保育園や幼稚園などの集団生活が始まると、必ずどこかで出会う問題が“いじめ”かもしれません。
もし、わが子が他の子にいじめられて一人ぼっちで泣いているのを目撃したら、親としてどのような対応をすべきなのでしょうか。
今日は『グローバル社会に生きるこどものための−6歳までに身に付けさせたい−しつけと習慣』の著者で、日本と欧米の優れた点を取り入れたしつけを提唱している平川裕貴さんに、わが子がいじめられた時の親の対応についてお話しいただきます。
いじめにはいろいろなタイプがあります。
・からかわれたり、悪口を言われる
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・仲間外れにされたり無視される
・持ち物を取られたり、隠されたりする
・たたいたり蹴ったり暴力を振るわれる
小学校や中学校で起きるいじめのような大問題にはならなくとも、保育園や幼稚園でも小さな意地悪は日常茶飯事にあります。
親としては、他の子たちからこのような仕打ちを受けて悲しむわが子の姿を見るのは辛いものです。
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こんな時、相手の子を叱り飛ばしてでもわが子を守ってあげたくなりますが、親が前に出て、守りかばってあげることが、果たして子どものためになるのでしょうか?
たしかに、その場でのいじめは回避できることでしょう。けれど、いつも親がそばにいられるわけではないのです。むしろ親の目の届かない所でいじめられることの方が圧倒的に多いのです。ですから、すぐにわが子を守ったり、かばったりするのは得策ではないように思います。
では、子どもがいじめられた時、親はどうしたらよいのでしょうか?
結論から言うと、子どもがいじめられていても特に何かをする必要はないでしょう。すぐに何かをするより、冷静に少し離れたところから見守ってあげた方がよいでしょう。
なぜなら、子どもの精神力を強くする絶好のチャンスでもあるからです。
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幼児期のいじめや意地悪は、精神的にも肉体的にも幼く、物事の良し悪しの分別がついていないことが多くそれほど陰湿ではないため、子どもがいじめに対する抵抗力をつけための経験にもなると筆者は考えます。
もちろん、それが明らかに陰湿ないじめであり、子どもの身に危険があるなどの場合は別です。子どものSOSサインを受け取り、親としてきちんと助け船を出しましょう。
いじめや意地悪は、世界中であります。子どもの世界だけでなく、分別のある大人の世界でも日常茶飯事です。残念ながら、これは完全には防ぎようがありません。
ですから、幼児期に親がすべきことは、いじめから遠ざけて守ることではなくて、“いじめに負けないような精神力”をつける手助けをすることだと思います。
仮に子どもが親に助けを求めても、「やられちゃったね」「辛かったね」とまずは共感してあげましょう。子どもは意地悪をされて悲しい思いをすることで、相手の心の痛みもわかるようになり、いじめがよくないことだと認識します。
筆者はしつけに欧米の優れた点も取り入れることを提唱していますが、欧米ではいじめに対する考え方が日本と正反対です。
日本では、なぜか“いじめるのも悪いけど、いじめられた方にも原因がある”と思われがちです。そのため、本人も「何かいじめられるようなことをしてしまったのだろうか…」と自分の中に原因を探して悩んでしまうのです。
一方欧米では、周りの人達はもちろん、いじめられた本人も“いじめた方が悪い”と考える人が圧倒的です。いじめるような人間は、マナーがなっていない失礼なヤツだと考えるわけです。
どんな理由があろうと、人をいじめるのは良くないことです。もし気に障るようなことがあるのなら、ネチネチいじめたりせずに、正々堂々と意見すべきなのです。
ですから、もし子どもがいじめられたとしても、ほとんどのケースでお子さんは悪くはないでしょう。親が子どもを信じて、「精神力を鍛えるいい勉強ができた」とデンと構えて、温かいまなざしで子どもを見守ってあげるとよいのではないでしょうか。
【参考・画像】
※ 平川裕貴(2014)『グローバル社会に生きる子どものための – 6歳までに身に付けさせたい – しつけと習慣』(ギャラクシーブックス)
※ ArtFamily、 EvgeniiAnd、 zhukovvvlad / Shutterstock
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