東京オリンピックでヤクザが自粛!? 元極妻が考える、過去の「イベント休戦」

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2019年02月17日 19:02  サイゾーウーマン

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サイゾーウーマン

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今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

■五輪に向けて、銃器使用を自重

 関東の主なヤクザ組織が加盟する団体が、関係者にファクスで「五輪に向けて、銃器使用の自重を改めて要請」するとした通達を出していたと報道されましたね。

 報道によりますと、通達の内容は「発砲事件が相次いでいる」ことから、銃器使用の「自重」を求めていて、警視庁は「2020年東京五輪・パラリンピックを控え、暴力団側が警察の摘発強化を警戒していることの表れとみている」そうです。

 たしかに最近は、関東だけでも昨年暮れに東京・歌舞伎町の雑居ビルのドアに弾痕が見つかったり、1月には川崎と歌舞伎町で銃撃事件が起こったりしていますから、捜査の目も厳しいのでしょう。それにしても、まだかなりの数の銃器が国内にあるんですね。

■あの山一抗争時でも休戦が

 「ヤクザも自粛するんですか……」と編集者さんが驚いていましたが、実は以前から大きなイベントの時にヤクザが「自粛」することはありました。

 思い出すのは、山一抗争の時の1985年の「ユニバ休戦」ですね。この年8月の「ユニバーシアード神戸大会」を前に休戦が宣言されて、当時はけっこう話題になりました。元神戸市長の弁護士さんが仲介したといわれています。

 山一抗争は、竹中正久組長の四代目山口組組長襲名に反対した山本広組長代行が84年6月に離脱して「一和会」を結成したところから始まっています。抗争終結までの5年間で大小317件の抗争が発生していて、山口組側は死者10人、負傷者17人、一和会側は死者19人、負傷者49人、逮捕者は合計で560人に及んだそうです。街中での銃撃が中心ですから、警察官や民間人もケガをしています(数字は、飯干晃一著『ネオ山口組の野望』<角川書店>より)。こんな状況なのに「ユニバの時は休戦」という通達を出して、実際に2カ月も休戦したんですね。

 このほか2015年8月末に六代目山口組から神戸山口組が分裂した翌16年の「伊勢志摩サミット」に際しても、休戦の通達が出ています。警察の捜査もありますが、国を挙げてのイベントには協力しようと思える空気があるのかもしれません。

「人相風体のよくないのが銀座をウロウロしては、外国人(観光客)も薄気味悪いだろう」

 これは、六本木で東声会を率いていた町井久之親分の言葉だそうです。64年の東京オリンピックが開催される2カ月前にこう言ったと、報道にありました。それで、当時500人ほどの東声会組員を東北に疎開させる計画もあったのだとか。いや人相というか素行の悪いのが500人もイッキに来たら、東北だって相当困りますよね。実現はムリでしょう。

 この町井さんは在日で実業家としても知られ、韓国の選手を東京に招聘するのにかなりのお金を出したともいわれます。今回は暴力団排除条例のせいでダメですが、前回は町井さんほどではなくても、ヤクザにも「出番」があったと思います。もちろん公共工事やダフ屋などのシノギもありますが、そうではなく、純粋に「スポーツの祭典」として楽しめていたのではないでしょうか。

 もちろん前回の公共工事でも、ヤクザの組織としては堂々と関与はできませんが、景気もよかったので、それなりのルートで下請けとして参入できていたと思います。いずれにしろ最近はオリンピック会場周辺どころか、全国で「ガラの悪いおっさん」のテキ屋は絶滅危惧種なので、個人的にはちょっと残念です。もう少しゆるい社会の方が生きやすい気がします。

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