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冬スイーツの“女王” 「雪苺娘」が20年以上愛されるワケ

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2019年02月11日 06:11  ITmedia ビジネスオンライン

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写真山崎製パンのロングセラー「雪苺娘(ゆきいちご)」
山崎製パンのロングセラー「雪苺娘(ゆきいちご)」

 「冬の季節商品の中でも売れ行きはとてもいいですね」



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 山崎製パンが1998年から発売している「雪苺娘(ゆきいちご)」の人気ぶりについて、ローソンのスイーツ担当者はこのように語った。



 圧倒的なブランド力を誇っていた商品がいつの間にか発売を取りやめたり、生産規模を縮小したりするケースが散見される。また、コンビニや量販店が次々とプライベートブランド(PB)の商品を開発しており、ナショナルブランド(NB)の商品は脅威にさらされている。消費者の好みもどんどん多様化している。



 そんな状況で、雪苺娘はなぜ売れ続けているのだろうか。山崎製パンで商品の試作に関わったベテラン社員とマーケティングの担当社員に話を聞いた。



●洋風のいちご大福ともいえる商品



 まず、商品の概要を説明しよう。雪苺娘は求肥(ぎゅうひ)と呼ばれるもちもちの皮で、丸々1個のいちご、ホイップクリーム、スポンジを包んだ商品だ。見た目はいちご大福のようになっており、求肥の表面には粉糖(いわゆる粉砂糖)がちりばめられている。コンビニやスーパーでは1個200円前後で販売されている。



 例年、12月27日から翌年5月のゴールデンウイーク明けまで店頭に並ぶ期間限定商品だが、過去にはいちごの代わりにバナナを求肥で包んだ「雪娘(ゆきむすめ) チョコバナナ」やブルーベリーを求肥で包んだ「雪娘 ブルーベリーレアチーズ」といった商品が発売されたこともある(いずれも現在は販売していない)。



 12月27日以降に販売されるのには理由がある。まず、山崎製パンの工場はクリスマスまでケーキの製造を優先している。また、フレッシュ感ある旬のいちごを安定的に調達するのに都合がいいからでもある。



●派生商品含め、売り上げが伸びている



 雪苺娘が発売された当初の売り上げ(出荷価格ベース)は約11億円だった。その後、年によって売り上げが上下することはあったが、近年は約15億〜16億円で推移している(売り上げには雪苺娘の派生商品も含む)。雪苺娘のようなブランド名を冠した同社の商品で、20年以上ヒットし続けているものには「まるごとバナナ」がある。



 売り上げの額としてはコンビニ向けが多いが、量販店やドラッグストアなどでも販売されている。幅広い業態で取り扱われているのが雪苺娘の特徴だが、これは珍しいことだという。それだけ、知名度や人気があるということだ。



 では、なぜこれほど支持されているのだろうか。生産統括本部 洋菓子本部 洋菓子第1部の山内修課長に、商品のこだわりポイントを聞いた。まず、求肥はモチモチ感とやわらかく伸びる食感を重視しており、対応できるメーカーに製造を依頼している。ホイップクリームも、雪苺娘専用のものを使っており、軽くて口どけがよくなるように工夫している。ジューシーで甘酸っぱいいちごとクリームのバランスが愛されている要因だとみる。発売以来、具材のバランスはほとんど変えていないが、時代にあわせてフレーバーなどを数年に1回程度変更しているという。



●スイーツのプロが売れる原因を分析



 スイーツのプロは雪苺娘の魅力をどう分析しているのか。ある大手コンビニのスイーツ担当者は「求肥のモチモチした食感といちごの組み合わせは、日本人に受け入れられやすいですね。いちご大福が支持されているのと同様だと思います」と分析する。さらに、「日本人は期間限定商品が好きですし、ここまでロングセラーになると、店頭で見つけたときに『今年も出たんだ。買おう』と考えるお客さまは多いのではないでしょうか」と語る。ロッテの「雪見だいふく」が今なお親しまれているのと同様、日本人に支持されやすい要素が詰まっているといえるだろう。



 山崎製パンの営業統括本部 マーケティング部 マーケティング第四課の越智彩氏は「20〜30代の男女のお客さまに支持されています。求肥、いちご、クリーム、スポンジの組み合わせの妙はもちろんですが、季節限定のプレミアム感が受けています」と語る。



●試作で「すごいのができてしまった」



 雪苺娘はどのような経緯で開発されたのだろうか。当時、生産部門で試作を担当していた山内課長が振り返る。



 「ピザまん、ツナマヨおにぎりといったものが普及し始めており、『和洋折衷』をテーマにした商品開発をしようという機運が高まりました。また、ベルギーワッフルといった新しい食感の洋菓子もヒットしていたため、開発にあたっては『食感』を重視しました」



 商品開発を進めるなかで、「いちごをおいしく食べる方法はないか?」というアイデアが出てきた。クレープ生地などでいちごを包んでみたが、大量生産には向かないことが分かった。試行錯誤を重ねた結果、いちごとクリームを冷やしたものを求肥で包んだ今の形に行き着いた。山内課長は「試作した時点で、すごいものができてしまったと思いました。これは大ヒット間違いなしだと確信しました」と語る。



 名前にもこだわった。雪苺娘はドーム状の形をしているが、そこからかまくらの中に入っている小さな女の子をイメージした。商品名の候補として「雪苺」が挙がったが、女の子を意味する「娘」を付け加えることを思い付いた。「雪苺娘」と書いて「ゆきいちご」と読ませれば、その印象の強さから名前を記憶してもらいやすいと考えた。



 山内課長によると、発売当時、ケーキといえばスポンジとクリームを組み合わせたものや、チーズケーキが主流だった。現在はコンビニがスイーツ開発に力を入れているので、さまざまなスイーツが出回っているが、当時はそこまで種類が多くなかった。そんな中で、雪苺娘は非常に珍しく、目立つ存在だったという。



 こういった背景があったため、発売1年目から雪苺娘は大ヒットした。デパートの地下売場でテスト販売をしたところ、たちまち行列ができた。当時のメディアもこぞって取り上げたため、JR東日本が駅構内の売店に雪苺娘だけを売る特設コーナーをつくったほどだったという。つまり、社会現象といってもいいブームが起きたのだ。



●トレンドを盛り込みながら新商品を開発



 過去にチョコバナナ、ブルーベリーレアチーズといった限定商品を発売してきた雪苺娘だが、毎年、新しい試みを続けている。例えば、19年2月1日〜3月31日限定で、桜葉入りこしあんを使用した雪苺娘を発売する。マーケティングを担当する越智氏は「訪日外国人観光客のなかで、『サクラノミクス』がトレンドワードになっています。あんこの中に季節感を盛り込んだ商品です。こういったように、その年ならではの商品を毎年出しています」と解説する。また、「2月5日からコンビニ限定でチョコ味の雪苺娘を販売しています。一部の店舗でしか買えない商品を出したり、販売期間を通常の雪苺娘より短くしたりして、プレミアム感を出すようにしています」(越智氏)



 求肥、いちご、クリーム、スポンジと組み合わせ自体は非常にシンプルだが、ロングセラーとなった雪苺娘。「印象に残るネーミング」「日本人に支持されやすい具材」「絶妙な味のバランス」といったあたりが、長く愛される秘密なのかもしれない。


このニュースに関するつぶやき

  • 最近 私は「ロールちゃん」派に移行している安い時は98円で買えるし♪
    • イイネ!1
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  • これ美味いよな大好き(*´∀`*)雪見だいふくも美味いけど、やっぱ雪苺娘やな〜 https://mixi.at/a3priYk
    • イイネ!70
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