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『沈黙 −サイレンス−』『犬ヶ島』に関わった太鼓プレイヤー・渡辺薫を直撃!

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2019年02月12日 23:12  シネマトゥデイ

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シネマトゥデイ

写真世界中で活躍する篠笛・フルート・太鼓プレイヤーの渡辺薫
世界中で活躍する篠笛・フルート・太鼓プレイヤーの渡辺薫

 ニューヨークを拠点に世界中で活躍する篠笛・フルート・太鼓プレイヤーの渡辺薫が、2月8日(現地時間)、ニューヨークの自宅で自身のキャリアと音楽への想いを語った。


 アメリカのセントルイス出身、セントルイス交響楽団に属していた両親の影響で、幼少の頃から楽器に触れる機会があった渡辺。フルートやバイオリンを演奏していたが、11歳のときに和太鼓と運命的な出会いを果たす。「長野県諏訪市の(和太鼓奏者の)小口大八先生がセントルイスにいらして、彼のワークショプに参加した際に、初めて太鼓をたたかせていただきました」。その後、遊びでは太鼓をたたいていたそうだが、中学、高校ではフルートに専念し、音大でジャズを専攻する。


 黒人のジャズを通して彼らの文化や歴史を知ったことで、自分自身が日系アメリカ人ではあるものの、日本の文化や歴史に疎いことに気づき、自分のアイデンティティーを追求するために日本に渡ることを決意する。「新潟の佐渡島に行きました。『鼓童』という和太鼓集団で2年間の研修の後、メンバーとして、計約10年在籍しました。『鼓童』では、まず体力的に訓練しなければならず、週6回、起床後に10キロ走りました(笑)。その後の朝食も当番制。その他に、自分で太鼓のバチを削ったり、いろいろな踊り、笛、三味線、能や狂言、茶道などを体験したり。ある意味アメリカに住んでいた僕の方が、東京の人よりも日本の文化を知っていたと思います」と当時を振り返った。


 その後、アーティストとしての感覚を研ぎ澄ますために、あえて「鼓童」を離れる決意をした渡辺。「いろいろ体験した『鼓童』をやめてから東京に行こうか、他の場所に行こうか考えましたが、結局ニューヨークに帰ったのは世界的にレベルの高いミュージシャンに囲まれ、ある意味一番厳しいところに身を置いた方が、自分も刺激をもらえると思ったからです」そんな飽くなき探究心が、自身の太鼓や篠笛の腕を磨きながら、舞台で書道家やビジュアルアーティストと組んで、新しい世界観を生み出していく。


 さらに、映画音楽にも携わるようになる。「マーティン・スコセッシ監督の『沈黙 −サイレンス−』で、音楽監修のランドール・ポスターから『太鼓のこういう感じの曲が欲しい』と録音したものが送られてきました。彼からは太鼓の種類などいろいろな質問を受けた後、映像も送られてきました。その映像には、古い映画の音楽が付け足されていて、その音楽を通して『こんな感じの雰囲気の音楽が欲しい』と依頼されました。僕がスタジオに入ったときは、音楽監修と音響担当しかいませんでしたが、すでに録音したものや2、3時間即興的にプレイしたものから、最終的に先方の判断で使っていただきました」


 映画『犬ヶ島』も音楽監修はランドールが担当していたこともあり「彼から、ウェス・アンダーソン監督が、太鼓の音を欲しがっていると連絡がありました。その後、ウェスがうちのスタジオに来てセッションをしました。すると彼から『いつ(録音の)スタジオに行こうか?』と言われ、1週間後にはエンジニアとウェスと僕で7時間ぐらい録音したんです。でも、その時点では、ストップモーションの映像はほぼありませんでしたね。まだ絵コンテの段階だったんです」アンダーソン監督からは、「こういう犬が歩いていて、こういう人間が出てきて、ちょっと戦うシーンがあるから、こんな感じはどう?」というような指示が出され、さまざまな太鼓で、いろいろな音色を細かく試していったそうだ。


 最後に、今、関わっているプロジェクトについて聞いてみると「先週は、インドのタブラーという楽器の演奏者とコラボし、再来週はフランメンコの一流アーティストと一緒にやるつもりです」と笑顔で語った渡辺。また新たな刺激が生み出されそうだ。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)


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