ぎ出した大人のファンタジーが「ファンタビ」シリーズです。ストーリーには、ハリポタにはあまりなかった大人の恋愛や権力争いが要素として練りこまれているほか、注目すべき点がひとつあります。

 

同性愛が重要なカギとして登場することです。ネタバレになるので詳細は割愛しますが、人種やセクシャリティーなどについて寛容な立場を明確にしているJ.K.節が明確に反映されていて、非常に興味深く感じました。そして何より、圧倒的な物語展開が面白い!そう、こうした理由により、「ファンタビ」シリーズは大人こそがより深く楽しめる上質な物語なのです。

 


© 2018 Warner Bros. Entertainment Inc. Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights © JKR


⬛︎エディーが語ってくれた「ファンタビ」、「ハリポタ魔法ワールド」の凄さの理由

 

金曜ロードSHOW!のプロデューサーになって6年半。ハリポタシリーズや「ファンタビ」シリーズに深く関わってきた私は、その凄さの理由はなんだろうと考えてきました。なぜ、かくも世界中の人々を魅了し、愛される「特別なシリーズ」になっているのだろう、と。今回来日したニュート役のエディー・レッドメインにその疑問をぶつけたところ、とっても納得できる答えを聞くことができたのでご紹介します。


エディーは私の質問はあまり聞かれたことがない類のものだったようで、「うーーん」と頭を抱え込んだあと、こう言いました。「……JKローリングの存在が大きいと思いますね」そして次のように続けたのです。

 

「彼女の作品の主人公はほとんど“アウトサイダー(はみ出しもの)”です。『普通の社会』に馴染んでいないものたちです。彼女(JKローリング)はそうした人たちが最も英雄的である物語を紡ぎます」


さらにエディーは自らが演じたニュートについて話しました。

 

「僕がニュートについて好きなところは、小さい頃から学校ではのけ者なのに、自分なりの満足や幸せをちゃんと見つけているところです。

 

JKローリングはそこに英雄性を見出す、だから人々が共感できるんだと思います」

 

私は本当にその通りだと思いました。両親を知らずに育ったハリー・ポッターなど、社会的マイノリティーや弱者への彼女の目線は常に優しく、特徴的だと私も感じていたからです。さすがエディー、と心から納得した私でした。

 

それでは皆さま、心に残る忘れられない映画体験を☆

 


エディー・レッドメイン(右)金曜ロードSHOW!プロデューサー・ターニャ(左)

■番組情報

 

『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』
11月30日よる7時56分〜 本編ノーカット 地上波初放送


*いつもより早い放送開始なのでご注意を!

 


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