細胞マッピングにより妊娠メカニズム解明に近づく

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2018年12月03日 19:01  妊活・卵活ニュース

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ヒト胎盤の細胞アトラス
ロックフェラー大学トーマス・トウシュル研究所の研究チームは、「Science Advances」にて、妊娠初期の胎盤における細胞のマッピングに成功し、間質細胞や内皮細胞を含め、胎盤の細胞20種類以上をマッピングできたと発表した。

同研究所のヘマン・スーリヤワンシ(Hemant Suryawanshi)氏は、ヒト胎盤の細胞アトラスが世界初の成功であると述べている。

妊娠合併症の改善に向けて
子癇前症、早産はじめ妊娠合併症は、妊娠中期・後期に引き起こりやすい。それゆえ、これまで研究者は妊娠後期の胎盤に着目してメカニズムの解明に努めてきたが、今回、妊娠初期より胎盤に異常が生じると推測した。

研究チームは、胎児と妊娠期の母親がもつ細胞の特徴を把握するために胎盤9個、脱落膜11個を用いて、胎盤の細胞から脱落膜(妊娠に伴い、子宮の粘膜が肥大増殖して厚く柔らかく変化し、分娩後に剥離・脱落する)、子宮内膜など胎盤の組織に至るまで分析した。

RNAシーケンスにより妊娠初期における14000個以上の胎盤細胞、約7000個の脱落膜を分析したところ、20種類を越える遺伝子発現タイプが認められた。

研究チームは、子宮内膜上皮細胞が妊娠に重要な働きを担うと結論付けている。子宮内膜上皮細胞により受精卵の着床が促され、遺伝子発現量・期間を制御するという。また、胎盤は、妊娠期の母親における免疫システムを変化させるなど身体変化メカニズムに大きな影響を与える。

ヒト胎盤の細胞アトラスは、母親と胎児の健康維持、妊娠合併症の改善に活かせる期待される。

(画像はプレスリリースより)

THE ROCKEFELLER UNIVERSITY

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