声優・羽多野渉×作曲家・彦田元気、2ndアルバム『Futuristic』対談

1

2018年12月12日 18:03  マイナビニュース

  • 限定公開( 1 )

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

マイナビニュース

画像提供:マイナビニュース
声優・羽多野渉が12月12日に2ndフルアルバム『Futuristic』をリリースする。約4年ぶりのアルバムとなる今作は5th〜8thシングルのほか新規楽曲が5曲収録されるなどボリュームたっぷりの内容となっている。

今回は羽多野渉と、TVアニメ『ユーリ!!! on ICE』EDテーマ「You Only Live Once」などこれまで羽多野に数多くの楽曲を提供してきた作曲家・彦田元気の対談が実現。『Futuristic』収録の新曲「CAPSULE HEART」で再度タッグを組んだふたりの関係性や楽曲についてはもちろん、アルバムタイトルにもなっている「未来」についても話を聞いた。
○▼この瞬間にひとつのメロディが生まれている

――彦田さんから羽多野渉さんへの楽曲提供は、「You Only Live Once」(『ユーリ!!! on ICE』EDテーマ)、「ハートシグナル」(『ひとりじめマイヒーロー』OPテーマ)、「All day long, All night long」に続いて今回の「CAPSULE HEART」で4曲めになるんですね。

羽多野 そうなんです。彦田さんは1曲ごとに新たな発見をさせてくれる作曲家さんなんですよ。毎回いろんな自分を向き合うことになります。

彦田 「CAPSULE HEART」でも新しい羽多野さんを見せたいなと思って制作させていただきました。これまで応援してきた方も、はじめて羽多野さんに触れる方にもおすすめしたいです。低い声で歌ったり、かと思えば高くなったり、ラップパートもあったりと、一曲でいろんな羽多野さんの顔が見られると思います。

羽多野 とにかく構成が複雑なんですよ。

――過去への哀愁と未来へ向かって歩みだす力強さを意識されているということですが。

羽多野 いろんなシーンが浮かんできて、まるで1本のミュージカルみたいです。やりがいのある楽曲ですね。本来、自分に得意な分野があれば、そこをベースにして曲を作ってもらうやり方もあるかもしれない。でも、2011年からアーティスト活動を続けてきて、いまも自分は何が得意かがわからないんです。なので、毎回違うことにチャレンジしている。それが血となり肉となり、次の音楽活動に生かされています。

――新しい姿を見たくて、毎回楽曲の雰囲気をガラッと変えているのは、アーティストとして信頼しているからこそなのかなと。

彦田 そうですね。やっぱり楽曲って、難しすぎると歌う側はもちろん、聴いている側にも伝わってしまうんです。そのバランスが大切なんですけど、「羽多野さんならいける!」と思って毎回制作しています。

羽多野 ありがたいなー(笑)。

――実際に「CAPSULE HEART」を歌ってみていかがでした。

羽多野 デモ音源を聴いた時点で構成の複雑さを感じていました。しかもラップパートもある。ラップなんて習ったこともないのに(笑)。でも、レコーディングで心強かったのは、彦田さんはもちろん、プロデューサーさんやミキサーさんたちが、歌っているときに「とってもいいですよ!」「ハマッていますよ!」って嬉しい声をかけてくれるんです。どんどんモチベーションが上がるんですよ。

――やっぱりやる気に直結してくるんですね。

羽多野 チャレンジする心が膨らんでいきましたね。みんなで協力しながらレコーディングを進めていったので、孤独に立ち向かっている感じはまったくなかったですね。それに現場でもいろいろなアイデアが飛び交って、本来ボーカルがないパートなのに「ここにハモが入ったらどうですかね」と言ったら、その場でメロディが生まれて。

彦田 ラップパートのシーンからメロディに向かっていくところがあるんですけど、やっぱりそこはメロディアスにいきたかったんですよ。なので、その場で僕が鍵盤を叩きながら、「この音ですね」って音を出して羽多野さんに歌ってもらって、あれは感動しましたね。

羽多野 しびれましたよ。「この瞬間にひとつのメロディが生まれているんだ!」って。

――そういった化学反応的に生まれることがあるんですね。

羽多野 それがあまりに楽しすぎて、レコーディングが終わってからみんなでラムチョップを食べに行きましたからね(笑)。

彦田 これまでたくさんアニソンの現場に関わらせてもらいましたけど、一番楽しかったです。それくらい全員テンションが上がっていましたからね。

羽多野 めっちゃめちゃにね。「みんな、このあとどうですか?」って。最終的にお店の人から「そろそろお時間なんで」って言われる時間まで居ましたからね(笑)。
○▼夢を叶えたアニサマ

――そもそもおふたりの最初の出会いは?

羽多野 「You Only Live Once」のレコーディングスタジオが初対面だったかな。才能あふれる若い方だなって印象でした。8歳も差があるんですよ。

彦田 ありがとうございます。羽多野さんについては声優をやったり歌ったり、格好いいなとずっと思っていました。なので最初は、まさかアニメで観ていた声優さんと一緒に仕事をするなんて思ってもいなかったのでうれしかったですね。

羽多野 こういう風に謙虚でピュアな方なんですよ。印象深いエピソードがあって、2017年の「アニサマ」(Animelo Summer Live)に初出演して、そこで「You Only Live Once」を歌ったんです。彦田さんはプロの作曲家になる前から「アニサマ」を観に行っていたんですよね。

彦田 そうなんです。

羽多野 そこで「いつか『アニサマ』で自分の作った曲を歌ってもらうのを目標にしていました。ありがとうございます」と言われたんです。こちらこそありがとうございます、ですよね。

――羽多野さんが彦田さんの夢を叶えた。

羽多野 そういうやり取りができたのは、お互いにとってもよかったですね。僕にとってもはじめての「アニサマ」でしたし、27,000人という大勢の前で歌わせてもらったのは、自分の中の自信にもなりましたね。

彦田 いまでも思い出すとウルッときます。感動で泣きそうになりながらステージを観させてもらっていたんですよ。

羽多野 まさに人間ってひとつの縁でつながっていくんだなと実感しましたね。僕は2001年から声優の仕事をはじめているんですけど、いまの自分があるのは、一つひとつの現場で出会った方々とのご縁のおかげなんだな、と。「You Only Live Once」がなかったら、今回のアルバムの「CAPSULE HEART」もなかったわけですからね。
○▼スーパーに行くくらいの感覚で

――今回のアルバム『Futuristic』のタイトルの由来は?

羽多野 プロデューサー陣と「アルバムをどういう方向性にするか」という打ち合わせをしていたんですけど、そこでたまたま、「Futuristic」という単語が出たんですよ。まさに僕が掲げているテーマが「未来を行く」なんです。なので、「Futuristic」には未来を見据えている意志という意味が込められています。

――そして『Futuristic』を引っさげてのライブ「Wataru Hatano Live Tour 2019 -Futuristic-」が2019年3月に開催されますね。

羽多野 はい。いまはスタッフと打ち合わせをしながら、どういうライブにするか考えています。今回のライブは、タイアップ曲をもとにした世界観ではなく、アルバムをもとに構想できるというのが非常に大きいですね。縛るものがなにもないんですけど、逆に言うと自由は不自由なんですよね。

――まとまりがなくなる可能性もある。

羽多野 そうなんです。「未来」という単語で想像することは人によっていろいろあると思います。なので、誰もが楽しめるような要素を詰め込んでやりたいと思っています。僕がライブにかける理念のひとつとして「羽多野渉のライブはいつ、どこで、誰が来ても楽しめるようなものにしたい」という想いがあるんです。前回のライブに来ていないとわからないようなお約束はなく、一緒に同じ世界を作りたいと思っています。

――気軽に行っても楽しめるような。

羽多野 スーパーに行くくらいの感覚で「ちょっとライブ行ってみようかな」で大丈夫です。気軽に来てください!

――今後、羽多野さんは声優としてもアーティストとしてもどういった未来を見据えているのでしょうか。

羽多野 今回の新曲「realize」に"変わらないでいるために 変わり続けていくんだ 僕で在るから"というフレーズがあるんですけど、これが非常に自分をよく表しているなと思っています。役者として常に変化していないといけないんです。一日のなかでいろんな役を演じているので、同じということは許されない。これは音楽の表現でも同じかなと思っています。

彦田 めっちゃ良いことばですね。

――彦田さんは、今後どういった羽多野さんの姿を見せてくれるのでしょうか。

彦田 僕は、いつか羽多野さんには、物凄くはっちゃけてほしいなと思っているんですよね。はっちゃけ羽多野さん。たとえば水鉄砲とか持ってはしゃぐような楽曲を作りたいですね。

羽多野 ははは、サマーチューンですね。僕は不思議なことに冬が似合う曲が多いんですよ。1stシングル「はじまりの日に」もそうですし、彦田さんと出会った「You Only Live Once」もそうですしね。夏の曲というイメージはないので、面白いかもしれないです。

●羽多野渉2ndアルバム『Futuristic』
日程:12月12日
価格:3,780円(税込)
収録内容
01.〜prologue〜
02.Truth For
03.覚醒のAir
04.運命のCoda
05.realize
06.KING & QUEEN
07.ハートシグナル
08.All day long, All night long(アルバム.ver)
09.I Give U My…
10.記憶の底の未来の君へ
11.CAPSULE HEART
12.〜epilogue〜
アーティストブック、ライブツアー2019のイベント優先申込券を封入

●Wataru Hatano Live Tour 2019 -Futuristic-
日時:3月3日
会場:大宮ソニックシティ
昼の部:開場14:00 開演15:00予定
夜の部:開場18:00 開演19:00予定
日時:3月10日
会場:Zepp なんば大阪
昼の部:開場14:00 開演14:30予定
夜の部:開場17:30 開演18:00予定
チケット価格:7,200円(税込み)
全席指定※3歳以上有料。3歳未満入場不可(加藤大樹)

    オススメゲーム

    ニュース設定