機内でひとりの乗客が起こす迷惑行為は他の乗客にとって耐え難い苦痛となり、時にフライトの遅延や多額の被害を生じてしまうが、こうした迷惑行為は機内に限ったことではない。このほど中国で、何者かが搭乗前に機体のエンジン部分に硬貨を投げ入れ、離陸に2時間近くの遅れが発生した。『shanghaiist』などが伝えている。
飛行機の安全性を全く考慮しない愚行に及んだのは、その飛行機に搭乗した乗客だったようだ。1月8日、中国の安徽省安慶市から上海に向かう予定の中国東方航空MU5540便の機体エンジン部分に、ひとりの乗客が硬貨を投げ入れた。
地上作業員が気付いて調べたところ1枚はエンジンの端に、もう1枚は地面に落ちていた2枚の硬貨を発見した。硬貨を投げたとされる乗客は既に機内に搭乗しており、連絡を受けて駆けつけた警察官が監視カメラをチェックするも人物を特定できなかった。その後、警察官は機内で「エンジン部分に硬貨を投げ入れたのは誰か。正直に話してくれたら罰しない」と乗客全員に呼びかけたが、誰も名乗り出る者はいなかった。今回の件については、高齢者の仕業ではという声もあるが、実際に中国では高齢者の乗客によってエンジン部分に硬貨が投げ入れられるという事態が二度ほど起こっている。
2017年6月には、上海浦東国際空港にて中国南方航空機のエンジン部分に1.7元(約27円)を投げ入れた80歳の女性客が原因で、5時間の遅れと多額の損害を生じさせる結果となった。
この女性は警察に「安全に旅ができるよう、幸運の願掛けをした」と話したという。高齢だったことから、この女性は罪に問われることはなかった。
再びの「エンジンに硬貨を投げ入れる乗客」のニュースはソーシャルメディアでも拡散しており、このニュースを知った人からは「またか! もういい加減にしろって感じだな」「中国では高齢者はお賽銭を投げるのが典型的なんだろうけど、これはあまりにも愚かな行為だ」「幸運どころか墜落の可能性を増やしているだけ」「中国では航空会社側が搭乗者に向けて『賽銭を飛行機に投げ入れるな』という注意書きをする必要があるな」「まったくもって信じられない行為」といった声があがっている。
画像は『shanghaiist 2019年1月10日付「Flight delayed after passenger apparently tries to throw coins into engine」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)