下部組織出身の有望株たちの今 〜ミラン編〜

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2018年12月14日 18:44  サッカーキング

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サッカーキング

ミランの下部組織で育った選手たち [写真]=Getty Images
欧州トップクラブの下部組織で育ち、“期待のホープ”と称された選手たちの現況を紹介するシリーズ。第13回目は、ジャンルイジ・ドンナルンマやパトリック・クトローネなど生え抜きのタレントが続々と輩出されているミラン編をお届けする。

*2013年以降にクラブの下部組織に在籍した選手を対象とした
*カッコ内は(生年月日/国籍/所属クラブ/ポジション)

写真=Getty Images

■ジャンルイジ・ドンナルンマ



(1999年2月25日/イタリア/ミラン/GK)
経歴:ミラン

15歳のときセリエAの試合で初のベンチ入りを果たし、2015−16シーズンにミランの正GKに大抜擢。2015年10月には、セリエAのGKとしては史上最年少での先発デビューを果たした。ジャンルイジ・ブッフォン(現パリ・サンジェルマン)の代表引退後は、イタリア代表のゴールマウスも任されており、この世代では一番の出世頭と言える。代理人のミーノ・ライオラ氏による「GKにおけるマラドーナ」という表現も決して大げさではない。

■アレッサンドロ・プリッツァーリ



(2000年3月12日/イタリア/ミラン/GK)
経歴:ミラン→テルナーナ(レンタル)→ミラン

ドンナルンマと同じく16歳からトップチームのベンチに座り、昨年行われたU−20W杯にも参加した天才GK。足元の技術はドンナルンマよりも上との評価もあり、一部ではマヌエル・ノイアー(現バイエルン)と比較する声もあるほどだ。2部テルナーナからレンタルバックを果たした今季はまだ出場機会がないが、“ポスト・ドンナルンマ”の最有力候補と言われている。

■ステファン・シミッチ



(1995年1月20日/チェコ/ミラン/DF)
経歴:ミラン→ヴァレーゼ(レンタル)→ムスクロン(レンタル)→クロトーネ(レンタル)→ミラン

チェコの名門スラヴィラ・プラハで本格的にサッカーを始め、15歳でプロ契約を締結。並み外れたタレントとして欧州内で注目されると、ジェノアの下部組織を経て、2013年にミランへの移籍が決まった。しかし、イタリアの名門クラブでは思うような活躍を見せられず、下部リーグやベルギーリーグへレンタル移籍。今季はミランに残ることが決まったが、まだ赤黒のユニフォームを着てセリエAの試合に出場したことはない。

■クリスティアーン・タマーシュ



(1995年4月18日/ハンガリー/ヴィデオトン/DF)
経歴:ミラン→ヴァレーゼ(レンタル)→スラヴィア・プラハ(レンタル)→スペツィア→ジルモート→ヴィデオトン

トライアウトを経て、2011年からミランの一員に。その当時は、アーセナルやトッテナムも獲得に関心を示すなど、欧州内で名の知れた若手選手だった。最大の武器は、左足から繰り出される強烈なキック。超攻撃的な左サイドバックとして、クラブジェレンドのパオロ・マルディーニ氏に例えられることもあった。しかしトップチームでは出番がなく、現在は母国ハンガリーのヴィデオトンでプレーする。

■ダヴィデ・カラブリア



(1996年12月6日/イタリア/ミラン/DF)
経歴:ミラン

10歳ごろからミランに所属。各カテゴリーを順調に駆け上がると、19歳でセリエAデビューを果たした。両足を遜色なく使え、的確な判断とスピードを備えるモダンなサイドバックとして、その後も着実に成長。ジェンナーロ・ガットゥーゾ監督就任後はレギュラーの座を掴んでおり、“グランデ・ミラン”の復活に欠かせない選手の一人として今後のさらなる成長が期待される。

■イヴァン・デ・サンティス



(1997年5月21日/イタリア/アスコリ/DF)
経歴:ミラン→カターニャ(レンタル)→パガネーゼ(レンタル)→アスコリ

センターバックながら、2015−16シーズンにはプリマヴェーラで8得点を記録。攻撃力を備えた大型センターバックとして、イタリア代表でもU−15から各年代別の常連メンバーとして活躍してきた。夏のプレシーズン遠征でトップチームに帯同したように期待の若手の一人だったが、2度のレンタル移籍を経て、昨年夏に退団。現在は2部アスコリに所属する。

■マッティア・ヴァローティ



(1993年9月6日/イタリア/SPAL/MF)
経歴:ミラン→アルビーノレッフェ(レンタル→完全)→ヴェローナ(レンタル→完全)→ペスカーラ(レンタル)→リヴォルノ(レンタル)→SPAL(レンタル)

現役時代にアタランタなどで活躍したMFアラディーノ・ヴァローティ氏を父に持つ二世選手。ミランには2011年から2014年まで在籍したが、大半の時間は古巣アルビーノレッフェへのレンタル移籍に費やした。2014年の退団後も、国内の複数クラブを転々とし、今季はヴェローナからのレンタルでSPALに所属している。

■ブライアン・クリスタンテ



(1995年3月3日/イタリア/ローマ/MF)
経歴:ミラン→ベンフィカ→パレルモ(レンタル)→ペスカーラ(レンタル)→アタランタ(レンタル→完全)→ローマ(レンタル)

2009年にミランの下部組織に入団。すると、2011年12月には、16歳278日というクラブのチャンピオンズリーグ(CL)最年少出場記録を樹立して、一躍脚光を浴びた。しかし、2014年にベンフィカへ完全移籍。その後はパレルモ、ペスカーラへのレンタル移籍を経て、昨年冬にアタランタに加入すると、今夏に買い取り義務付きのレンタルでローマに加入することが決まった。

■マヌエル・ロカテッリ



(1998年1月8日/イタリア/サッスオーロ/MF)
経歴:ミラン→サッスオーロ(レンタル)

11歳でミランの下部組織に加入すると、2016年4月に18歳でセリエA初出場。2016−17シーズンには長期離脱中だったリッカルド・モントリーヴォに代わって中盤アンカーのポジションを任され、リーグ戦25試合に出場した。ボールコントロールとパスの上手さで、「ピルロ2世」や「新しいシャビ」と呼ばれており、今季はポゼッションサッカーを展開するサッスオーロで武者修行中だ。

■ジョヴァンニ・クロチャータ



(1997年8月11日/イタリア/クロトーネ/MF)
経歴:ミラン→ブレシア(レンタル)→クロトーネ

左サイドを中心に、セントラルMFとしてもプレー可能なクロチャータは、2011年にミランの下部組織に加入。有望なユース選手を対象とした「ミラン・ゴールド・プロジェクト」に参加したように、いずれはクラブの将来を担うプレーヤーになると期待された。しかし、トップチームでの出番はないまま、昨季クロトーネへ完全移籍。今季から2部の舞台に戦いの場を移した。

■ハキム・マストゥール



(1998年6月15日/モロッコ/ラミアFC/MF)
経歴:ミラン→マラガ(レンタル)→ズヴォレ(レンタル)→ラミアFC

2013−14シーズンのセリエA最終節で、当時15歳ながらトップチームのベンチメンバー入り。16歳の誕生日にプロ契約を交わすなど、将来を嘱望されていた。しかし、以後は思うような活躍を見せることができず、2度のレンタル移籍を経験。ミランへ復帰したあとも出場機会は得られず、結局トップチームでは出場のないまま退団が決まった。今年9月からギリシャ1部のラミアFCでプレーしている。

■ニッコロ・ザネッラート



(1998年6月24日/イタリア/クロトーネ/MF)
経歴:ミラン→クロトーネ(レンタル→完全)

190センチを超える大型MFで、確かなテクニックと豊富な運動量を兼ね備えたバランスの良い選手だ。トップデビューを果たしたのは昨年8月のこと。ヨーロッパリーグ(EL)予選のシュケンディヤ戦でフル出場を果たした。しかしリーグ戦での出番はなく、今年1月にクロトーネへレンタル移籍。今夏には完全移籍へ切り替わり、セリエBを主戦場とすることとなった。

■アンドレア・ペターニャ



(1995年6月30日/イタリア/SPAL/FW)
経歴:ミラン→サンプドリア(レンタル)→ラティーナ(レンタル)→ヴィチェンツァ(レンタル)→アスコリ(レンタル)→アタランタ→アスコリ(レンタル)→SPAL(レンタル)

U−16から各年代別代表に名を連ね、17歳のときにミランでプロデビュー。前途有望なイタリア人ストライカーとして早くから注目を集めたが、憧れのサンシーロでプレーする機会は与えられなかった。計4度のレンタル移籍を経て、2016年にアタランタへ完全移籍。昨年3月には待望のA代表デビューを飾ったが、今季は再びレンタルでSPALに移籍することとなった。

■ルカ・ヴィド



(1997年2月3日/イタリア/ペルージャ/FW)
経歴:ミラン→チッタデッラ(レンタル)→アタランタ→チッタデッラ(レンタル)→ペルージャ(レンタル)

U−15からイタリアの年代別代表に名を連ねるエリートプレーヤーで、2013年にはU−17W杯、そして昨年はU−20W杯に出場した。現在はU−21イタリア代表でもプレーするが、ミランでのキャリアは昨年で打ち切り、アタランタへ移籍。今季は出場機会の確保を優先して、2部ペルージャへのレンタル移籍を決断した。

■パトリック・クトローネ



(1998年1月3日/イタリア/ミラン/FW)
経歴:ミラン

8歳でミランの下部組織に入団すると、各カテゴリーでゴールを量産。昨年5月にセリエAデビューを飾り、昨季はトップチーム実質1年目ながらチーム最多の18得点を記録した。「アイドルはアルバロ・モラタ(現チェルシー)」という20歳のストライカーは、今季も重要なゴールを挙げて続けており、“真のエース”と呼ばれるのは時間の問題となっている。

(記事/Footmedia)

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