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2020年の教育改革で求められる「非認知能力」って?数値化できない人間力の育て方

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2019年02月05日 10:31  ウレぴあ総研

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ウレぴあ総研

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東京オリンピックの行われる2020年は、教育、労働環境、不動産など、さまざまな分野で節目となる年と言われています。教育分野では、マークシート方式の大学入試センター試験に代わり、「大学入学共通テスト」が始まるなど、大きな変化がありますね。

たったこれだけ!「将来の夢が叶う子」の親がしている、簡単な声かけ

国は早くから、教育改革の一環として、第一に豊かな人間性の育成と心の教育の充実の重要さを挙げています。(「教育改革プログラムについて」)

それは裏を返せば、今までの教育が、子どもに自ら学び、考える力をつけさせるものではなかったということになります。では、豊かな人間性や心とは、どうやって育まれるのでしょうか。

■「非認知能力」って?

少し前まで、いわゆる「いい子」は、先生の言うことをよく聞ける子だったと思います。ですが、これからの時代、人から言われたことだけを忠実にこなしても、何の価値も持たなくなります。

職業にしても、そういった仕事は、すでに人工知能(AI)やロボットが代替できる時代になっているからです。今後、10〜20年にかけて、現在ある49%の労働が、機械に取って代わるという調査結果もあります。

これからの子どもたちに求められる心の豊かさが語られるとき、「非認知能力」という言葉を耳にしたことはないでしょうか。

非認知能力とは、主体性、想像力、自制心、自己肯定感、自信、回復力(レジリエンス)、社会性、共感力など、「正解のない問題に、自分らしく立ち向かって解決していく力」だと、『「非認知能力」の育て方』の著者ボーグ重子さんは書いています。

ボーグさんの娘さんは、「全米最優秀女子高生」の受賞者です。教育での非認知能力開発において日本より先に行くアメリカでのボーグさんの子育て体験から、非認知能力とはなにか、どうやって育んでいけるのか、ご紹介していきましょう。

■IQよりも非認知能力、成功よりも幸福

なにか想定外のことが起こった時、学校で教わったことだけで問題を解決することは、難しいでしょう。テストだったら、“習っていません”で済むかもしれませんが、人生でそれは通用しませんよね。

非認知能力は、2000年にノーベル賞経済学賞を受賞した、シカゴ大学のジェームズ・ヘックマン教授の幼児教育の研究がきっかけで注目されるようになりました。

研究では、幼少期の教育が子どもの将来全般に与える影響が明らかになっています。ただし、ヘックマン教授のいう教育とは、いわゆる早期教育ではなく、学習意欲を伸ばすこと以外に、自制心や粘り強さなどの非認知能力の基礎を身につけさせることでした。

非認知能力にはさまざまな要素があり、自己肯定感、自制心、社会性、好奇心、想像力、共感力、主体性、柔軟性、回復力(レジリエンス)、やり抜く力などが挙げられます。

非認知能力が高い子どもは結果として、高学歴や高収入、いわゆる社会的な成功に結びつくそうですが、それと、早期教育を詰め込まれた子どもが社会的に成功することとは、似ているようで、大きな違いがあるのかもしれません。

たとえばIQが高くても、自己肯定感が低かったら、一度の失敗が一生の心の傷になってしまうことも考えられます。非認知能力のひとつである「自己肯定感」が高ければ、なにが悪かったのかを考えて、また挑戦してみようという気持ちになれるでしょう。

落ち込んだ後の立ち直りの早さは、やはり非認知能力の「回復力」によるもの。回復力とは、どんな逆境にも折れない、しなやかな心の力です。

また、どんなに社会的な地位が高くても、他人を信じられず、良好な人間関係を築けなかったらどうでしょうか。他人と目標を共有し、ともに力をあわせてやっていくには、これまた非認知能力のひとつである「協働力」が必要になっていきます。

大人になって、自分や他人のことを愛せず、自分には価値がないと思って生きることは苦しいことですよね。

反対に、何が起ころうと、自分を信じて、前向きに努力できる心の強さがあれば、人は幸せになれるのではないでしょうか。そして、そういった心の強さは、0〜10歳までの家庭教育にカギがあるのです。

■非認知能力を育てる基盤は家庭

子どもに非認知能力をつけさせようと思ったときに、さあどんな教育方針の幼稚園や学校に入れたらいいのか、といきなり考えてしまう人もいるかもしれませんね。

また、親の収入が高くないと、子どもに質のよい教育を与えられないと考える人もいるでしょうか。ですが、非認知能力の多くは、家庭で身につくものばかりなのです。

たとえば、ボーグさんは、子どもが自分のしてほしくないことをしたときに、ただ叱るのではなく、その理由を聞くようにしていたそうです。

まずは子どもの気持ちを尊重し、子どもにじゅうぶんに自分の気持ちを表現する機会を与えます。そうすれば、子どもは自分の気持ちをわかってもらえたという安心感を得られるでしょう。この安心感があるとないとでは、その後の話し合いがずいぶん変わってくると思います。

もし親が、決まりだから、と頭からおさえつけることをすれば、その場は収まるかもしれませんが、子ども側には、自分の気持ちが大事にされなかった悔しさ、またそれに派生して親への不信感が残ってしまうかもしれません。

きっと、それほど難しいことではないはずです。子どもをひとりの人間として尊重し、なんでもかんでも教え込もうとするのではなく、子どもの中から芽生えてくるものを待つ心があれば。そういう意味では、根気は必要かもしれませんが、きっとやるだけの価値のあることなのだと思います。

■まだまだある! 家庭でできること

ボーグさんが娘さんの非認知能力を伸ばすために、特にフォーカスしていたことは、次の3点だそうです。

家庭でのルールづくり対話遊びそれぞれ、どんな非認知能力を伸ばすのか、見ていきましょう。

■家庭でのルールづくりで自立心と自制心を伸ばす

子どもの自己肯定感を伸ばすために、なんでもやりたいことはやらせることと、野放図に育てることとは別のこと。

社会に出たら、自分とは違う他人といかに共存し、協力しあって生きていくかが大切になってきます。それは家庭内とて同じこと。そのためには、自制心、つまり自分を律する心が必要ですね。

家庭でのルールは、子どもと一緒に決めましょう。自分で決めたことですから、それなりの責任感が伴いますし、守れた時には自信にもつながるでしょう。

この時注意するのは、たくさんのルールをつくりすぎないこと。禁止されたり、叱られたりすることばかりでは、子どもの自己肯定感は低くなってしまいます。

また、年齢にあったルールづくりをすることも大切です。特に、3歳頃までは、自制心をつかさどる脳の部分が未発達のため、子どもは我慢をすることが苦手です。4歳を過ぎると、きちんと説明すればルールを理解できる子どもが増えてきますので、その子の成長に合わせてのルールづくりを心がけたいですね。

■親子の対話でコミュニケーション能力を伸ばす

初めての子育てで、赤ちゃんに向かっておしゃべりするのが恥ずかしい、というママ、いませんか?

ですが、子どもは生身のコミュニケーションからしか、言葉を学ばないと言います。それどころか、「幼児期に聞く言葉の数が、将来の学力の差を生む」という研究結果が、すでに1990年代のアメリカで発表されているというのです。

ぜひ恥ずかしがらずにやってみてくださいね。

また、読み聞かせについても、生後すぐからでもすることが、アメリカの小児科学会から推奨されています。日本でもすでに、本屋に行けば、たくさんの赤ちゃん向けの絵本が並んでいますよね。

私事になりますが、筆者には2人子どもがいます。それぞれ読み聞かせが好きで、毎晩、最低4,5冊は絵本を読まされてきました。2人に共通していることですが、こちらがちょっとでも間違って読むと、ダメ出しが入るのです。上の子は、何冊かの絵本は完ぺきに”耳コピ“していました。

語彙が増えれば、その分、コミュニケーションにも幅が出てくるのでしょうか。下の子はまだ5歳ですが、二人ともすっかり口が立つようになっています。筆者などは、日常会話でとっさにうまい返事ができないこともあるのですが、彼らは切り返しがうまいのですね。

■問題解決能力を伸ばすには遊ぶこと

小さな子どもが遊んでいる姿を、黙ってみていたことはありますか? 子どもによってはよだれがたれるのも気にしないで、一心不乱に集中していますよね。

子どもの仕事は遊ぶこと。大人とちがって、遊びと仕事の境がありません。それをうまく利用すれば、問題解決能力を伸ばすことにつながるでしょう。

たとえば、子ども同士で遊んでいて、ケンカになることもありますよね。そんな時、親が出ていきたい気持ちをぐっとこらえて見守っていると、不思議と子どもたちだけで問題を解決して、気づいたらまた仲良く遊んでいた、ということも。

また、子どもは大人のすることをなんでもマネしたがるもの。料理や掃除など、あぶないからダメと却下するのではなく、どうやったら子どもでもできるかな、と一緒に考えてみるのです。子どもに意見を求めれば、幼いなりに、自分で答えを出してくるはずです。

「お子さんと一緒にいろいろなことを遊びに変えて一緒に楽しむことが大切」とボーグさん。難しく考える必要はないのですね。



IQやテストの点数など、数値化できるものだけで子どもの価値ははかれないということに、異論を唱える人はいないと思います。

ですが、見えないものをどうやって伸ばしていったらいいだろう、と悩むこともありますよね。答えはひとつではありません。ママの非認知能力も試されるところです。

子育ては、子どもと一緒に自分も一緒に育ち直せるようなところがあると思いませんか? 特に、必要以上に自分を責めてしまうママは、かなり自己肯定感が低下しているかもしれません。

2020年教育改革を待たずに、本書を参考に、子どもと自分の非認知能力を引き出す習慣を生活の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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