ホーム > mixiニュース > コラム > Googleマップに嫌がらせの書き込み…「ぼったくり」「タックル大学」代償は

Googleマップに嫌がらせの書き込み…「ぼったくり」「タックル大学」代償は

0

2018年12月22日 09:52  弁護士ドットコム

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

弁護士ドットコム

写真記事画像
記事画像

地図検索サービスにお店の悪口が書かれて困っているーー。このような相談が弁護士ドットコムに寄せられました。


【関連記事:「童貞」といじられ続けた広告代理店の男性 「僕も #MeToo と声を上げてもよいでしょうか?」】


「店員は気に入らない客に対して暴言を吐いている」や「ぼったくり飲食店」といったことが口コミとして投稿され、相談者はそうした事実はないと困惑しています。


今回の相談者がどのサービスについて言っているかは不明ですが、地図検索サービスで口コミがつく代表的なものとしては「Googleマップ」があります。


2015年には警視庁の建物に「サティアン」、皇居内の施設に「オードリー春日トゥース」などとイタズラ書きがされていたことが話題になりました。最近でも、日本大学の敷地内に「日本タックル大学」と表示されたり、青森市の中学校名に「いじめ」が加えられたりするなどの被害がありました。


こうした地図検索サービスで誹謗中傷を書かれた際、法的にどのような手段をとることができるでしょうか。中澤佑一弁護士に聞きました。


●投稿者の情報開示請求は2段階で

ーーどのような流れで発信者情報開示請求をし、相手方を特定することになるでしょうか 「クチコミができる地図検索サービスは事実上Googleマップの独占状態ですので、Googleマップを例に説明します。


匿名で投稿されたクチコミの投稿者を調べる場合、Googleマップの管理運営を行っている米国法人Google LLC(米国Google)を相手取り、プロバイダ責任制限法に基づく発信者情報開示の請求を行います。


米国Googleは原則として裁判所の開示命令が発令されなければ情報開示はしていないため、仮処分という手続きを利用して行うことになります」


ーー開示命令により得られる情報だけでは十分ではないのですよね


「はい。米国Googleに対する開示命令が発令されれば日本のGoogleから情報開示が得られますが、開示される情報はIPアドレスくらいになり、これだけでは相手は分かりません。


引き続きIPアドレスを管理するプロバイダに対して発信者情報開示請求を行う事になります。こちらの開示請求は原則として通常の訴訟を行います。


プロバイダに訴訟で勝訴すれば、IPアドレスの割り当てを受けていた契約者(=投稿者)の住所・氏名・メールアドレスが開示され、投稿者が判明します」


●損害賠償請求が可能

ーーどのような民事請求が考えられますでしょうか


「事実に反する誹謗中傷がクチコミとして投稿された場合には、名誉毀損を理由に損害賠償請求が可能です。


また、冒頭の例のように店舗名称が書き換えられたケースでは、それが名誉毀損に当たるようなものでなかったとしても、営業権の侵害(営業妨害)を理由に、損害賠償請求が可能です」


ーープロバイダによっては情報開示まで時間を要し、その間に相手方が情報を削除し逃げられたり、あるいは請求行為自体が費用倒れに終わったりすることも考えられるでしょうか


「これまで説明したとおり投稿者の情報開示請求は2段階で行いますが、1段階目の開示請求を完了させなければ、2段階目に請求を行うべきプロバイダは分かりません。


そのため、1段階目の請求に手間取ったり、そもそも請求をする時期が遅すぎると2段階目のプロバイダの段階で通信記録が消去済みということはよくあります」


●被害を知ったら早く動くことが大切

ーーなるほど。プロバイダはどれくらいの期間で通信記録を消去するのでしょうか


「日本国内のプロバイダですと、短いところでは3カ月程度で通信記録が消去されるところも多いのですが、そもそも海外企業である米国Googleに対する裁判をするためには米国から証明書を取り寄せる必要もあり、この証明書の取り寄せには1カ月弱必要です。


また、米国Googleとの裁判は最短でも1カ月は必要です。制度として改善すべき点はありますが、とにかく現実の運用としてギリギリのスケジュールだということは認識し早く動くことが大切です。


もっとも、発見してすぐに適切な弁護士に相談をすれば十分に間に合うスケジュールです。


そして、投稿者が判明すれば、投稿者に対する損害賠償請求において、発信者情報開示のための弁護士費用の全額の賠償を認める裁判例が多く下されていますので、たとえ慰謝料として認められる金額が少なかったとしても実損分の回収は可能です」


(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
中澤 佑一(なかざわ・ゆういち)弁護士
発信者情報開示請求や削除請求などインターネット上で発生する権利侵害への対処を多く取り扱う。2013年に『インターネットにおける誹謗中傷法的対策マニュアル(中央経済社)』を出版。弁護士業務の傍らGoogleなどの資格証明書の取得代行を行う「海外法人登記取得代行センター Online」<https://touki.world/web-shop/>も運営。
事務所名:弁護士法人戸田総合法律事務所
事務所URL:http://todasogo.jp


    あなたにおすすめ

    前日のランキングへ

    ニュース設定