「ドラゴンボール」堀川りょう×久川綾×古川登志夫、シリーズ愛と鶴ひろみさんへの思いは…【インタビュー】

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2018年12月14日 21:53  アニメ!アニメ!

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「ドラゴンボール」堀川りょう×久川綾×古川登志夫、シリーズ愛と鶴ひろみさんへの思いは…【インタビュー】
国民的アニメ『ドラゴンボール』の劇場版20作品目となる『ドラゴンボール超 ブロリー』が12月14日に全国公開を迎える。
原作者・鳥山明が脚本・キャラクターデザインを手がける本作は、過去、映画3作品に登場し、シリーズ屈指の強敵として猛威を振るってきたサイヤ人・ブロリーにスポットを当てた。
鳥山氏自らが昔のイメージを意識しつつも、新しい一面を加えてリニューアルし、より魅力的なキャラクターとして描く。

アニメ!アニメ!ではメインキャスト陣への特別座談会を開催。2チームに分けて行い、ひとつはベジータ役・堀川りょうさん、ブルマ役・久川綾さん、ピッコロ役・古川登志夫さんによる“味方チーム座談会”。
ふたつ目は、フリーザ役・中尾隆聖さん、ブロリー役・島田敏さん、パラガス役・宝亀克寿さんによる“敵チーム座談会”だ。

2パートに分かれた内、本稿では堀川さん、久川さん、古川さんら味方チーム3人の座談会をお届けする。
[取材・構成=乃木章]

『ドラゴンボール超 ブロリー』

2018年12月14日全国ロードショー

■TVシリーズを振り返って
――まずは2015年7月5日から2018年3月25日までTV放送された『ドラゴンボール超』を振り返っていかがでしょう? 原作者である鳥山明先生が初めてTVシリーズのストーリー原案を担当しましたが、演じるにあたって今までと違いは感じましたか?

堀川りょう(以下、堀川)
『ドラゴンボール超』シリーズはマンガの流れをなぞるわけではなく、全く予備知識がない状態で臨むわけですから、これからどんな展開になっていくのか、ワクワク感が大きかったですね。

いざ始まると、ユーモラスなベジータのシーンが出てきたことに驚きましたね。ベジータは今まではずっとシリアス担当で、「冗談なんて言おうものならぶち殺す!」みたいな人だったのが、自ら楽しそうに踊るものですから、本当に面白い展開だと思いました。
同じ事の踏襲ではなく、キャラクターの新たな一面が出てくるのは、演じていて楽しいです。破壊神ビルスに対しても、まさかベジータがあんなに「長いものには巻かれろ」主義だとは思いませんでした(笑)。

古川登志夫(以下、古川)
僕たちは事前に話を知らないまっさらな状態で入ったので、世界観の大きな変化に驚きましたが、日常パートが増えた印象があります。
とくに強面キャラクターだったピッコロは、家政婦でもあり育児担当みたいな立ち位置になっていて、悟飯をスパルタ教育していた時とは全く違った“育メン”ぶりが見られましたから。演じる側としてはキャラクターの振り幅があって面白かったです。
そこから加速度が付いてきて、格闘技アニメらしい激しいバトルが展開されていく流れも非常に良かったですね。


――久川さんは本作からブルマとして初出演でしたが、いかがだったでしょうか?

久川綾(以下、久川)
「これがドラゴンボールの世界なんだ!」と試写会の時に圧倒されました。この作品の凄さを見せつけられましたね。
バトルはもちろんすごい迫力なのですが、悟空やベジータとの何気ない会話など、日常のほのぼの感もすごく素敵でした。
とくにベジータがあんなに楽しいことをする一面があったなんて知らなかったので、そこはツボにハマりました(笑)。
今まではそういった表現はなかったんですか?


堀川
なかったねぇ〜。映画『ドラゴンボールZ 復活の「F」』(2015年)では悟空と手を繋ぐのを嫌がっていたのに、ブルマが殺されるかもしれないと言われて、しぶしぶ手を繋ぐなんて姿もあったから。
本当にブルマとの結婚が転機だったのだとつくづく感じています。

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■演じるキャラや、鶴ひろみさんから役を引き継いだ想いは……

――ベジータに変化があったというお話がありましたが、本作では強敵を目の当たりにして仲間に共闘を申し込む流れもあります。かつてのプライドの高さでは難しかったのではないかと感じました。


堀川
そうなんですよ、昔のベジータは自分のことしか考えていなかった。自分が強くなることが絶対という中で、人に対する思いやりは邪魔ですから。
それが戦いを通してどんどん悟空に感化されてくる。気が付いたら地球に帰化して、結婚もして、子どもまでいて、「嘘だ、ヒールじゃなかったの!?」と最初は思いましたね(笑)。

変化と言うよりは成長だと思っていて、自分も演じるにあたって気持ちが変わってきますし、嬉しくなります。
役者としてもやり甲斐のある台本を書いて頂いているので、非常にありがたいことだと思います。


――ピッコロも最初はヒールでしたけど、悟空ファミリーにとってはもう家族の一員のような存在になっていますよね。

古川
僕は基本的には声がハイトーンなので、ピッコロ役をきっかけに低い声を要求されるようになり、演技の幅が広がった意味でも非常に印象深いし、物語の中でも立ち位置がどんどん変化しているキャラクターなので演じていて本当に楽しい。
これだけ変化が激しいので、ひょっとしたら、そのうち激しい戦いが見られるかもしれないという期待もあります。

僕は演じてきたあらゆる作品のキャラクターの中で、一番好きなのがピッコロなんです。
フィギュアも1300体くらい持っていて、部屋中ピッコロで埋まっています。今回演じて「やっぱり好きなんだな〜」と今さらながら思いましたね。


――久川さんは『ドラゴンボール超』からドラゴンボールファミリーに加わりましたが、皆さんとの顔合わせはどうでした?

久川
皆さんが本当に温かく迎えて下さったので、優しい気持ちに包まれてマイクの前に立つことができました。古川さんや堀川さんのように、お仕事でご一緒させて頂いたことのある方が多かったのも安心できました。

――鶴さんから引き継ぐうえでプレッシャーはありましたか?

久川
神聖なものだから絶対壊しちゃいけないというプレッシャーはありました。
でも、「じゃあモノマネしちゃうのか?」というのも役者として違うと思うんです。あくまで鶴さんが演じてきたブルマ像を壊しちゃいけない気持ちと、自分の色もちゃんと出さなきゃいけないというせめぎ合いですね。

だけど、鳥山先生がオーディションのテープを聴いてくれた中から、「ブルマの声はこの人にお願いします」と言ってくれたことで決まったと聞いた時、天国にいる鶴さんが「綾ちゃんやって」と言ってくださっているんだなと感じました。それをずっと支えにして演じたんです。

古川
誰からも文句の言いようがない決定ですよね。演者の皆もすぐに納得しましたよ。僕も「なるほどね」と頷きました。


■ドラゴンボールファミリーの際立つ仲の良さ! 毎回収録の後は皆で食事に行く

――これだけシリーズが長く続いていると、収録で独自のルールなどが出来上がったりしていますか?

堀川
アフレコ収録の後に、スタッフもキャストも含めて必ず皆で食事に行くんですよ。キャストはその後に仕事がない人や翌朝早くない人以外はほぼ全員が参加していました。マコさん(野沢雅子さん)もお酒をお飲みにならないんですけど、会食が大好きな方ですし、僕はお酒飲みなので会食にかこつけてよく行く。
それが本当に楽しくて、「よし!これからも良い仕事しようね!」とお互い誓って別れるんです。

スタッフの方が気を使ってくれているのか、毎回4時とか4時半に収録をセッティングしてくれて、その流れで食事会に行きやすいようにしてくれているんです。

古川
りょうちゃんはね、収録で皆が集まってあいさつしたすぐ後に、「今日はどこで食べるの?」と訊くんですよ。「食べに行くの?」じゃなくて「どこで食べるの?」なんですから(笑)。
出演しない回の時も「今日はりょうちゃん出てないな」と思っていたら、後からお店に合流するんですよ(笑)。
本当にドラゴンファミリーは良い雰囲気がありますよね。

次のページ:歌舞伎の「見得」に通じる、日本独自の必殺技描写

■歌舞伎の「見得」に通じる、日本独自の必殺技描写
――ここからは、最新作『ドラゴンボール超 ブロリー』についてお聞きしていきます。バトルシーンの迫力がすさまじかったですが、とくに戦いの中で必殺技がBGMをきっかけに入る演出が印象的でした。

堀川
リアルにやろうとすると「うおーっ!」とか「はーっ!」といった叫びになると思うんですけど、「かめはめ波ーっ!」や「ファイナルフラーッシュ!」になるのは、日本独特だと思いますね。
海外のアメコミヒーローでは、技を出す時に必殺技を叫ぶことはほとんどしませんから。でも日本のアニメでは、技名をちゃんと言うのがお約束になっていますよね。歌舞伎の「見得を切る」にも通じるところがあってすごく心地良い。

古川
最初に掛け声を出すのは、伝統所作的なものなんですよね。現実の格闘の場合は、必殺技を叫ぶのと繰り出すのは同時になるので、必殺技名を叫んでから繰り出すというのは、相手との立ち回りの約束がないと成り立たない。
りょうちゃんが言ったように、日本の国劇の様式を取り入れているのかと思うくらいですね。

久川
ああいったBGMでの演出は初めてだったので面白かったですね。長峯達也監督が本当に熱い方でチャレンジングなんです。
完成した作品を見て、「これがやりたかったのか!」と驚かされました。


――今までと比べても、バトルの時間がものすごく長い。それでいて始まってから最後まで途切れず、バトルの中に喜怒哀楽がしっかりと詰め込まれています。

古川
すごいですよね! 格闘技アニメとしては面目躍如だと思います。バトルの演出や迫力はTVシリーズよりも圧倒的にパワーアップしていますよ。
手抜きなど無しで細かいところまで描き込まれているので、大画面で見た時により迫力が伝わってきます。

例えば、かめはめ波を撃って光線がバーッと出るところの作画クオリティーが今までにないレベルでした。僕はグラフィックが一番印象に残りましたね。
今までになかったバトル演出と合わせて、シリーズのなかでは最先端だと感じました。

■伝統を守りながらも、革新し続けていきたい
――最後に国民的アニメの役柄を演じるにあたって、大切にしてきたこと、あるいはこれから大切にしていきたいことを聞かせてください。

堀川
何よりも、チャレンジ精神を変わらず持ち続けていきたい。もちろん、今まで培った物を全部壊せば良いというわけではなく、既存の価値観に囚われずに、自分が身に付けたことを刷新していく必要がある。つまりは革新が必要なんですね。良い意味で変わっていくことが大事なんだと思います。

古川
長寿番組であり、日本のアニメを代表する作品に関われてきたことは誇りですし、しかも自分が演じてきた中で一番好きなキャラクターに出会えたのは何よりの喜びです。
ピッコロは脇役なんですけども、自分の代表作として数えておきたい作品なんです。個人的には声優として生涯現役でありたいので、ずっと演じていくチャンスのあるピッコロを本当に大切にしたいですね。

久川
私は「こういうふうにやっていきたい」というよりも、素晴らしい大作の仲間に加えていただいた以上は、とにかく一生懸命皆さんに付いて行きたいという気持ちです。

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  • 映画「ブロリー」って雨のシーンはある?。酷いようなら断る。ガンダムで機体が軋むのは確定だから何かあって友人に迷惑をかけたくない。
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