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トヨタ・ヴィッツGRを峠道で検証。“らしさ”はそのままに走りが大幅向上/市販車試乗レポート

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2018年12月24日 17:11  AUTOSPORT web

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写真トヨタ・ヴィッツGR SPORT“GR”を峠道で検証。“らしさ”はそのままに走りが大幅向上
トヨタ・ヴィッツGR SPORT“GR”を峠道で検証。“らしさ”はそのままに走りが大幅向上
 オートスポーツwebの試乗企画第5回。今回はトヨタのコンパクトカー、Vitz(ヴィッツ)のGR SPORT“GR”グレード(以下、ヴィッツGR)に試乗した。2017年の9月に誕生したトヨタの新スポーツカーシリーズ『GR』が放つヴィッツGRはどんな乗り味なのか。峠道でその走りを体感してきた。

 これまでトヨタはスポーティなコンプリートカーブランドとして『G Sports(G’s)』を展開してきたが、2017年からはWEC世界耐久選手権やWRC世界ラリー選手権へ参戦する際に使用している『GAZOO Racing』の頭文字である『GR』ブランドへ刷新した。

 このGRブランドでは、エンジン内部までチューンした究極のスポーツモデル『GRMN』を頂点に、本格スポーツモデルの『GR』、エントリースポーツモデルの『GR SPORT』の3モデルが展開されている。今回試乗したヴィッツGRは、本格スポーツモデルの位置に属する。

 コンパクトカーの代名詞とも呼べるヴィッツが、ヴィッツGRでどこまで本格スポーツカーへ変貌しているのか。その走りを体感すべく、今回は山梨県の山中湖近郊の峠道に向かった。

 走りの前に、まずは外観をチェックしていこう。ヴィッツGRには専用のエアロパーツがふんだんに盛り込まれている。フロント周りでは空力を考慮する形でバンパーやリップスポイラーが備えられたほか、ヘッドランプ周りも鋭さを感じるデザインに仕上げられている。

 リヤ周りもブラックカラーの大型ディフューザーなどが備えられたほか、コンパクトながら存在感を放つリヤルーフスポイラーも特徴的だ。

 足元を支えるタイヤはブリヂストンのハイグリップタイヤ、POTENZA(ポテンザ)RE050Aを標準装備。タイヤサイズは205/45R17で通常グレードより1インチアップしており、見た目とパフォーマンスの両面でスポーティさを引き立てている。

 室内はカーボン調の装飾やアルミパーツが多く盛り込まれ、スポーツカーとしての上質感が増している印象を受ける。トランスミッションは、CVT(自動無段変速機)車と5速マニュアル車が設定されている。今回、試乗したのはCVT車で、こちらには10速スポーツシーケンシャルシフトのマニュアルモードが備えられている。

 さっそくコクピットに乗り込み、いざ試乗。専用のスポーティーシートは座り心地も良く、体をしっかりと支えてくれる。搭載エンジンは、1NZ-FE型の1.5リッター直列4気筒。最大出力は通常グレードよりも10馬力多い109馬力(80kW)で、最大トルクは136N・m(13.9kgf・m)を発揮する。エンジン音は比較的おとなしいが、高回転域ではスポーツカーらしいサウンドを奏でる。

 まずは峠へ向かう一般道でのフィーリング。サスペンションはGR専用チューニングのSACHS(ザックス)製アブソーバーを装備していることもあり、足は硬め。しかし、不快な突き上げは感じず、毎日乗っていても苦にはならないだろう。高速道路での巡航中は、硬めの足が安定感を生むため、スムーズに走ることができた。

■高剛性ボディがもたらす安定したコーナリング性能
 高速を降りて、いざ峠道へ。まずは緩やかなアップダウンが多い道を走り出すと「本当にコンパクトカーなのか?」と思うくらい、きびきびとした走りをしてくれる。特に感じたのは応答性の良さ。カーブが連続する場所でも、ロールが少なく、ブレーキング時のピッチングも穏やかだった。

 ヴィッツGRは、スポット溶接の追加や、GR専用のブレース(ボディを補強するパーツ)の追加が施されており、高剛性となったボディが高い応答性を生み出している。この高剛性ボディと標準装備のハイグリップタイヤは、コーナーリング中の安定性向上にも貢献しているようだ。

 また、ヴィッツGRの特徴となるのが全日本ラリー選手権で培ったノウハウが織り込まれたという『SPORTモード』だ。『SPORTモード』はシフトレバー下にあるボタンで切り替え可能で、このモードにするとエンジンが高回転域で変速するようになり、通常よりもパワフルな走りを体感することができる。傾斜のきつい上り坂はもちろん、サーキット走行でも効果を発揮するだろう。

 続いて、シフトをマニュアルモードにして走ってみる。変速はシフトレバーかパドルシフトで行うことが可能だ。MT車と同等まではいかないが、それでも変速のレスポンスは良い。

 昔のCVT車にありがちな1テンポ遅れて変速されるような感覚はなく、素早い変速を行ってくれるので、コーナー出口からの加速もスムーズに行えた。ちなみにパドルシフトはDレンジのままでも変速が可能となっており、一定時間パドルシフトを使用しないとふたたびDレンジに戻る仕組みとなっている。

 GAZOO Racingが放つヴィッツGRは、ヴィッツの素性はそのままに、走りの部分が大きくグレードアップした印象を受け、想像以上に走りを楽しめる1台だった。価格も税込で229万2840円からとスポーツモデルにしては割高感がないのもうれしいところ。

 ただし、ベース車が低排気量のコンパクトカーということもあり、急勾配の上り坂などでは、もう少しパワーがほしいと感じることもあった。しかし、それはあくまでも限られた場面でのみ。ふだんの街乗りや高速道路、レジャードライブで不満を感じることはないだろう。

 足回りが硬めにセッティングされているが、乗り心地も悪くない。ヴィッツGRは、普段使いとスポーツ走行を両立させたい人にはおススメできる1台と言えるだろう。


【撮影協力】
山中湖フィルムコミッション

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