母親の糖尿病が胎児の心臓に悪影響を及ぼす

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2018年12月30日 22:01  妊活・卵活ニュース

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母親の糖尿病が与える影響
米オハイオ州にある小児病院「Nationwide Children’s Hospital」の循環器病研究センターは、「Birth Defects Research」にて、母親の糖尿病により、子供の先天性心疾患リスクが高まると発表した。

先天性心疾患とは
先天性心疾患は最も多い先天性異常であり、遺伝的・非遺伝的要因、環境的要因が複雑に関係する。

環境要因として、母体の高血圧が挙げられる。母親の糖尿病は、胎児の心臓の発達に対して、遺伝的・環境的な影響を与える。

Vidu Garg医師は、疫学分野の先行研究により、母親の糖尿病、妊娠糖尿病と胎児の先天性心疾患において、因果関係が立証されていると説明する。

例えば、糖尿病1型の母親から誕生した子供は、心内膜床欠損症・房室中隔欠損症といった心臓の心室・心房における先天性異常リスクが高い。母親が糖尿病2型では、心室流出路狭窄など心室流出路の閉塞・狭窄リスクが増す。

母親の血糖値と先天性心疾患
母親の糖尿病が胎児に与える影響程度は、在胎期間(妊娠期間)に左右される。

妊娠前から糖尿病であった、あるいは妊娠初期に妊娠糖尿病を発症した場合、胎児の心臓・大血管・神経管において、糖尿病による奇形・異常が発生する確率が高まる。妊娠中期以降に糖尿病の症状が進行した場合、胎児の巨大児、心筋症など周産期合併症が増加する。

博士は、母親の血糖値における変化が、胎児に先天性心疾患を引き起こす要因になると述べる。母親の血糖値における変化と遺伝子・環境的要因には関係性があり、胎児の心臓にて、特定のエピジェネティックなプロセスが調節不全となる。

それゆえ、母親の糖尿病により、胎児の遺伝子発現が大きく変化すると推測する。

(画像はPixabayより)

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