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人はなぜ「勉強しなさい」と言われると勉強したくなくなるのか

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2019年02月14日 18:40  まぐまぐニュース!

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まぐまぐニュース!

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例えばマンションの居住者全員の合意が必要な場合に、徹頭徹尾反対意見を押し通そうとする方が少なからず存在するものです。なぜ彼らはそこまで頑なな態度を取るのでしょうか。今回の無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』では著者でマンション管理士の廣田信子さんが、その理由のひとつとして「ブーメラン効果」なる心理現象を挙げるとともに、彼らの心を解きほぐす方法についても記しています。

説得されると余計に反発する「ブーメラン効果」

こんにちは!廣田信子です。

最近、全員の合意が必要な一括充電への切り替えにおける反対者への対応について聞かれることが続きました。このところ相談がなかったので、電力の完全自由化で既存マンションでの一括受電への切り替えは、ひと段落したかな…と思っていましたが、そうでもないのか、裁判になっているものもあるようです。

総会決議はしても、全戸の専有部分の電力供給先の変更承認が必要なので、結局のところ、理解を得られるようにして協力をお願いするしかないわけなんですが、人間には、懸命に説得されると余計に反発を覚えるという心理があるから厄介です。

デパートで洋服を見ていたら、店員さんが寄ってきて、「それ、お似合いですよ〜」とか勧められるとなんか買いたくない気分になってその場を離れてしまう…そんなことありませんか。私はあります。下手だな〜この店員さん「ブーメラン効果」って知らないの?…と思います。

「ブーメラン効果」とは、他人が自分をある態度に導こうと試みたときその行為や主張に反発を感じてかえって相手の意図とは逆の心理になってしまうことをいいます。勉強しろと言われれば、言われるほど勉強したくなるくなる…こんな経験はありませんでしたか。

で、やっかいなのは、自分が、勉強するつもりがなかったときより、自分でも勉強しなくちゃと思っているときの方が反発心が大きいことです。デパートでの買い物のときも、まったく買う気がなく見ているときよりも、「これ、いいかも…」とちょっと買う気が出ていたときに、「お似合いですよ〜」なんて急に声を掛けられると、何か、気持ちがそがれてしまうのです。

私が、ちょっと興味を示している様子を見て、購入を後押ししようと思って、店員さんは声を掛けるのでしょうが、私にとっては、逆効果です。なぜか…店員さんは、基本、買わせたくて声を掛けるものと私自身が知っているので、「お似合いですよ〜」を素直に聞けません。

しかも、私はその助言を店員さんに求めていません。私は、自分で選ぶのを楽しんでいるのです。そんなときに声を掛けられたら、誰かにコントロールされてものを買うのはいやだ、という抵抗心が出てきて、もう、その洋服は選びたくなくなるのです。

そういうと、私は、人のアドバイスを拒否する頑固者のようですが、実は、プロのアドバイスを受けてものを購入するのは大好きなんです。自分から、こういう洋服を探しているんだけど…といって、店員さんにセレクトしてもらうこともよくありますし、2つの候補で迷ったときには、両方を試着して店員さんの意見を聞いて、決断することもありますから。「ブーメラン効果」は、特別へそまがりの人だけに起こることではなくその状況によって、誰にでもあることなのです。

なぜ、私たちの心にこんな効果が働くのかその原因には、次のようなことがあります。

まず一つ目、説得者の態度や主張に不信感を抱いたためあるいは説得者のことを快く思っていないために反対の立場を取ろうとする。

たとえば、一括受電に最後まで合意しない人の中には、理事会のやり方に納得がいかないと思っていたり、業者の強引さに反発を感じているために合意しない人がいます。こういう人をいくら説得しても、よけい頑なになるのはこの心理です。反対している人が警戒しない第三者に、どこに納得しないのか何に反発を感じるのか、しっかり話を聞いてもらい、そこを、ほぐしていくしかないと思います。

二つ目として、自分の人生にとって重要性の高いことに関しては自分の意見とは異なる主張を絶対に受け入れまいとする。たとえば、原発に絶対反対だと思って原発をなくす運動をしている人にとっては、せめて自分の自宅の電気ぐらいは、原発でつくられた電気じゃなくて、自然エネルギーで造られた電気を買いたい…ということは、絶対に譲れない重要度が高いことなのです。

電気はどこから買っても同じじゃない安い方がいいに決まってるじゃない、などと周りが説得しても、その人にとっては譲れない大事なことを軽視する人の言うことは絶対に受け入れられないと意思は強固になります。

三つ目として、説得されることが、「自分の自由への脅威と感じると自分の選択の自由を守ろうとして心理的反発が生じる。私の買い物中の心理は、これだと思います。他者に強制されるとか、コントロールされるということに、本能的に脅威を感じるので、その可能性があることには従わない…という気持になるのだと思います。

この心理を、一括受電の場合で考えると、同意書に署名捺印しないのは共同の利益に反する…なんていって強制されると、自由を侵される脅威から反発しますが、専有部分の電気契約は本来個人の自由であることは、よくわかっていますが、管理費収支の改善のために、協力いただくことはできないか、考えてみて頂けますか…と言われたら、自分の意志で管理組合に協力しようという気持になることも十分考えられます。

いずれにせよ、人の心を変えることは、一筋縄ではいきません。丁寧に急がず合意形成を進めることが重要です。それによって、一つ目の理由での反対は防ぐことができます。二つ目の理由だったら…これは早めにあきらめることかな…。これは、しかたがないです。説得して追いつめてまで、一括受電にしなければならない理由はない…と私は思います。でも、この理由による反対は本当に少数です。管理組合があきらめて引いたことで、それはそれで反対者にとって、何となく居心地が悪くなって引越しをされたケースもあります。そういう解決もあるのです。

三つ目の理由の場合は、「自由への脅威ではないことをきちんと示し協力をお願いすることで解決は見えます。数百戸のマンションで一括充電への切り替えができたところは、管理組合が経費削減に一生けんめい取組み、その一環としての一括受電という選択について、理事自らが丁寧に説明にまわって協力をお願いしています。

人にはそれぞれ、譲れないことがあるのです。反対の意見があっても当たり前ということを理解してその意見を否定せず受け入れ、確かによいことばかりではないかも知れないけど、管理組合の大多数の人の選択に協力してもらえないか…と謙虚に話すことではないでしょうか。

マンションの共用部分の管理や管理組合運営に関しては、多数決で決めたことに協力する…それは当たり前です。しかし、専有部分(自分が所有する自分の家)での暮らし方まで制限をするには、それ相応の理由が必要です。

最近の判例では、管理組合の団体的意思が尊重される傾向がありますが、それを拡大解釈して、専有部分の暮らし方まで強制するのは、どうなんだろう…と思ってしまいます。

そんなことをしなくても、目的を共有できれば、協力をお願いすることで反対者の承諾が得られるということは十分あると思います。どうか、方法を間違えないでほしいと願います。重要なのは、あくまで自分の意志で協力する…ということです。「ブーメラン効果」、覚えておいてください。

一括受電に関しては、いくつか過去記事に書いています。

● 電力自由化・一括受電の記事

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