限定公開( 8 )
昨年発表された『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』の劇場版アニメ化。『逆襲のシャア』の続編(正確には小説版である『ベルトーチカ・チルドレン』の続き)にあたる、
この作品のアニメ化にガンダムファンは今年、来年は大いに楽しめると沸き立っている。
『閃光のハサウェイ』が富野由悠季氏の小説として刊行されたのは、1989年から1990年にかけて。その当時から、ファンの間では、これはアニメにするのは難しいのではないかと語られていた。
なぜなら、話がとにかく陰鬱なのである。
すでにあちこちでネタバレをしている作品なので、さわりの部分を書くと、主人公はブライトの息子のハサウェイ・ノア。第二次ネオ・ジオン抗争で、アムロとシャアの戦いを目撃したばかりか、小説では初恋の相手であるクェス・パラヤを殺してしまったハサウェイ。色々と悩んだ末に、彼が地球連邦に対して蜂起するという展開なのである。
この話。今では宇宙世紀の歴史に組み込まれている。そうやって「歴史的事実」として定着して、ようやく陽の目を見ることができた作品といえるだろう。
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ただこうなると、同様に「そろそろどうにかして欲しい」とファンが願っている作品のことも話題になってくる。それが『機動戦士ガンダムF91』である。
宇宙世紀0123年を舞台にしたこの作品。新たにコスモ貴族主義なんて思想が出てくる作品として話題性は高かったが、1991年に公開された映画だけで終了。
当初は、劇場版の後にテレビで続きを描く予定だったらしいが、それは実現せず。富野氏が原作を担当した長谷川裕一氏のマンガ『機動戦士クロスボーン・ガンダム』を読むと、劇場版で描かれた戦いの顛末はわかる。わかるのだけれど、消化不良のままだ。
もはや、全日本国民の教養ともなっているガンダム。こっちの問題もなんとかしてほしいものである。
(文=是枝 了以)
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