限定公開( 29 )
周囲の子どもを見ていて、ふと「うちの子、他の子よりママ(私)にべったりかも…」と気づくことはありませんか?
せっかく出かけても、ママにしがみついて離れないわが子に困ってしまうこともありますね。
そこで今回は教育コンサルタントで、教育業界に10年以上携わっている2児のママの佐藤さんに、“ママべったりっ子”と“自立する子”についてお話いただきます。
赤ちゃんは、生後5〜6ヶ月頃には人の顔を少しずつ区別できるようになるため、知らない人に会うと不安がってよく泣く人見知りが始まります。(※1 )
いつも一緒にいるママが安心の居場所であることから、この頃からママを強く求めるようになるのではないかと思います。
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ママは一日中、子どもから付きまとわれてしまい、家事が進まず気も休まらず、大変に感じる頃かもしれません。保育園や幼稚園の玄関で大号泣され、なかなか離れられないということもありますね……。
1歳を過ぎると「自分で!」という自立心が芽生えてきて(※1 )、幼稚園に入る3〜4歳頃には園の先生から「自分でできることは自分でやりましょう」と促されるので、自立心が強くなっていくようです。
つまり、ママにべったりという状況は個人差はあるかと思いますが、人見知りが始まってから4歳前後まで続き、就学に向けて徐々に落ち着いてくるのが一般的と考えられるのではないでしょうか。
幼児期の自立とは、食事や排せつなど基本的な生活習慣が身についているという“身辺自立”と、ママがいなくても耐えられる(ママが戻ってくることを理解している)という“精神的自立”がメインとなるとされています。(※2 P1-2)
筆者の周りでは「男の子のほうがママにべったりだわ!」という話も聞きますが、男の子と女の子、どちらがべったりになりやすいかの学術的な統計はありません。
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特に精神的な自立では、“ママが一度いなくなっても戻る”ということが分からず、不安で泣いてしまうようなのですが、“ママはいつも側にいる”ことが理解できるようになると、徐々に自立していくという考えがあるようです。(※2 P2)
大切なことは、子どものペースに添って、依存(甘え)と自立(できることをやらせる)させることで、無理に自立ばかりを促しては逆効果にもなるかもしれませんね。
子どもが「自分でする!」と言ったことは積極的にさせる一方、「やって」と甘えてきた場合は、その時の子どもの気持ちをママが受けとめ、手助けする受容の姿勢も求められているのですね。
(1)チャレンジ精神をあおる
筆者が3歳の子どもにやっていることは「自分で靴下をはくのは難しいよね。年長さんでも大変なことだよ。○○ちゃん、できる?」という感じで、背伸びした言い回しでチャレンジ精神を盛り立てる促しです。
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子どもの気分にもよりますが、「靴下はいて」と上から指示するよりも、やる気を出してがんばってくれます。簡単なお手伝いもオススメです。
(2)ママ以外の人と「待つ経験」をさせる
筆者の周りには母子分離をはじめ、上手に自立を促しているママ友がいます。
そのママは公園でママ友に30分だけ子どもを見ていてもらうという、自分のママ以外の人と待つ経験をさせていました。
その間に自分は買い物を済ませ、子どもが泣かずに待てたら「ちゃんと待てたね〜。」と褒めてあげていましたよ。
もちろん、預かってもらうママとの関係性を踏まえて、事前に相談を行った上で慎重に行う必要がありますが、待つことができた経験は子どもにとっても自信がつくのではと筆者は思います。
(3)過干渉にならず、そっと見守る
児童館などで見かけるのですが、子どものやることなすことに「○○だね」「こっちは△△だね」と声を掛け、手出しをするママがいます。
子育てに一生懸命な反面、度が過ぎると子どもをレールの上に乗せてしまい、ママに言われたことしかできない子どもになる可能性があります。
危険がなければそっと見守ることも大事です。
成長ペースの違いはあるにせよ、いつかは子どもが自立します。
“ママべったり期”は大変ですが、子どもの気持ちに寄り添いながら無理なく自立を促せると良いですね。
(2017年10月3日の記事を再掲載しています)
【参考・画像】
※1 育児新百科 最新版オールカラー―月齢ごとに「見てわかる!」 (ベネッセ・ムック たまひよブックス たまひよ新百科シリーズ) – Amazon
※2 「幼児の自立としつけについての親の意識」佐々木宏之『明星論叢 第57号』新潟中央短期大学
※ 9nong、George Rudy / Shutterstock
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