西武鉄道001系「ラビュー」新型特急車両に試乗、優雅な走り味わう

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2019年02月16日 07:01  マイナビニュース

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西武池袋線沿線の人たちは、小手指車両基地にある銀色で先頭が球形の電車を見て、「あれは何だろう」と思った人も多いかもしれない。新型特急車両001系「Laview(ラビュー)」だ。すでに試運転も行われ、3月16日のダイヤ改正から営業運転が始まる。

沿線住民をはじめ、多くの人々の熱い眼差しを注がれる「ラビュー」の試乗会が2月14日に行われ、小手指車両基地から池袋駅まで走行した。同日に行われた内覧会に続き、試乗会も多数の報道関係者らが乗車。ユニークな新デザインの車両に対する関心の高さに、鉄道ファンのみならず多くの人々の期待が集まっていることを感じさせられた。
○■色鮮やかな黄色の座席、窓ガラスに工夫も

小手指車両基地のバラストを踏みしめ、備えられた急角度のステップを昇り、「ラビュー」の車内へ。センサー式の自動ドアにタッチし、客室内に入ると、色鮮やかな、西武の色である黄色の座席が飛びこんできた。これまでの「ニューレッドアロー」あるいはJR各社の新幹線などと違い、包み込むような座席が新しさを感じさせる。床にはじゅうたんが敷き詰められ、足音を吸収してくれそうだ。

座ってみると、座席はやわらかすぎず、しっかり体を支えるという感じで、池袋駅から西武秩父駅まで全区間乗り通しても疲れを感じさせない印象だった。乗客のプライバシーを大切にするスタイルの座席といえるかもしれない。

「ラビュー」は膝下まで外から見えそうに思えるほどの大型窓も特徴。この窓には水玉のような模様のコーティングがあり、窓の下部が外から見えにくいように工夫されている。それでいて、光は足もとまで注ぎ込まれる。窓ガラスは熱線吸収ガラスとなっている。大きなカーテンもあり、最近の特急列車によくある上から降ろすタイプではなく、横に引くタイプのものである。このタイプのカーテンに優雅さを感じる。

背中を座席に押しつけ、軽くリクライニングしてみる。すると、窓側の肘掛けも一体となって動き、そっと右腕が持ち上がり、楽になる。

2つの席の間に設けられた肘掛けは広く、リクライニングと同調して動かない。肘掛けを持ち上げることはできないが、その代わり、小さなテーブルがその肘掛けに収納されており、ちょっとした飲みものなどを置く際に適している。そのテーブルの下には、スマートフォンやパソコンの充電にちょうどいい電源コンセント(AC100V)がある。充電する際、小さなテーブルの上にスマートフォンを置くと便利だ。

車内でインターネットを利用したい場合に備え、「SEIBU FREE Wi-Fi」も提供。小さなテーブルの上にスマートフォンを置く場合には、ドリンクホルダーに飲み物をセットすると良い。ノートパソコンを使っての作業や弁当を食べる際、前席の背面に備えられた大型テーブルを利用できる。
○■なめらかな走りから高架線のスピードへ

「ラビュー」は13時25分、小手指車両基地を出発。走り出した際の動きがなめらかだ。乗った車両が付随車だったからということもあるだろうが、振動を感じさせない。小手指駅から池袋線に入り、所沢高校の横を通る。

13時41分には所沢駅を通過。その後、大きなカーブにさしかかり、窓側の座席からだと先頭車両がよく見える。最高速度は出せないまでも、低速での走りにも余裕があり、これまでの車両とはまったく違うという印象を受ける。

大泉学園駅を過ぎると高架区間に入り、石神井公園駅から練馬駅まで複々線となる。この区間は車窓の眺めが良い。スピードも出るようになった。高速運転をしていても、走りの優雅さに変わりはない。窓から見える住宅街の風景のスケールの大きさは、この車両の大きな窓だからこそ味わえるものだろう。進行方向右側の窓から見る複々線は、都市路線ならではの迫力を感じさせる。

練馬駅で複々線区間が終わり、地上区間に戻った江古田駅あたりから再びスローな運転をするようになる。このあたりもカーブが多く、先頭車両の動きがよくわかる。そればかりか、対向列車とすれ違う際には、反対方向を走る列車の下のほうまでよく見える。「ラビュー」の特徴である窓の大きさがあってこそだろう。
○■「ラビュー」が「思いをつなぐ集大成」に

もうすぐ池袋駅に着こうとするころ、30000系「スマイルトレイン」やレストラン列車「52席の至福」に触れ、これまでの西武鉄道による取組みの「思いを伝える集大成」として「ラビュー」が開発されたとの車内アナウンスがあった。新しい西武鉄道のフラッグシップトレインとして、西武鉄道を快適にしようという取組みの集大成として、この車両は登場することになる。

「ラビュー」は14時8分、池袋駅7番ホームに到着した。このホームの奥に特急ホームがある。営業運転が始まれば、この駅から秩父方面へ向かう多くの人たちが、新しい特急車両に期待を抱きながら乗車することになるだろう。(小林拓矢)

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