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「地震忘れないで」20歳の自分へ、タイムカプセル開封 岩手・山田町

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2019年01月12日 20:46  毎日新聞

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毎日新聞

写真タイムカプセルの中身に笑顔を見せる大川海成さん(前列左から2人目)ら新成人=岩手県山田町の大沢小体育館で2019年1月12日午後、篠口純子撮影
タイムカプセルの中身に笑顔を見せる大川海成さん(前列左から2人目)ら新成人=岩手県山田町の大沢小体育館で2019年1月12日午後、篠口純子撮影

 東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県山田町で12日、震災当時、町立大沢小の6年生だった新成人18人が、卒業時に埋めたタイムカプセルを掘り起こした。20歳の自分にあてた手紙には「町はどうなっていますか」「地震を忘れないでほしい」など被害の様子や復興への願いが書かれ、新成人たちは古里への思いを新たにした。


 6年生29人は震災20日後の2011年3月31日、学校の敷地にタイムカプセルを埋めた。自分への手紙などをプラスチックケースに入れ、再会を誓った。それから8年。新成人となり、母校に集まった18人は記憶を頼りにスコップで土を掘り起こした。


 双子の大川海渡(かいと)さん(20)と海成(かいせい)さん(20)の家は代々漁師。津波で祖父母と伯父を亡くし、家も流された。3隻あった船は、父親が沖に出して1隻を守った。


 海渡さんは「拝啓 8年後のオレへ」と書いた手紙に「海はとても恐ろしいです。でも、海はとても大切です」「漁師になってお父さんといっしょに船に乗っていますか」と残していた。手紙に書いた通り、漁師になり、毎朝父と漁へ出ている。「仕事を早く覚えて、父に認めてもらいたい」と話した。


 海成さんが手紙と一緒にしまっていた自作の新聞には「忘れてはいけないこの瞬間」というタイトルと、家が津波にのまれる様子が記されていた。児童会で新聞作りを担当していた。「災害があった時に現場に駆け付け、人を助ける仕事がしたい」と岩手県警の巡査となった今、「津波はつらい思い出ではあったが、受け止めて前に進むことができた。いつか町に戻って仕事をしたい」。


 青森県三沢市から駆けつけた中村奈緒さん(20)の手紙には「何の仕事をしていますか?」とあった。中村さんは航空自衛官になり、救急救命士と准看護師の資格取得を目指している。「小、中、高校と震災がなかったらよかったのにと悩んだが、今では震災が原点となっている」


 津波とその後発生した火災で、町の死者・行方不明者は800人を超えた。高台にある大沢小の児童は全員無事だったが、多くが家を流され、家族を失った。学校は避難所となり、住民数百人が身を寄せ合った。大沢小の児童は、まきや山水を運び、避難所の大人たちを勇気づけた。


 6年生の担任だった佐藤はるみ教諭(59)は新成人となった教え子の姿に「8年前と変わらず、まっすぐな心を持ったまま成長してくれているのがうれしい。それぞれ自分の在り方を考えて大人になろうとしている姿が頼もしい」と喜んだ。【篠口純子】


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