【弁護士が解説】『世界の果てまでイッテQ!』のヤラセ問題は法律違反になり得る?

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2018年12月05日 18:52  シェアしたくなる法律相談所

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ヤラセ問題が浮上した、日本テレビ系人気バラエティ番組『世界の果てまでイッテQ!』。宮川大輔が世界の祭りに参加する企画で、「現地の祭り」と紹介したものについて、「実は番組が作ったものではないか」という疑惑が持たれました。2018年11月15日付で、番組側は「ヤラセ」そのものの意図は否定した上で、祭り開催の経緯などの説明が不十分だったり、誤りがあったりしたと発表しています。


過去にも、あるテレビ番組の「出演者に対し意図的なコメントを言わせる」「偶然発生したように見せかけて実は台本通りだった」などのヤラセが発覚したことがあります。


「演出」という声もありますが、テレビの影響力の大きさを考えると、軽々しく片付けることはできないでしょう。このような行為は法律違反にならないのでしょうか? 虎ノ門法律経済事務所 池袋支店の齋藤健博弁護士に見解をお伺いしました。


Q.テレビ番組のヤラセ問題…法律違反になる?
A.刑事罰にはなりません

齋藤弁護士:「放送事業者は、NHK・民間双方で構成されているBPO(放送倫理・番組向上機構)という第三者機関による事実上の監督を受けています。この機関は、放送倫理検証委員会、放送と人権等権利に関する委員会、放送と青少年に関する委員会などの機能を持ち、設置の目的は、放送が公共的なもの、社会的影響力の重大さを有している放送の性質に応じて、適切な放送内容であることを担保する機関です。


実は、ヤラセなど明確に虚偽である放送であっても、表現の自由の保護の対象とはなり得るものですが、社会的な影響力を考えると、一律に排除することはできないのが実情です。ご紹介したBPOは、あくまでも第三者機関であって、刑事罰を行使するような権限は有していません。


ただし、ご指摘の番組ですと、放送倫理検証委員会より、日本テレビに対して報告書の提出を要請し、その放送内容について調査する意向を明確にしています。罰則とは言わないまでも、問題視していることは事実なのでしょう。」


放送機関として問題があることは確かですが、「刑事罰」にはなり得ないようです。もちろん、刑事罰にならないからといって、必ずしもヤラセが許容されるわけではありません。



*取材協力弁護士: 虎ノ門法律経済事務所 池袋支店 齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)



*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)


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