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なぜ「朝食抜き」は太りやすい? 栄養学の新常識

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2018年12月10日 06:12  AERA dot.

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写真機能性をうたった静岡の三ケ日みかん (JAみっかび提供)
機能性をうたった静岡の三ケ日みかん (JAみっかび提供)
 高齢者が陥る老年症候群の一つがフレイル(虚弱)。体が衰えて要介護の手前となる状態で、低栄養が原因の一つになっている。元気で長生きするため、高齢期のフレイルと中年期の生活習慣病を防ぐ食事術と栄養学を知っておきたい。

【ビタミンDを多く含む食品はこちら】

「女性は60代ごろになると、運動器の老化が顕在化します。その背景として、栄養素ではビタミンDが一番大きな問題だと思います」

「日本と韓国の女性は血中のビタミンD濃度があるべき数値より下回っていると、国際骨粗鬆症財団から警告が出ています。現在、本当に危機的な状況です」

 東京都内で11月開かれた「食育健康サミット2018」で、桜美林大学老年学総合研究所の鈴木隆雄所長はこう訴えた。骨を丈夫にするため、カルシウムの重要性は長年叫ばれてきた。その吸収を助けるビタミンDの不足も、高齢者の骨折リスクを高める。そんな“新常識”が、近年データで明確になってきた。ビタミンDは、研究者が現在最も注目する栄養素の一つだ。

 日本人の食事摂取基準によると、成人の摂取の目安量は1日5.5マイクログラム。ただ、これは健康な成人の目安で、骨粗鬆症財団は「高齢者はカルシウムを吸収する力が落ちており、10〜20マイクログラムの摂取がよい」という。ビタミンDはきのこや魚に多く含まれており、積極的にとりたい。

 食べ物だけでなく、日光浴によって皮膚でも合成される。美白意識から日焼けを気にしすぎると不足しがちで、栄養面からはマイナスと言える。それを象徴するのが、近年急増する子どもの「くる病」だ。

 ビタミンD不足で骨の発育不良を招き、O脚になったり、背中が曲がったりする。戦後の栄養不足の時代に多かったが、飽食の現代の増加に研究者は注目する。

 大阪大学医学系研究科の大薗恵一教授(小児科学)はこう話す。

「最近は食物アレルギーを気にする余り、子どもの食事の食材が増えず、(魚や卵に含まれる)ビタミンDが不足する危険性が高まっています。日焼けは地域や季節の紫外線量によって差がありますが、30分ほどは顔と両腕を露出して紫外線を浴びたほうがよいです」

 若い母親が外出時に日焼け止めをつける際、赤ちゃんにも一緒に塗ることがある。こうした行動が乳幼児のビタミンD合成の妨げとなる恐れにも気をつけたい。

 骨の丈夫さを示す骨量は幼児から思春期に急速に高まり、20代から横ばい。40〜50代以降に落ちるが、女性は閉経期から急速に減る。

 女子栄養大学の上西一弘教授(栄養生理学)は「骨粗鬆症を防ぐには、成長期に最大骨量を高めておき、高齢期や女性の閉経期はできるだけ減少を抑えたい。バランスよい食事に加え、骨の材料となるカルシウムやビタミンDを十分に摂取し、運動して骨に刺激を与えることが重要」と話す。

 カルシウムの1日の摂取推奨量(50歳以上)は、男性700ミリグラム、女性650ミリグラム。2017年の国民健康・栄養調査によると、男女ともに未達だ。日本人の摂取量は1970年ごろと同水準にとどまる。

 最近の研究では、牛乳を週1回以下しかとらない人のように、カルシウム摂取が極端に低いと大腿骨頸部骨折のリスクを上げる可能性が高いこともわかった。

 上西教授は「骨折リスクだけでなく、認知症発症にも牛乳・乳製品の摂取が関係するという研究結果があります。たくさん牛乳を飲む人のほうが、認知症の発症率は少ない。高齢者にとって、牛乳は骨の健康に重要なうえ、認知症予防の効果も期待されています」と話す。

 骨の健康を巡っては、旬を迎えたみかんも話題だ。

 β‐クリプトキサンチンという色素成分が、骨量低下を防ぐ可能性が示されている。静岡県浜松市三ケ日(みっかび)の住民約700人が対象の疫学調査によると、みかんをよく食べてこの成分の血中濃度が高い閉経後女性は、骨密度が高かったという。

 JAみっかびは地元産みかんを、「骨の健康に役立つ」との機能性表示食品として消費者庁に届け出ている。たくさん食べればよいというわけではなく、1日3個までが目安になる。

 また、フレイル予防の点から不可欠なのが十分なたんぱく質摂取。体重1キログラムにつき1日1グラムが目安で、60キログラムだと60グラムになる。高齢者は心持ち多めを心がけたい。

 何を食べるかだけでなく、いつどのように食べるとよいか。そんな時間栄養学の研究も進む。17年のノーベル医学生理学賞が体内時計のしくみの研究に贈られるなど話題を集めている。

 時間栄養学の研究によると、体内時計のリズムは1日24.5時間で、24時間とわずかなずれがある。朝ごはんが大事と長年言われるが、朝食を食べると体内の時計遺伝子が発現し、0.5時間のずれをリセットする効果があるという。

 早稲田大学先進理工学研究科の柴田重信教授は「朝食を抜くと体内時計がずれていき、『時差ボケ』を起こします。深夜に食事して朝食を抜く生活が続けば、体内時計が後ろにずれていき、肥満や糖尿病などにもつながります」と話す。

 朝食は、パンやごはんなど炭水化物だけでなく、魚などのたんぱく質も加えると効果的。そんな研究結果もある。イワシやマグロなどの魚油は特に時計遺伝子をよく動かし、体内時計をリセットしやすいと考えられるという。ごはんと焼き魚、ツナサンドと牛乳などは理想的な朝食となる。

 塩分をとる際は、朝昼より夕方以降のほうが体内に蓄積されず、尿として排出されやすいとの研究もある。

「女子大生が被験者となり、同じみそ汁を朝昼夜それぞれに飲んだ際の尿の塩分を調べた実験があります。一番濃い時間帯は、夜だったのです」(柴田教授)

 体内に入ったナトリウムは、余分な量が腎臓の働きで尿として出る。こうしたナトリウムの吸収や排出機能も、1日のリズムがあると考えられる。とはいえ、夜は塩辛いものをたくさん食べてもOKというわけではないので、念のため。

 食事摂取基準によると、食塩の1日の目標量は男性8グラム未満、女性7グラム未満。現実は男性10.8グラム、女性9.1グラムと高い(17年国民健康・栄養調査)。日本高血圧学会は1日6グラム未満を推奨し、世界保健機関(WHO)の目標は1日5グラム。「かるしお」「すこしお」など様々な減塩運動が叫ばれるが、なかなか減らない。

 そこで、注目されるのがナトリウムとカリウムの比率(ナト・カリ比)。カリウムはナトリウムの排出を助ける機能がある。前出の女子栄養大の上西教授はこう話す。

「日本人の食塩摂取量は少しずつ下がっていますが、5グラム未満はまず実現できない。これ以上の減塩がどうしても難しい場合、一つの対応としてカリウムを増やす考え方があります。まだ比率の具体的な数字はないですが、ナトリウムと反対の働きのカリウム摂取を増やすということです」

 カリウムの摂取目標量は男性が1日3千ミリグラム以上、女性が1日2600ミリグラム以上(食事摂取基準)。カリウムは春菊、ホウレン草、芋類などの野菜や、りんごやバナナなど果物に豊富だ。塩分を抑えることの重要性は変わらないが、カリウム摂取による「攻めの減塩」も意識したい。ただ、腎機能障害がある人は、とりすぎに要注意だ。

 時間栄養学の話に戻ると、血糖値スパイク(急上昇)を抑えるための「攻めの間食」という発想もある。

 柴田教授は、効果的な間食が血糖値の急上昇を抑えることを自らの体内での実験で示した。コンビニなどで売っている一口ようかん(約160キロカロリー)を食べた際の血糖値を、夕食前に摂取・夕食後に摂取・摂取しない、の3種類で比べた。

「夕食までに軽く間食をとっておくと、夕食後の血糖値上昇を抑えられます。同じものを夕食後に食べると、間食のときより血糖値は高くなります」(柴田教授)

 間食が効果的だと考えると、朝食を抜く問題点もはっきりする。朝食を抜けば、体内時計をリセットできないだけでなく、昼食時の血糖値急上昇や、朝食抜きによる食べすぎも心配になる。

 ダイエットのために朝ごはん抜きという人もいるが、時間栄養学の視点でみると、朝食抜きは「逆ダイエット」ということになる。(本誌・岩下明日香)

※週刊朝日  2018年12月14日号

このニュースに関するつぶやき

  • 食事制限によるダイエットもよくないそうだ。リバンウンドしやすいのも、細胞が飢餓状態に置かれ、僅かなカロリーもため込む体質になってしまうから。しかもDNAレベルで。細胞内部が変わってしまう所が怖い。
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  • 長げ〜コラムだが(途中で飽き飽きした)唯一点言わせて欲しい。>日本と韓国の女性 一緒にしないでくれる?
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