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大相撲初場所、次代を狙うはあの2人と「ガチムチ・猿・王子様」の小兵三羽ガラス

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2019年01月12日 16:00  週刊女性PRIME

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週刊女性PRIME

写真2017年秋場所千秋楽。殊勲賞の貴景勝(左)と敢闘賞の阿武咲(右)写真/共同通信社
2017年秋場所千秋楽。殊勲賞の貴景勝(左)と敢闘賞の阿武咲(右)写真/共同通信社

 いよいよ1月13日から大相撲・初場所が始まる。どの部屋でも“無理をしてケガをしないように”と軽い運動中心の稽古調整期間に入っていて、本番前の緊張感が徐々に高まっているところだ。

 力士たちは、昨年12月22日まで続いた冬の巡業が終わって各部屋に戻ると、休む間もなく年末年始の行事や稽古に励んできた。

お相撲さんのお正月

 年末にはまず稽古を始める前に「土俵築(どひょうつき)」があった。

 これは日ごろ使っている土俵を一旦、掘り起し、土俵を作り直す大切な行事。毎場所前に行われているけれど、年末のそれは一年で最も丁寧にやるとか。部屋の力士や呼び出しさんら総動員。2日がかりで行い、昨年何かと話題となった大相撲の“一門”がこういうときに役に立つ。

 人手が足りない部屋では、同じ一門の呼出しさんらが応援に駆け付け、みんなで土俵築を行ったりもする。一門とは、こういうためにある。

 土俵は表面だけでなく、15センチほど深くクワや小型の耕耘機まで使って掘り起し、土を砕き、再び平らに固めて行く。

 その様子は農耕作業にそっくりで、太古の昔に相撲は「農作物の吉凶を占い豊穣を祈る神事だった」ということを思い出させる。以前、そばで見せてもらったことがあるけれど、相撲の原点を見る思いがして感動したのを覚えている。

 そして一般の家庭ではほとんど行われなくなった「餅つき」も行う。

 相撲部屋は日本の忘れ去られていく伝統行事を継承しているが、近ごろは部屋内だけでなく、近隣の幼稚園やショッピングモールなどでも行われている。1日で50キロ、60キロもの餅をつき、近隣の人たちにお雑煮がふるまわれたりと交流が図られたりもする。

 明けて元旦には、部屋に全員が集まって「元旦式」が執り行われた。お屠蘇(とそ)を酌み交わし、今年の抱負を述べ、親方からは訓示や励ましの言葉がある。

 その後に親方とおかみさんから力士たちへ、年齢を問わず(40歳を超える力士もいますから!)お年玉が配られるそう。部屋によってはここで「書初め」も行われ、各力士たちが今年の目標や抱負を書く。

 ツイッターや部屋のブログにアップされている書初めを見ていると、『勇往邁進』とか『泰然自若』といった、さすが力士! 四文字熟語に詳しい! と思うものから、『スタート』とか『健康』とかシンプルな願いも多く、みんなガンバレ〜! と目を細めて見てしまう。

 そうして、ほとんどの部屋ではお正月気分を切り替え、2日から稽古がスタート。まさに猪突猛進! だが、初場所からの2019年相撲界、どうなっていくんだろう? と期待も高まる。

キーワードは「ライバル」

 思えば2018年は幕内優勝が初場所から順に栃ノ心、鶴竜、鶴竜、御嶽海、白鵬、貴景勝と横綱の優勝は3回、大関以下の優勝は3回。新しい時代の幕開け? 世代交代? という声が聞こえるようになった年だった。

 とはいえ、優勝後に大関に昇進した栃ノ心は足指のケガに泣いて、思うように実力を発揮できずにいるし、御嶽海は大関へ一歩がなかなか届かない状態。「期待の若手」の呼び声が高い朝乃山も、九州場所では残念ながら負け越してしまった。

 そんな今年、キーワードになるのは「ライバル」だ。ライバルの存在が大きく飛躍させていくんじゃないか? と思う。

 もちろん、アスリートが成長するにはどの競技でもライバルの存在は欠かせない。共に競い、切磋琢磨し合うことでさらなる力をつけ、成長できる。

 大相撲の世界でもライバルの存在が常に土俵を盛り上げてきた。横綱・大鵬と柏戸、北の湖と輪島など、一時代を築いた人たちには常にライバルの存在があった。

 そして今年最も注目すべきライバルたちは、昨年の九州場所で優勝した貴景勝と、そのライバル・阿武咲(おうのしょう)だろう。

 阿武咲はケガで2018年前半は休場〜十両に陥落していたが、幕内に復活してきてからは以前よりずっと落ち着いた大人の雰囲気をまとって、九州場所では11勝4敗の敢闘賞受賞と活躍。

 2人は小学校、中学校の時代から勝敗を競ったライバルで、雑誌で対談をしたり、ツイッターで阿武咲が貴景勝を、共に上を目指すライバルと書いていたこともある。

 実力はもちろん、2人からは気負わず虎視眈々と頂点を目指す気持ちの強さを感じる。2019年の相撲界を担う若手ライバルの筆頭は、この1996年生まれの22歳コンビだろうと期待している。

小兵三羽ガラス

 十両に目を向けると、照強(てるつよし)、炎鵬(えんほう)、翔猿(とびざる)の、小兵力士三羽ガラスがいる。

 3人は昨年の九州場所前半を大きく沸かしたけれど、小兵力士は体力をキープするのが難しい……の定説通り、後半になって疲れが出て、残念ながら失速してしまった。それでも3人は小さい身体を逆に生かして、毎日、面白い相撲を取って沸かせる! 

 中でも十両筆頭に番付を上げてきた照強は、稽古とトレーニングでガチムチに作ってきているなぁ〜とわかる身体と、いつも取り組みの前夜に考えるという様々な技で魅せる! 天井まで届きそうな勢いで塩をザパ〜ンと大きく高く撒く、そのドーンといこうぜ的な気の強さが、実に気持ちいい。土俵に上がって取組直前に見せる獰猛な顔つきもゾクゾクする。

 翔猿は同じく十両力士・英乃海の弟。動きがサルっぽくて申年生まれだから、そのしこ名がついたと言われている。足の運びを見ると、ビデオを早回ししてるかのように動く動く! 運動神経が抜群にいいんだなぁと惚れ惚れする。

 そして炎鵬はアイドル的可愛さでスー女の人気は既に抜群。王子様、という言葉がぴったりだけど、本人は王子と呼ばれるのが嫌いなんだそう。

 その逸話からもわかるように、可愛いルックスとは裏腹の勝気さを持ち、日ごろの熱心なイメージトレーニングで培った技の豊富さで、炎鵬の土俵は毎回、大いに沸く。今年も面白い相撲を見せてくれそうだ。

 十両小兵三羽ガラス、技を競い合って、そのまま幕内に3人揃って上がってさらに賑わせてほしい!

 そして2018年の相撲界で大きな話題を集めたデビュー組の2人、昭和の大横綱・大鵬の孫の納谷と、朝青龍の甥っ子・豊昇龍(ほうしょうりゅう)も、2019年にさらなる飛躍が期待される。

 2人とも互いをライバルと認めつつも、初場所新番付で納谷は幕下60枚目、豊昇龍は幕下21枚目と、やや差がついてきた。この幕下ティーンエイジ世代には、納谷と埼玉栄高校の同級生で実力はピカイチな琴手計(ことてばかり/幕下48枚目)や、同じく同級生で眼力もハンパない塚原(幕下39枚目)もいる。

 2019年は4人揃って20歳を迎えることになり期待も高まるが、実は、さらにここにもう一人、気になる存在はいる。

 それはモンゴルからの留学生で、一昨年に高校総体を制してモンゴル人初の高校生チャンピオンに輝いた狼雅(ろうが・序ノ口)だ。

 彼は11月の九州場所に前相撲でデビュー。初場所に序ノ口からスタートになるけど、183センチ、140キロ、筋骨隆々とした身体つきは、すでに幕内力士のよう。

 胸毛や髭も濃くて、見た目もまさにベテラン力士。足首や手首など、あらゆる首が太くてガッチリ安定していて、この人はまちがいなく強くなる! と、そばで見るとブルっと震えがくる。身体は大きく動きも素早く、また土俵を降りると笑顔で礼儀正しくて気配りある19歳だ。

 納谷、豊昇龍、琴手計、塚原、狼雅の、2019年に20歳になる5人のライバルたち! 彼らの活躍が今から楽しみでならない。

燃えるベテラン勢

 ちなみにこうした若手たちの隆盛、ベテランはどう見ているのか?

 年明けに幕内・嘉風(よしかぜ・36歳)のトークショーに参加した時のこと。彼の発言が印象に残っている。

「22歳(貴景勝たち)から見たら36歳はおじさんでしょうね。でも若手がフォーカスされ、世代交代と言われても、自分がやることは変わらないんですよ。若手の台頭も目の前で起こってる出来事の一つです。周りが変わっても自分は何も変わることはありません」

 と、クールに語っていた。 

 ひゅ〜、かっこいい! 若手が台頭するからこそ燃えて輝くベテラン勢。そういえば、年明けすぐに進退の危機も言われる横綱・稀勢の里の元へ、入門当時からのライバルである豊ノ島と琴奨菊が出稽古に行った、というニュースもあった。ベテラン勢もライバルがあってこそ、のようだ。

 とにもかくにも今年も大相撲、目が離せません!

和田靜香(わだ・しずか)◎音楽/スー女コラムニスト。作詞家の湯川れい子のアシスタントを経てフリーの音楽ライターに。趣味の大相撲観戦やアルバイト迷走人生などに関するエッセイも多い。主な著書に『ワガママな病人vsつかえない医者』(文春文庫)、『おでんの汁にウツを沈めて〜44歳恐る恐るコンビニ店員デビュー』(幻冬舎文庫)、『東京ロック・バー物語』『スー女のみかた』(シンコーミュージック・エンタテインメント)がある。ちなみに四股名は「和田翔龍(わだしょうりゅう)」。尊敬する“相撲の親方”である、元関脇・若翔洋さんから一文字もらった。

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  • 1995年1月17日生まれ、しかも淡路島の照強(てるつよし)、入幕は目前。
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