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辛すぎるボッチ成人式「欠席予定」だった20代男性が参加して感じた後悔と改心

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2019年01月12日 08:01  AERA dot.

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写真悲喜こもごものドラマがある成人式(写真/getty images)
悲喜こもごものドラマがある成人式(写真/getty images)
 民法改正で成人の年齢が18歳に引き下げられてから(施行は2022年4月)、はじめての成人式を迎えようとしている。しかし、約3割は「行きたくない」と感じているというデータもある。「成人式に行きたくないのはあなただけではありません」。自らも不登校経験者で成人式を欠席した、不登校新聞編集長の石井志昂さんはそう呼びかける。

【図表】成人式で騒いでみたい人の本音とは?

*  *  *
「成人式は同窓会。絶対に行きたくない」

「自分の人生を壊した奴らを見るのかと思うだけで、はらわたが煮えくり返る」

 私がよく取材をしている不登校、ひきこもりの人たちからは、こんな声を聞いてきました。ここまで強烈な思いはありませんでしたが、私も不登校経験者、成人式は欠席しています。

 成人式に行きたくないのはあなただけでありません。

 日本財団が昨年12月に調査したところ、17歳〜19歳の男女のうち「成人式に出席したくない」と答えた人が29.4%(「18歳意識調査」日本財団)。実に3割の人が「行きたくない」と感じているのです。

 理由として最も多くあげられたのは「同級生に会いたくないから」36.2%。次いで「成人を祝うことに意味を感じないから」34.0%(複数回答可)。

 回答者からは「成人式行かなければならないという風潮をなくしてほしい」(女性)、「お酒を飲んで騒ぎすぎる人が増えるならなしでいいと思う。成人として恥ずかしいのをさらすための式ではないので」(女性)など、辛辣なコメントも寄せられていました。

 成人式は本来、次代を担う若者を励ますための式ですが、私からすれば、数多くの若者を葛藤の渦へと引きずり落としてきたセレモニーというイメージが強くあります。不登校経験者のAさんもその一人でした。

■「同級生に会いたくない」「スーツが買えない」

 Aさんは地方出身の20代男性。小学生のころに不登校をし、「自分のクロ歴史を塗り替えたい」と塾で勉強に励んで東京の大学へ進学。成人式のお知らせが来たのは、大学2年生のときでした。

 お知らせが来た時点では「欠席」と決めていました。不登校当時の同級生に会いたくないという気持ちもありましたが、別の理由のほうが大きかったそうです。

 20歳を超えてから送られてきた国民年金や国民健康保険の支払い通知、そして成人式用スーツのDMに並ぶ金額は、自分が払えるような額ではありませんでした。

「大人って生きているだけでも、こんなにお金がかかるんだ」と、将来への不安に掻き立てられたそうです。だから「成人式で浮かれる気分にはなれなかった」と。

 ところが、親から連絡がありました。地元に帰る交通費も新しいスーツも買ってあげるから「地元に戻っておいで、ばあちゃんも喜ぶよ」とのこと。Aさんが「親や祖父母にとってみれば嬉しいものなのか」などと思っていたころ、なんと久方ぶりの友人から「成人式って来る?」との連絡がありました。

「もしかして行ってみれば楽しいものなのか」と思い始めたAさんは、ネットで成人式の情報を検索。「めっちゃ楽しかった〜」というツイートを見つけ、さらには「成人式で再開して付き合い始めました」という情報も。独り身の男性としては、この時点で期待感がMAXに膨れ上がります。

 その後も「行ってみれば楽しいのかな」「やっぱり楽しくないだろう」という気持ちのあいだで揺れに揺れながらも、覚悟を決めて帰郷。真新しいスーツ姿は、親にも祖父母にも喜ばれ、なんだか気恥ずかしい時間をすごし、いざ成人式の式場へ。

「ところが会場には無造作ヘアの男とかギャルとか、リア充ばっかり。オレの居場所なんて1ミリもなかった」(Aさん)。

 式典会場は、学生当時、スクールカーストの上位グループにいた者が幅を利かせ、ボッチの自分は目立たず隅にいるだけ。連絡をしてきた友人には、当日、連絡もつかず、町長さんの「ありがたいお話」を聞いたあとで退散。しかし家を出る前に「友だちに会えるから夕飯は食べてくるわ」と親に言ったため、家には帰りづらい。

 偶然にも友だちと会うことを期待しながら、ブラブラと地元をふらつきました。あてもなく時間を潰していると、思い出すのは家にも学校にも居られず公園で時間を潰した小学生時代……。季節は1月半ば、体が芯まで冷えて帰宅しました。

 当時をふり返ってAさんは「成人式に行って後悔はしたけど、気持ちは吹っ切れた」と言います。地元への愛情、子ども時代の楽しかった思い出、かわいかった同級生、それとは、おさらばして東京へ出てきた自分の道のりは「まちがいではなかった」と思えたからです。

■2つのアドバイスとは?

 Aさんほどではなくても、成人式はドラマがいっぱいです。晴れ着の写真だけでもと親に頼まれたが当日、両目にものもらいができた話。式典で誰とも打ち解けられず一人でカラオケに行った話。友だちと式を欠席し、アニメの聖地巡礼をした話。バカ騒ぎをしている同級生に興ざめした話や、いっしょに騒いで友だちが7人も補導されたという話もありました。

 本当に悲喜こもごものドラマがあります。

 成人式にはたくさんの同世代と出会うため、コンプレックスや負の記憶とも対峙することになります。しかし、不登校の人でも「全員、成人式は欠席する」というわけではありません。むしろ「絶対に行きたくない」という人は私の体感上、少数派でした。

 というのも、成人式を直前に控えると「一生に一度だし」「親も喜ぶから」などの理由から、「行ってみたい気持ち」と「行きたくない気持ち」が同居します。つまり揺れ、迷うのです。親も自分も、期待が膨らむのも事実です。

 成人式の出欠をどちらにするか、周囲から見れば「好きにすればいい」「悩む必要はない」と思うかもしれません。しかし、私はたくさんの人の話を聞いてきて伝えたいと思うことがふたつあります。

 ひとつ目は「親も含めて外野は黙っていよう」ということ。もうひとつは「悩んでいることはまちがいじゃない」ということです。

 悩んでいると悩む自分が嫌になってきます。でも、悩ましいときは本人が悩むしかないんです。悩まないようにと無理をすれば苦しくなるばかりです。どんなときも、そのままの自分でいるしかないと、お釈迦さんも言っていたそうです。迷いながら当日の朝を迎えたっていいはずです。

 若者を葛藤の渦へと巻きこむ成人式。外野の私は黙って、迷いながら決断する本人にエールを送りたいと思っています。(文/石井志昂)

このニュースに関するつぶやき

  • 成人して初めての判断が成人式行くか行かないか?(´・ω・`)……もっと何か無いの?(´・д・`) 成人式出るも出ないも大した事ないんだから気にする程の事でもない。
    • イイネ!1
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  • 一番辛いのは去年着物が来なくて参加出来なかった人達じゃないのかな?一生に一度の成人式を台無しにされて。
    • イイネ!199
    • コメント 4件

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