「65歳になったら結婚しよう」お嬢様育ちの50代主婦を支える“婚外恋愛”相手との約束

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2018年12月15日 19:03  サイゾーウーマン

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サイゾーウーマン

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 家庭を持っている女性が、家庭の外で恋愛を楽しむ――いわゆる“婚外恋愛”。その渦中にいる女性たちは、なぜか絶対に“不倫”という言葉を使わない。どちらの呼び名にも大差はない。パートナーがいるのにほかの男とセックスする、それを仰々しく “婚外恋愛”と言わなくても、別に“不倫”でいいんじゃない? しかしそこには、相手との間柄をどうしても“恋愛”だと思いたい、彼女たちの強い願望があるのだろう。
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 一度、婚外恋愛にハマッてしまうと、終わることができにくい。なぜなら、独身同士の恋愛とは違って、既婚者同士の恋愛には“結婚”というゴールがないからだ。けれど、昨今は、熟年層の恋愛模様もさまざまになってきた。婚外恋愛を成就させるために、熟年離婚に踏み切る者もいるようである。

 今回お話を聞かせていただいた、現在50代の裕里香さん(仮名)は、今はまだ不確かな将来を希望に生きているという。

「同世代の女友達からは『バカだ』って言われますけどね。私ももう年だし、死ぬ前の10年くらいは、わがままに生きてもいいのかなって」

 裕里香さんは、婚外恋愛相手と「65歳になったらお互いに離婚して、結婚しよう」と約束をしているそうだ。

「恋愛結婚」だった彼と奥さんに嫉妬

 お見合い結婚をした裕里香さんと夫は、新婚当初から“さっぱり”としていたという。

「お互いに適齢期で、両親たちからせっつかれた形で結婚したんですね。私の父は会社を2つ持っていましたし、夫の実家は古くから続く家業を営んでいました。自分たちがどうこうというよりも、互いの家のための結婚だったんです」

 お父さんの会社について、「それほど必死に守るような大きい会社ではありませんよ」と、裕里香さんは笑う。しかし、質が良さそうなスーツをきちんと身にまとい、高級ブランドの小さなバッグや時計もしっくり馴染んでいる彼女からは、幼い頃より大切に育てられたのだろうという“お嬢様”感がにじみ出ている。

 裕里香さんは2人の子宝に恵まれた。30代後半に差し掛かかると、子育てから手が離れ、フルタイムで実家の会社を手伝うようになったというが、その時、裕里香さんにとって「人生最大」と呼ぶべき、出会いがあったそうだ。それが、結婚の約束をしている“彼”である。

「取引先の会社が主催するパーティで知り合いました。同い年ということもあって気が合いましたし、お酒が強くない私たちは、立食形式のパーティで、はしゃぎながらブッフェのお料理をてんこ盛りにしていたことを覚えています」

 出会った当時、彼も既婚者であった。

「彼と奥さんは、大学時代の先輩と後輩だったと聞いています。うちとは違って恋愛結婚だというところに、今でも嫉妬をしてしまいますが……夫になかった感情を、彼には覚えたんです。しっくりくるというか……出会った時から恋人同士になることが当たり前のように感じていました」

 パーティの夜に連絡先を交換してから数日後、彼の方から連絡があった。その後、数回の食事デートを経て、2人は体の関係を持つ。

「お互いにセックスレス夫婦だったんです。うちは、子どもができたのをきっかけに、セックスから縁遠くなっていましたし彼もまた、子育ての価値観の違いから、夫婦仲が悪くなってしまったとか。私はそれほどセックスが好きだとは思っていませんでしたが、彼と体を重ねた時には『こんなに気持ちよかったんだ!』と感動しましたね」

 それ以来10年以上、月に一度、彼とのデートを続けているという裕里香さん。だが「セックスをするのは年に一度」と決めているという。

「ラブホテルに行くのはどうしても恥ずかしくて……年に一度、2人が出会った日の前後の平日に、シティホテルのデイユースを彼が予約してくれます。彼も私もその日は有給休暇を取って、1日中のんびりするんです。1年間、その日のために私たちは頑張っています」

 彼の子どもは結婚して実家を巣立ち、裕里香さんの子どももすでに立派に成人している。さらに今年の夏、2人目の子どもが家を出たことにより、現在は、ご主人と2人きりの生活を送っているそうだ。

「ちょうど下の子が一人暮らしを始めたタイミングで、彼からのプロポーズがありました。彼は60歳で定年退職をしてから身辺整理をし、65歳までには身軽になって私を迎えたいと言っています」

 そんな裕里香さんの「年に一度」の逢瀬の日が来月に迫っているという。先月からパーソナルトレーニングに入会し、1年ぶりに大好きな彼に抱かれるために、体づくりをしているのだ。

「今はまだ既婚者なので、こんなことを言ってはいけないのでしょうけれど……私は今、彼との約束を希望に毎日生きています」

 将来の約束をしているとはいえ、口約束である。その約束は果たされないかもしれない。もしも傷つく結果となってしまった場合はどう考えているのか……意地悪な質問だが、裕里香さんに聞いてみた。

「約束どおりにいくことを望んでいますけど、こればかりはその時期が来るまでわかりませんね……ただ、彼と一緒になれるという将来の可能性があるっていうだけで、今は幸せを感じられるから、それでいいんですよ」

 そう打ち明けながら微笑む裕里香さんの笑顔は、まるで10代の少女のようにまぶしく感じた。その約束が無事叶うまで、あとどれくらいかかるのだろうか。
(文・イラスト/いしいのりえ)

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