田端信太郎がまた労働者の権利を攻撃!「搾取されたと騒いでる労働者のダサさは非モテ男のダサさ」と

30

2018年12月25日 21:01  リテラ

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

リテラ

田端信太郎Twitterより

 あの田端信太郎氏がまたぞろトンデモない発言を放って、炎上している。田端氏といえば、LINEの元上級執行役員で、現在は「ZOZOTOWN」を運営する株式会社ZOZOのコミュニケーションデザイン室長。グロテスクな新自由主義丸出し、というか、執拗に社会的弱者を煽りまくる発言を繰り返してきた。



 今年6月には〈過労死には本人の責任もある〉とツイートして炎上。その前、

2017年には貧困を訴える人たちに〈まず生命保険に入りましょう。そして洗面器を用意し水を張ります。水に顔をつけて10分もすれば!凄い時給でお金が貰えます!!〉と、「貧乏人は死ね」といわんばかりのツイートをしたこともある。



 その田端氏が12月22日、今度はこんなツイートをぶちまけたのである。



〈「資本家」に搾取された搾取された!って恨みがましく騒いでる「労働者」「労働運動家」のダサさって、女性に飯を奢ったのに口説けなかったから「搾取されたー!」って騒いでる非モテ男のダサさと相似形なのよなあ。そんで、「資本家」と仲良くしてる「労働者」を糞ビッチが!と非モテがディスる構図w〉



 これまた下劣な言い回しに頭がクラクラしてくるが、田端氏のツイートに対して、Twitterではこんな批判や反論が相次いだ。



〈物言う労働者を、「男にナンパされる女性」というシチュエーションで批判するという、ジェンダー差別丸出しで寒気がするわ〉

〈現状、世界的に格差拡大しているのは、紛れもなく『資本家』による搾取が過度になっているからだろ。格差をどう説明するんだ?〉

〈努力するしないは別として、世の中全ての人が資本家にはなれない〉

〈資本家=経営者が労働者に労働に対しての適正な賃金を払ってるならそれはそうだろうけど、適正な賃金を払わず、労働を買い叩いている現状でそれを言われてもな〉



 批判を受けるのは当然だろう。そもそも、田端氏のツイートは下劣以前に、頭が悪すぎる。田端氏は「搾取された」と主張する労働者を、女性にフラれて文句を言う「非モテ男」と「相似形だ」として、「ダサい」と愚弄するが、両者は「相似形」でもなんでもないし、比喩として完全に間違っている。



「女性」に「飯を奢る」見返りに「口説けなかった」ことに文句を言うのはたしかに「ダサい」かもしれないが、それは「女性に飯を奢れば口説ける」という前提自体が誤りだからだ。しかし、「労働力を提供すれば正当な報酬が得られる」というのは労使関係における基本的な前提であり、労働者に正当な報酬を払わないまま、利益を独り占めしようとする資本家に対して「搾取だ」と主張するのは当然の話ではないか。



 実際、いまの社会には、ブラック企業で低賃金と過重労働を強いられている人たちや、努力をしても、正社員と同じ労働をしても、安い賃金しかもらえていない非正規雇用の人たちが山ほどいる。



 ようするに、田端氏はこんな基本的な知識や現実を無視して、上から目線で“正当な報酬や労働環境を得られなかったのはお前らに原因がある。文句を言うな”と罵倒しているのだ。



 しかも、今回のツイートは「非モテ」に対する偏見や女性蔑視までがごった煮になった、極めて醜悪なシロモノだ。また、「糞ビッチ」という言葉について田端氏は否定的な意味で使ったと言うかもしれないが、自分の中に差別的心性がないとこんな表現をわざわざもちださないだろう。



●田端氏が弱者攻撃と自己責任論で炎上を繰り返して反省しない理由



 いずれにしても、田端氏が言っているのは、“経営者に楯突く労働者は逆恨みであって、お前らが悪い”ということであり、しかも女性蔑視的な表現まで平然と用いる悪質さをみると、本当にどうかしているとしか思えない。



 しかも、前述したように、田端氏の社会的弱者と強者の立場を転倒させて自己責任論を煽る言辞は今回が初めてではない。“過労死は自己責任”“貧乏人はさっさと死ね”とでも言わんばかりのツイート、今年3月には〈誰か、高額納税者党を作ってほしい。少数派を多数派が弾圧する衆愚主義じゃないか〉というツイートもしてきた。



 こうした発言が飛び出すたびに、SNSなどでは多くの批判の声があがってきたわけだが、今回のツイートをみても明らかなように、田端氏は一切反省する様子がないらしい。



 しかし、それも当然だろう。田端氏は自分のグロテスクな強者礼賛と新自由主義に都合の悪い現実は一切見ようとしていないのだから。



 実は、田端氏がZOZOという企業の「コミュニケーションデザイン室長」でありながら、自社で働く「労働者」の環境も把握していないことが、最近、明らかになっている。



 少し前、この田端氏と、NPO法人ほっとプラス代表理事で反貧困ネットワーク埼玉代表の藤田孝典氏が、Twitter上で論争を展開したことがあった。この流れのなか、11月18日の『カンニング竹山の土曜The NIGHT』(AbemaTV)でふたりが生討論。番組では「富裕層にはもっと課税すべきか?」「最低賃金を上げるべきか?」などのテーマが設けられるも、基本的には田端氏が話をズラし続けて、そのまま議論が全然かみ合わずに終わったのだが、そのなかで、藤田氏が“ZOZOの非正規雇用者らからも時給が低いなどの声が寄せられている”として、田端氏とこんな応酬をする場面があった。



●ZOZOの非正規労働者の人数も答えられなかった田端信太郎



藤田「だからどれくらい非正規の人(をZOZOで)雇ってるんですか?」

田端「それは、もう別に……非正規の定義を教えていただきたいんですけど。そんなん……」

藤田「派遣、パート、アルバイト、外国人労働」

田端「……それは僕は全部わからないな。社員としては今、連結で1000人くらいいますけど」

藤田「でしょ」

田端「おそらくまあ、1000人か2000人くらいいると思いますけどね」

藤田「派遣も入れてでしょ。そもそも把握されてないんでしょ?」

田端「それはだって僕がいち社員だから把握する必要ないと思う」

藤田「正社員は把握してるんですよね?」

田端「いや、僕……」

藤田「正規と非正規の待遇差別すごいんですよ、上場企業の。だからちょっとね、あのまあ、ZOZO個別で申し訳ないけれども……」

田端「そうだとしたらそれこそ……」

藤田「上場企業の大体がね、こういうことなんですよ。非正規で、派遣なんか何人いるかなんて把握すらしてないんですよ」



 この後、田端氏が上場企業かどうかは関係ないというようなことを言い出して、結局、議論は全然噛み合わないのだが、いずれにせよ、田端氏が「非正規が何人いるか」という質問にまったく答えられず、「把握する必要はない」と開き直ったことは確かだ。



 ようするに、こういうことだろう。田端氏は普段から“労働者の自己責任”とか“生命保険に入って自殺すればすごい時給がもらえる”とか“搾取されたとか言うのは逆恨み”といった主張を連呼しているが、それは結局、労働者の立場など一切考えてもいなければ、そもそもが、そうした状況を知ろうともしていないからなのである。この想像力のなさ、あらためて呆れるほかないではないか。



 しかし、呆れるだけではだめだ。本当に恐ろしいのは、田端氏という人物そのものよりも、労働者を罵倒して蹴散らそうとする発言が、いたるところで繰り返され、しかも、それ支持する一般の人々も少なからずいる、という日本社会のほうだろう。



 事実、田端氏はこの種の発言をするたびに炎上し、批判もされている一方、「正論を言っているだけ」というような擁護や同調の声もあがってきた。例の自民党の杉田水脈衆院議員の“生産性がない”発言や、高度プロフェッショナル制度や入管法改正案などを安倍政権がゴリ押しするのもその同一線上にある。



 すでにコスト論的な価値観だけで人間を批評する発想は広く蔓延している。この社会が、私たちひとりひとりを「使い捨て」しようとする方向に向かっていることに、もっと危機感を覚えなくてはならない。

(編集部)


このニュースに関するつぶやき

  • zozoは、社長自体が、こんな感じだからね( ̄▽ ̄;)だからzozoの商品は買わない。
    • イイネ!2
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(19件)

前日のランキングへ

ニュース設定