「なぜ乱暴者扱いに?」保育園で女児の顔を叩いた3歳児のママ、その悲痛な胸中

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2019年02月06日 20:22  サイゾーウーマン

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サイゾーウーマン

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保育園、幼稚園、小学校、おけいこ事の教室などでは、日々子どもの保護者と施設側の間でトラブルが発生している。ほんの些細なことでも、自分のこと以上に気になってしまうのが親心というものなのか。わが子のことを思ってとクレームを入れるママもいれば、モンペと呼ばれることを恐れて我慢するママも。そんなトラブル事例とママの葛藤をつづる。

 幼児は、言語コミュニケーションが未発達なため、幼稚園や保育園で“園児同士のトラブル”を起こしやすい。それを保育士から伝え聞いた保護者が、子を思うあまり「うちの子だけが悪いのか……」「これぐらいのことで注意されるなんて理不尽だ」という葛藤を抱えることもあるという。今回は、そんな当事者たちの声を取り上げる。

 首都圏にある認可保育園に、3歳になる男児を通わせている由樹さん(仮名)は、園側とのトラブルのため転園を視野に入れているという。

「うちの子は、言葉の発達が少し遅いため、つい手が出てしまうんです。この前、5歳の女児の顔を叩いてしまったらしくて、保育士から、『家でも手を出さないように注意してください』と言われました。もちろん、叩いてしまったことは悪いことなので、子どもに注意はしましたが、でも5歳児なら、3歳児よりも体が大きいし、避けることだってできると思うんです……。5歳児のママさんの間では、うちの子が乱暴だとウワサになっているみたいで、エントランスで会うと避けられるようになりました」

 このように、幼児同士のトラブルは、加害者側の保護者が「うちでは良い子なのに……」と、状況を理解しないケースも多いのかもしれない。由樹さんは「市が行う3歳児検診でも問題がないと診断されているのに、保育士が『息子さんには多動や衝動性があるので、一度、検査を受けるように』と言ってくるんです。息子がお友達の腕をかじったり、遊具の順番を守れずかんしゃくを起こすため、加配(発達障害、自閉症、言葉の遅れなどが認められた子3人に対して、保育園の先生を1人余分につける制度)のある園への転園をやんわりと勧められています」と納得がいかない表情を示す。

 保育士からは、「現場で働くスタッフの人員不足のため、手がかかる子どもを見る余裕がなくなっている」との声が聞かれる。そのため、保護者からのクレームを回避するためにも、集団生活を乱すような園児の行動は、その都度、保護者に注意するようになっているそうだ。都内にある認可保育園のパート職員として働いている糸井さん(仮名)は、「うちの保育園の子どもたちは、保育士の言うことをきっちり聞ける子と、何かしら発達などに問題がある子と二分化しているように思える」という。

「幼稚園と保育園と両方に勤務したことがあります。入園前に親子面接や、簡単な受け答えを行う幼稚園では、集団行動を乱すような児童はあまり見かけないのですが、“とりあえず保育園”という形で入園してきた児童が多いうちのような園では、保育士の話を聞けないで動き回る子、思い通りにならないとかんしゃくを起こし、ずっと泣いている子など、問題を抱えた子が多いように感じます」

 なかでも、親の態度が子どもに連鎖しているのが見過ごせないという。「子どもが下駄箱などで靴を履くのが遅かったり、自転車に乗る時に荷物を落としたりすると、イライラとしながら『早くしろ』『何してるんだよ』と怒鳴りつける親もいます。そういった、意味なくきつく叱る親の子は、日課活動においておもちゃの共有ができず、ほかの子の物を取り上げたり、整列の際に後ろから意味もなく押したり、乱暴なんです。やっぱり親の姿から影響を受けているということなのでしょうか。保護者に注意すると『うちは躾をきちんとしているから、子どもが言うことを聞かないわけがない』と言って、こちら側の注意を聞いてもらえないんです」と語る。

 認証型保育園の保育士である吉田さん(仮名)は、子ども同士のトラブルの背景に親の因縁があったというケースについて語ってくれた。

 彼女は日ごろから、問題行動がある子どもには、保護者に注意を促しクレームを回避するようにしていたが、中には不満を溜め込んだ保護者が、急に爆発してトラブルを起こすことがあるという。

 あらかじめ工作を行うと伝えていたにもかかわらず、A君が“汚したくない服”を着て登園。工作の時間に、B君の絵の具で服を汚されてしまい、A君ママがB君ママに“クリーニング代”を請求したというのだ。その代金が予想外の高額だったため、加害者側のB君ママが保育園に相談したことでトラブルが表ざたとなった。

「どうやら、服を汚されたと主張しているA君ママが、B君をよく思っていなかったことが原因だったようです。B君は、どちらかというとしっかりしたタイプで、なにかあるとすぐ保育士に『A君がブロックをぶつけてきた』などと報告する子でした。一方のA君は、言葉でのコミュニケーションが苦手なタイプ。A君ママはどうやら、『B君の告げ口のせいで、うちの子が保育士から注意を受け続けている』と不満を募らせ、高額のクリーニング代を請求したようでした」

 毎日を忙しく過ごすワーママにとって、保育園でのトラブルは最小限に抑えたい。なかには、「それくらいのことで……」と、注意自体を面倒くさく感じる保護者もいるようだ。保育園側は、全ての児童を平等に保育するのが人員的にも難しいという面もあるだけに、保護者側も、保育園とのコミュニケーションを円滑に行うため、子どもの受け渡し時に時間的ゆとりを持ち、積極的に保育士と話をするなど、なんらかの余裕も必要なのかもしれない。

 

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  • 口が達者で小賢しい子がうまく立ち回って、不器用な子を貶めるのはよくあることなんだよな。幸い子が通ってる幼稚園はそういうのを意識してくれてたから小競り合い程度でいつも収束させてくれてる。感謝です。
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