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「加害者の子ども」の苦しみ 犯罪の「隠れた被害者」支援に取り組む

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2018年12月17日 10:22  弁護士ドットコム

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「家族が逮捕されたのに、私はのうのうと仕事をしていてよいのでしょうか」「今の地域に住んでいてもいいのでしょうか」ーー。


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加害者家族を支援するNPO「World Open Heart(WOH)」(本部・宮城県仙台市)には、そんな相談が年間約300件も寄せられる。相談者は30代から70代が多いという。


犯罪によって「被害」にあうのは、直接の被害者だけではない。加害者の家族も事件に巻き込まれてしまう。事件を起こした本人ではないのに、責め立てられ、孤立してしまう家族。自宅には報道陣が押しかけ、報道や裁判によって「さらしもの」になると感じた家族もいる。


大人にも、そして子どもたちのこころにも深いキズが刻まれる。しかし、加害者家族も「被害者」であるとの認識は社会にも乏しく、社会的な支援も不十分だ。いま、必要なのはどのような支援なのだろうか。WOH理事長の阿部恭子さん(41)に話を聞いた。(編集部・吉田緑)


●加害者家族の問題は「他人事ではない」

WOHは阿部さんが東北大学大学院在学中に立ち上げ、今年で設立10周年をむかえる。活動拠点は仙台においているが、東京や大阪、熊本で「加害者家族の会」を定期的に開いている。


「家族が逮捕されたことは他人に言いにくいことです。同じような体験をした人たちの中で解き放たれるものがある。家族会は安心できる場所であってほしい」(阿部さん)


全国各地で講演などもおこなう。12月8日には、東京都内でシンポジウム「中堅世代の加害者家族支援 ー加害者家族の子どもたちの未来ー」を開催した。阿部さんは、加害者家族の子どもたちへの影響や支援のありかたなどについて講演した。


阿部さんは「加害者家族は『隠れた被害者』ともいわれます。他人事ではないし、すべての人に起こりうる」として、「日本でも、加害者家族の子どもたちや養育者への支援をすすめる必要がある」などと訴えた。


●子どもにも「知る権利」がある

ある日突然、家族が逮捕されたり、刑務所に行くことになったりした場合、残されたほかの家族は「子どもに打ち明けるべきなのか」「隠すべきではないのか」などと悩むことがある。しかし阿部さんは「子どもにも知る権利がある」と話す。


阿部さんによると、アメリカやオーストラリアなどには、親が逮捕されたり、刑務所に行くことになった子どもたちのために「お父さん(お母さん)になにが起きたのか」をわかりやすく説明する絵本や漫画があるという。「海外では、子どもの知る権利を保障するために、このような教材を用意している」と阿部さんは話した。


また、海外には受刑者の親をもつ子どもたちのために、刑務所での面会などをサポートする団体もある。アメリカやオーストラリアだけではない。「韓国でも、受刑者の子どもたちに対する経済的な支援や面会の付き添いをおこなうなど、サポートに力を入れている」と阿部さんはいう。


一方、日本では「子どもには(事実を)隠した方がいい」という風潮があると阿部さんは指摘する。阿部さんは「いつかは子どもにも情報が入ってくるので、告知はすべきだと思います。ただし、いつ打ち明けるかはケースバイケースです」とした。


●子どもを育てる養育者にもケアを


加害者家族の子どもたちは、「加害者家族」であることを理由にいじめの被害にあったり、事件のショックでPTSDを発症してしまったりする例も少なくないという。


阿部さんは「親を選べないのはみんな一緒。家族としては罪悪感があるかもしれません。でも、子どもには絶対あなたはわるくない。愛しているということだけは伝えてほしい」とした。


なかには、子どもに加害者の悪口をいってしまう家族もいるという。「子どもにとっては、お父さんやお母さんです。加害者批判は、子どもの半分を否定することになる」と阿部さんは問題視。


そして、「子どものケアはもちろんですが、子どもを育てている養育者のケアも大事。加害者のことで責められるなど、多くの負担を背負っている」とした。


●加害者の社会復帰に向けたサポートも重要


シンポジウムには、元受刑者の支援をおこなうNPO法人「マザーハウス」の理事長・五十嵐弘志さん(54)もゲストとして参加した。阿部さんは「加害者本人の社会復帰も重要」と考え、加害者のサポートを五十嵐さんにお願いしているという。


五十嵐さん自身も元受刑者。マザーハウスでは、元受刑者の回復のために、徹底的に自分をみつめなおすプログラムを実施している。


「加害者と加害者家族は、近ければ近いほど相手を受け入れることがむずかしいと思います。加害者本人は、自分の家族がどういう思いをしているのか、その中で自分ができることは何なのかをみつめることができないと、本当の意味での社会復帰はむずかしい」(五十嵐さん)


●進みつつある加害者家族の支援

WOHは、弁護士とも連携し、支援にあたっている。阿部さんは「刑事弁護は弁護士にしかできないことです。これからも骨のある弁護士たちと連携していきたい」とした。


11月には、山形弁護士会が立ち上げた「犯罪加害者家族支援センター」が電話や面談による相談対応をはじめた。阿部さんは「加害者家族の支援がすすんできている。これからもどんどんすすめていきたい」と前向きだ。


「家族にも家族の生活があります。加害者本人のためになんでも犠牲になっていいわけではありません。家族の人権を守らなければならない」と阿部さんは強調した。


(弁護士ドットコムニュース)


このニュースに関するつぶやき

  • 加害者の家族まで同罪だって言ってる奴等は自分の親、子、伴侶がなにかしら罪を犯したら一緒に首を括れよ?他人事ではないぞ。
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  • だからみんな罪を犯さない生活をするんです。自分の家族や親族に肩身の狭い思いをさせないためにexclamation
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