ホーム > mixiニュース > IT・インターネット > モバイル > 海外旅行の新常識? iPhone XSの新機能「eSIM」とは

海外旅行の新常識? iPhone XSの新機能「eSIM」とは

0

2019年01月08日 07:13  ITmediaエンタープライズ

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

ITmediaエンタープライズ

写真(左)アクティベーションが完了すると、アンテナピクトが変化し、2つのSIMが同時に使えるようになったことが分かる(右)3HKは日本でも利用可能で、ドコモの回線をローミングで利用していることが分かる。
(左)アクティベーションが完了すると、アンテナピクトが変化し、2つのSIMが同時に使えるようになったことが分かる(右)3HKは日本でも利用可能で、ドコモの回線をローミングで利用していることが分かる。

 2018年9月、待望のiPhoneの新機種「iPhone XS」「iPhone XR」が出ました。私は今回、“生活必需品”という言い訳でiPhone XSを手に入れました。実際に使ってみると、指紋認証から顔認証に変わった点について不便を感じることもなく、バッテリーの持ちも想像以上。良い買い物をしたと思っています。



登録すると送られてくるメールに、QRコードが記載されている(メール内のQRコードはダミー)



 実は、iPhone XSに加わった新機能の中で、私が特に注目していた機能があります。それは「eSIM」。皆さん、ご存じでしょうか?



 SIMというのは、自分の電話番号などの情報が入った、携帯電話に差し込む小さなICチップです。普段スマホを使っていても、ほとんど意識することはないでしょう。



 私にとって、その存在を意識するタイミングは、海外旅行のたびに、事前に現地のプリペイドSIMを通販で手に入れ、それを機内で慎重に日本のSIMと差し替えるときでした。しかし、こんな作業は万人にはお勧めできませんから、基本的には「携帯電話事業者の海外ローミングが安くなっているので、それを活用しよう」というスタンスをとっています。



 一方、eSIMは、物理的なSIMカードが1枚しか入らないスマホに1スロット分加わった「電子的なSIM」のこと。海外などで必要な通信用のSIMを、ネットで契約するだけで使えるという仕組みです。これまでは、海外で自分のスマホから通信したい場合、事前に、もしくは現地でプリペイドSIMを購入する必要がありましたが、深夜や早朝に到着する場合や、そもそもプリペイドSIMが空港にない場合など、SIMがなかなか手に入らない不便さを経験した人は少なくないはずです。



 そうした問題を解決する意味でも、eSIMは「それでももう少し安く、海外で通信したい」という人にはとてもいいソリューションになると思います。eSIMは2018年11月にリリースされた「iOS 12.1」で利用可能になったもので、これだけでもiPhoneを新調しようと思えるほど、便利な機能でしょう。



 eSIMに対応している日本のキャリアはまだありません。しかし、日本のユーザーでも使える便利なプランを、複数の海外キャリアが提供しているんです。



●日本も米国も対応、香港3HKの海外旅行者向け「eSIM」プラン



 今回私が選択したのは、香港の「3HK」という携帯電話事業会社が提供する、旅行者向けの格安プランです。このサービスは、138香港ドル(2019年1月現在で約2000円)で、4Gの速度を10日間“無制限で”利用できるというもの。ただし、1日につき500MBを超えると、通信速度が128kbpsに落ちる点には注意しましょう。



 旅行者にとってありがたいのは、初期登録(アクティベーション)後、90日間は「データローミングをオンにした日だけが課金対象」になること。香港における23時59分までを1日と換算し、データローミングをオフにしていれば、90日間以内の通算10日間が利用可能です。使い切った後も1日単位(15香港ドル)もしくは10日分(138香港ドル)を追加で購入できるため、長期滞在にも向きます。



 同社の他にも、全世界でローミングに強い「GigSky」などもiPhoneのeSIM対応サービスを提供していますが、3HKのプランは「10日間で約2000円」という安さが特長です。しかも、対応するエリアは中国、マカオ、台湾、日本、韓国、シンガポール、マレーシア、タイ、フィリピン、ベトナム、オーストラリア、米国、カナダ、英国、イタリア、スウェーデン、アイルランド、デンマーク、オーストリア、フランス(イタリア、アイルランドは3G)と、非常に広範囲である点も見逃せません。



 契約はとても簡単で、3HKのWebサイトに電話番号、氏名、メールアドレス、決済のカード情報などを入力すると、二次元バーコードが記載されたメールが届きます。それをeSIM対応のスマートフォンから読み取ると、eSIMに情報が登録され、通信が行えるようになります。Androidであれば最近はデュアルSIMも当たり前になりましたが、iPhoneで「物理的なSIMは1枚しかないのに、2つのアンテナピクトが立つ」現象を体験できるのは面白いですね。



 アクティベーションにかかる時間は30分以下。もし3HKのeSIMを海外旅行で利用するならば、これらの作業は事前に日本で行っておくことをお勧めします。また、その際に注意してほしいことが幾つかあります。



 eSIMをアクティベートするための二次元バーコードはメールで送られてくるので、使えるデバイスが自分のiPhone1台しかない状況だと、自分のカメラで自分の画面を撮れないという事態が発生します。そのため、PCや別のスマートフォンがある環境で作業するといいでしょう。また、設定メニューの「モバイル通信」のデータローミングを「オン」の状態で作業をすると、日本国内もローミングの対象エリアであるため、直後にローミングが始まってしまい、1日分損してしまうので、くれぐれもご注意を。



 実は、私がこれを試したとき、eSIMを追加して回線をオンにしようとすると、iOSそのものが再起動してしまう事象が発生しました。この事態は、iPhone XS(iOS 12.1.1)にドコモのSIMを差していた場合に発生し、ドコモ以外のSIMを差した状態では問題なくアクティベートができました。2018年12月24日にリリースされた「iOS 12.1.2」では、eSIMアクティベーションにおける不具合が修正されているので、もしかしたらその影響だったのかもしれません。



●旅行者には最良のサービス? もしものときのバックアップにも



 eSIMは、一度使ってみると非常に楽です。SIMの差し替えなしに気軽に通信ができる点はありがたく、これまでプリペイドSIMを使っていたようなユーザーにとっては、待望のサービスといえるでしょう。



 気になるのは、「1日500MB」という制限。「旅行=その場でInstagram投稿」という方にとっては、動画も投稿したいと思ったらちょっと心配になる制限かもしれません。実際に使ってみたところ、500MBを使い切る前に何度か残容量をSMSで教えてくれるのでその点は便利かもしれません。



 なお、いわゆるレンタルWi-Fiルーターにも同様に通信上限がありますので、契約前に確認しておくといいでしょう。Wi-Fiルーターの場合は、設定変更もお忘れなく。その場合は、通信の上限が緩い他のサービスを利用するか、日本の携帯電話事業者が提供するローミングサービスと併用するのが有効かもしれません。



 さらに、この3HKのSIMからは、日本でもNTTドコモのローミングを利用できます。2018年12月にソフトバンクが大規模な通信障害を起こしたことは記憶に新しいですが、SIMロックを解除したiPhoneにこのようなeSIMを入れておけば、スムーズにキャリアをまたいだ利用が可能になるはずです。



 今後も2019年の大型連休などに向けて、海外旅行を計画している方も多いのではないでしょうか。その時にはもしかしたら、eSIMを活用できるかもしれません。最初は物理SIMを2枚入れられないのは不便かと思っていましたが、これはこれでとても便利ですね。


    あなたにおすすめ

    ニュース設定