ソフトバンク通信障害で考える“連絡手段”の備え 不測の事態に対応するために必要なことは?

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2018年12月16日 09:32  リアルサウンド

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リアルサウンド

 12月6日、ソフトバンク・ワイモバイルの携帯電話など広い範囲で通信障害が起こった。緊急呼び出しを含む全ての通信が遮断され、障害は4時間半にもわたる大規模なものとなってしまった。生活必需品となっているスマートフォンが通信できない状態になると、社会から孤立したような感覚に襲われる人もいるだろう。幸い、筆者はワイモバイル回線のほか、NTTドコモの回線と別で契約していたため、今回の通信障害とはほぼ無縁だった。再びこのような通信障害が起きたときのために備えておくべきこと、また通信障害に連絡を取る方法を紹介していく。


(参考:ソフトバンク“大規模通信障害”についての原因を発表 海外通信事業者でも同じ現象が?


 基本的には「格安SIM」などを契約して代替の連絡手段を用意する。「公衆無線LAN」や「キャリアWi-Fi」の場所や接続の仕方をあらかじめ覚えておく。この2つが重要になってくる。


余裕があれば格安SIMを契約
 日本の主要携帯キャリアはNTTドコモ、ソフトバンク、KDDI auの3キャリアだ。通信障害時のリスクを分散させるためにも、他キャリアの回線を少なくとも1つは契約しておきたい。今となっては「格安SIM」と呼ばれる低価格帯の通信回線も契約できる。格安SIMの大半はNTTドコモの回線を借り受けているため、メインのスマートフォンがNTTドコモの場合、サブで契約する回線はNTTドコモ以外の回線を用意しておこう。安くて月々500円から契約可能だ。スマートフォン代金を含むとおおよそ1,500円くらいだろう。


au回線の格安SIM
UQ mobile / mineo / IIJmio / BIGLOBE mobile / 楽天モバイル


ソフトバンク回線の格安SIM(一部)
LINEモバイル / nuroモバイル / U-mobile / ロケットモバイル / H.I.S モバイル / ワイモバイル


ドコモ回線の格安SIM(一部)
LINEモバイル / IIJmio / mineo / 楽天モバイル / DMMモバイル / NifMo


 格安SIMには通話プランとデータ通信プランの2つが用意されている。通話プランはその名の通り、電話もできるプランだ。データ通信プランはインターネットのみに接続可能で電話はできないがLINEやSNS、インターネット検索など電話(SMS含む)以外のことは全てできる。月あたりの料金が安いのはデータ通信プランとなる。


 ただし、実際は契約が難しかったり、格安SIMに対する知識が少し必要でハードルが高いといった問題もあるため、この後紹介する「Wi-Fi」の活用方法を視野に入れてみると良いだろう。


キャリアが用意するWi-Fiスポットの活用


「docomoWi-Fi」が利用可能な場所に貼ってあるステッカー


 キャリアが用意している「Wi-Fiスポット」を普段から活用しているユーザーはどれくらいいるのかわからないが、実はキャリアが用意したこのWi-Fiスポットは回線を契約しているユーザーなら基本的に無料で利用できる。例えばNTTドコモでは「0001docomo」や「0000docomo」と呼ばれるWi-Fiスポットを全国15万箇所以上に設置している。NTTドコモのユーザーは無料で利用できる。


NTTドコモ Wi-Fi
対象:ドコモとの回線契約がある場合は無料 / Wi-Fi単体契約は300円
au KDDI
対象:一部除いたauユーザーは無料
ソフトバンク / ワイモバイル
対象:一部除いたソフトバンク、ワイモバイルユーザーは無料


 設置場所はコンビニやカフェ、地下鉄やレストランなどで、多くの施設、店舗で利用できる。自分の職場や自宅付近のスポットを記録しておくのも手だ。


公衆無線LANを活用する
 通信障害発生時、電話はできなくてもWi-Fiに繋がる環境さえあればSNSやLINE経由で連絡が取れる。そのときに役に立つのが公衆無線LANだ。気軽に利用できるうえ、無料で使えるところも多い。格安SIMユーザーはキャリアWi-Fiのようなサービスが有料だったり、そもそも用意されていないことが多く、ぜひとも覚えておきたい。接続には大半はメールアドレスの登録、接続時間に制限などがある。登録などは事前に済ませておけば後から再接続するときにスムーズにWi-Fiに繋げることが可能な公衆無線LANもあるのでチェックしておこう。


コンビニ系
・セブン-イレブン 「7spot」
・ローソン「LAWSON Free Wi-Fi」
・ファミリーマート「Famima Free Wi-Fi」


主要カフェ
・スターバックスコーヒー
・タリーズコーヒー
・ドトール
・ルノアール


ファストフード店
・マクドナルド
・ロッテリア
・フレッシュネスバーガー
・モスバーガー


 公衆無線LANには注意点もある。通信障害などの混乱に乗じて、個人情報を盗もうとする人がいるからだ。Wi-Fiに接続する際、パスワードを要求されることがある。これらは暗号化が行われており、悪意のあるユーザーから情報が奪われるリスクが少ない。一方でパスワードが求められないWi-Fiスポットは暗号化が行われていない「平文」状態で危険が大きい。また施設や店舗で「FREE Wi-Fi」と嘘のWi-Fiスポットを作って他のユーザーが接続するのを待ち構えている場合もある。「Guest Network Wi-Fi」や「Visitor Wi-Fi」、「Free Wi-Fi」など明らかに怪しくてパスワードがかかっていないWi-Fiには接続しないことが重要だ。


 個人ができる対策としてはVPNアプリを使って公衆無線LANに接続することだ。VPNは仮想的プライベートネットワークを作り、パスワードのかかっていない公衆無線LANなどに接続することで第三者に情報をみられたり、改ざんされるリスクが低減される。


不測の事態に備えるには
 また、忘れてはいけないのは公衆電話の存在。近年はその数が減りつつある公衆電話だが、今回の通信障害で多くの人を助けたことだろう。家の近くや職場近くの公衆電話の場所を調べ、スクリーンショットなどで保存しておくと後々役に立つかもしれない(参考:公衆電話設置場所検索)。


 一番の理想は複数の回線を契約することだが、財布的にも厳しいかもしれない。格安SIMの契約にもちょっとした知識が必要だ。普段から連絡手段を「LINE」や「電話」以外にも用意し、公衆無線LANやキャリアのWi-Fiスポットを最大限活用して不測の事態に備えたい。


(佐々木翼)


このニュースに関するつぶやき

  • NTT東日本の固定電話回線の場合で月1500円ちょっとからと割と安価に通信手段確保できます
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