20代の捨てられない思い出、過去の恋愛、三日坊主のアイテム、蓄積された趣味のコレクション、不安の数だけ溜まるストック商品……。収納ライター・ito makiが、30代・女性のひとり暮らしにありがちな、モノと煩悩に支配された“汚部屋"を一掃。ゴミという名の過去を捨て、心ごと汚れを洗い流し、願いが叶う“悟り部屋”に変えていきます!
【煩悩003-14】「リバウンドゼロの収納」の作り方(Eさん・32歳)
ひきつづき、第3回目のクライアント・東京都世田谷区の2DKに住むEさん(32歳)のお部屋です。
前回は、メイクスペースを片付けました。今回は、ベッドルーム全体のビフォーアフターと、汚部屋にリバウンドしないためのテクニックもお届けします。
ベッド横にある本棚ですが、最初に、本を取りやすいレイアウトに変更したことで改善できました。あとは不要な本を減らすだけで終了なのですが……。
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ただ、モノを減らすだけでは「散らかる部屋」から卒業できません。汚部屋にリバウンドしないためには、「モノの正しい収納の仕方」と、「思考の変化」が必要なのです。
ここでは、「モノを増やす癖」を抑える収納テクニックと「インテリアに無関心」な気持ちを変えるポイントを紹介します。
【テクニック・その1】「モノを増やす癖」を抑える3つの収納法
残すモノを本棚へ収納するとき、上記の「3つのポイント」を意識すると、自分が無意識に行ってしまう「モノを増やす癖」を制限できます。
整理収納の基本は、モノを減らす→グループに分ける→モノを収めるという流れです。本棚の場合、漫画、小説、趣味といった感じで「グループ」を分け、一定量を管理するための「枠」を作りましょう。これが「モノの住所」となります。この「枠」からあふれたら、減らすよう検討するのです。これを「見直す」といいます。決めた「枠」に入る量が「適正量」になります。全体的には、7割収納を心がけます。3割の「余白」を持つと、視覚的に優雅になります。モノが想定外に増えたときも、対応できる余裕を保てます。
隙間を見つけてはモノを突っ込む癖がある人は、3割の余白に「ディスプレイ収納」を作るのもOK。大切にしたいモノを飾ると、余白を維持しようという気持ちが沸いてきます。
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「3つの収納法」を実行すると、こうなります
「モノを増やす癖」を抑える3つの収納法を実行して、本棚を整理しました。
「余白」には、スピリチュアルグッズをディスプレイしています。隙間にモノを突っ込まないためには、ガラス製の置物や好きな人の写真も効果的です。
日本画や日本庭園でみる「余白」は、日本独特の美意識から生まれたもの。神社やアート好きのEさんには、余白が心地良く感じられるはず。それにより、想像力が高まり大切なモノがしっかりと見えてきます。
もうひとつ! Eさんのクセがすごい場所を解決したいと思います。
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ベッドルームに飾られた印刷物を、赤丸で囲みました。彼女の多様な趣味(春画、サブカル、洋物など)の一端です。でもどこか、趣味が迷走しているようにも……!?
好みが多い人は、出費もかさみます。無意識にお金を使っていると思う人は、自分の部屋に持ち込むモノに、マイルールを持つこと。物欲をセーブできる「3つのルール」があります。
物欲をセーブする「3つのルール」
部屋に入れるモノに「テーマ」を持ちます。Eさんの場合、テーマは「大人の色気」。物欲をセーブする「3つのルール」を反映して、ディスプレイコーナー=「枠」を用意しました。
カーテンが紫色なので、ピンク系のアートが映えます。私物のネストテーブルとアートフレームに合わせた黒のワイヤーネットを、賃貸用フックで設置しました。ここが、アートを飾るための「枠」になります。
廊下の片隅に飾られていた生花も、主役へと返り咲きました。散らかる趣味をひとつに絞ったことで、モノの存在感が華やぎます。インテリアに関心を持つことで、キレイを維持する気持ちが高まります。
これが本来の、彼女らしさです。
最後に、ベッドルームの全体ビフォーアフターを動画でご覧ください。
Eさんの住む2DKより、ベッドルームを片付けました。動画撮影による、ビフォーアフターをご覧になれます。
Before
例えるなら、大都会の雑踏感の中で眠るといったイメージでしょうか……。
After
「色気」をテーマにした、シックな部屋へと変身。とても良い夢を見られそう!
次回は、臭いがこもる「シューズクローゼット」を使いやすくイメチェン!
――「30代女子の『煩悩部屋』ビフォーアフター」は毎週月曜更新です。次回をお楽しみに!
<プロフィール>
伊藤まき(ito maki)
収納ライター・兼・整理収納アドバイザー1級。おがくず工場に生まれ、ホテル清掃員、国鉄系レストランの厨房、内装会社、デパートの搬入搬出など“家事の土台”を極めた生活を経て、出版社入社ののち独立、現在に至る。モノを手放すほど「幸運」が舞い込むジンクスを何度も体感! 貧乏神と決別した実体験をもって、整理収納の威力をお伝えします。
<Instagramはこちらから>
●Eさんのお部屋・バックナンバーはこちら
<リビング編>
【3-001】“多すぎる欲望”に埋もれた30女の汚部屋
【3-002】「捨てられない!」で溢れた30女リビング
【3-003】封印されし「ミニクローゼット」を断捨離
【3-004】ネットワークビジネスの「不良在庫」を断捨離!
<キッチン編>
【3-005】「腐ったザクロ」と「モノ」に溢れる汚キッチンを清掃!
【3-006】“無料”と“流行”に汚染された30女の汚台所
【3-007】30女キッチンの「吊り戸棚」を800円で整理
【3-008】レシートまみれの「キッチンカウンター」
【3-009】ゴミに埋まる「キッチンテーブル塚」
【3-010】動画で見る「汚DK」ビフォーアフター!
<ベッドルーム編>
【3-011】動線最悪の「汚ベッド」を配置換え!
【3-012】ハンガーは「40本」あればいい!?
【3-013】汚化粧スペースは「高級ゴミの山」!?
<片付けに悩む[30代・ひとり暮らしの女性]を大募集>
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