バブル期から現在まで平成30年間のオフィスファッションを分析、働き方の多様化でカジュアルな着こなしが浸透

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2019年02月14日 19:42  Fashionsnap.com

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バブル期のオフィスファッション Image by: パーソナルキャリア
転職サービス「ドゥーダ(doda)」を運営するパーソルキャリアが、平成30年間におけるオフィスファッションの変化をまとめた。バブル期に始まり現在に至るまで、職場環境や働き方が多様化したことに加え、街頭のトレンドの影響を受け、時代を追うごとにカジュアルなスタイルが浸透。オフィスファッションのルールが緩くなっていると分析した。

 今回の分析では、バブル期の平成元年(1989年)〜平成9年(1997年)、就職氷河期の平成10年(1998年)〜平成19年(2007年)、"人生100年時代"と称した平成20年(2008年)〜平成30年(2018年)の3つの時期に分けて特徴を解説。「ストリートファッションの時代」「ストリートファッション論」などの著者で共立女子短期大学の渡辺明日香教授が監修を担当した。
 バブル期の初期は、オーバーサイズでルーズなシルエットのソフトスーツなどの特徴的なスタイルが流行。1991年のバブル崩壊以降は、街頭で1980年代末に登場した「渋カジ(渋谷カジュアル)」や「ギャル系」「裏原系」「ストリート系」などのテイストが広く浸透したことで、オフィスにおける着こなしもカジュアルになり始めたという。安室奈美恵やトレンディドラマの出演者たちの髪型を真似た女性の茶髪や男性のロングヘアーなど、ヘアスタイルの多様化もこの時期から見られるようになった。
 就職氷河期は、カジュアルフライデーやクールビズの促進など、行政や企業側が働きやすい服装で勤務することを推奨したことに加え、2007年の男女雇用機会均等法改正を機に女性社員の事務服の廃止が進んだ結果、女性のカーディガンスタイルやストッキングなしでのパンプスおよびミュールサンダルの着用といった着こなしが増加。男性では、スーツとネクタイのオーソドックスなスタイル以外のジャケットとパンツの組み合わせが一般化したほか、当時の「ディオール オム(DIOR HOMME)」が提唱したスリムなスタイルやお兄系ファッションなど街頭の流行の影響を受け、細身のスタイリングが台頭した。
 人生100年時代においては、働き方の多様化や転職が一般化されつつある状況を受け、企業ごとの着用ルールがさらに緩やかになった。スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)やマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)など名立たる企業のトップがパーカやデニムなどのカジュアルスタイルを好んで着用していることが影響し、ITやベンチャー系の企業を中心にラフなビジネススタイルが浸透。デニムやリュック、スニーカーでの通勤も珍しくなくなった。女性においては、ライダースジャケットやガウチョパンツといったトレンドを取り入れたスタイルが増加。オフィスとオフスタイルの隔たり解消されつつあると分析した。
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