汚れた下着、オムツの持ち帰りに激怒するママも……トイレトレーニングめぐる保育園との衝突

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2019年02月20日 15:22  サイゾーウーマン

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サイゾーウーマン

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保育園、幼稚園、小学校、おけいこ事の教室などでは、日々子どもの保護者と施設側の間でトラブルが発生している。ほんの些細なことでも、自分のこと以上に気になってしまうのが親心というものなのか。わが子のことを思ってとクレームを入れるママもいれば、モンペと呼ばれることを恐れて我慢するママも。そんなトラブル事例とママの葛藤をつづる。

 幼児を持つ親にとって、おむつを外してトイレで用を足せるようにする“トイレトレーニング”は、育児の中でも難関の一つである。思い通りに進めることができずにイライラしてしまうのは、親共通の悩みといえるだろう。働く女性が増えた今、0歳児から子どもを保育園に預けることが珍しくない中、トイレトレーニングをめぐって、保護者と保育園の間でトラブルも発生しているという。今回は、公には語られにくい、幼児の排泄にまつわるエピソードを紹介する。

 都内にある認可保育園で働いている敦子さん(仮名)は、子どもたちのおむつが取れる時期について、昔よりも遅くなってきているように感じるそうだ。

「私が保育士として働き始めた10年以上前は、2歳児クラスに上がる前の1歳9カ月くらいでおむつが取れている子もいました。でも今の園では、トイレトレーニングを始めるのは2歳クラスに上がってからなんです。2歳とはいえ、誕生日が早い子と遅い子ではかなり成長も違うのに、保育士が少ないため個別に進めることができない状況。うちの園でのやり方は、基本的には日中はおむつで過ごしつつ、保育士の方から排泄を促して、決められた時間にトイレに連れて行っています。便座やおまるに座っておしっこの感覚をつかむのが目的なのですが、園児によっては、保育士から指示されたタイミングで排泄ができず、いつまでもおむつが外せない子もいます」

 このように、一斉で行うトイレトレーニングでは、言葉の発達が遅いために尿意を伝えられない子どもや、排泄そのものを我慢してしまう子どもが出てくるという。

「トイレトレーニングを自宅で行うのが面倒くさいといって、家ではおむつで過ごさせ、園に任せっきりの保護者も結構います。長期休暇などがあると、せっかく保育園ではパンツで過ごせたのに、家でおむつ生活を続けていたことで、また元通りというケースも多いです」

 トイレトレーニングはあくまでも育児の一環であるため、保護者が自宅で教えるべきだと考えている保育園側と、日中の大半を過ごす保育園でトイレトレーニングを行ってほしいという保護者……そんな価値観の相違がみられるという。

 認証保育園に3歳児になる娘を通わせている優紀さん(仮名)も、トイレトレーニングは保育園でやってもらいたいと考えているという。

「うちの子は、『明かりが暗いから』という理由で、家のトイレを怖がるんです。一人で便座に上がれるように踏み台も買ったのですが、脚が床に届かないので、またがって踏ん張ることができず、まだ家で排便の成功はありません。保育士さんは『成功体験を積み重ねることが自信につながる』と言うのですが、家のトイレだとどうしても失敗してしまうんです。保育園には子ども用の低い便座があり安全なので、まずは保育園で完全にできるようにしてほしいと思っています」

 有紀さんは共働きで忙しく、なかなか自宅でのトイレトレーニングに本腰を入れられないという。休日や家では娘をおむつで過ごさせている。

「休み明けの登園などは、トイレで排泄するのがうまくいかずによく失敗しているようです。保育園から、汚れたパンツや衣服の入ったビニル袋をよく渡されます。最初、ビニル袋がロッカーの上に置かれていたので、うちの子が失敗したのが周りに丸わかりでした。園に抗議を入れると、手渡しに代わりましたが、正直不満はほかにもあって……。娘がお漏らしをすると、保育士さんが軽く水洗いをしているそうなのですが、たまに匂いがあるんです。園からの帰りにスーパーに寄ったりもするので、できれば汚れ物は園で洗ってもらいたい。保育園にも伝えたのですが、『衛生上、水洗いしかできない』と断られてしまいました」

 0歳児を無認可保育園に預けている博美さん(仮名)は、「使用済みおむつを持ち帰らなければならないのが苦痛」と語る。保育園がある自治体によるが、使用済みのおむつをビニル袋などに包んで渡される園もある。その日にどのような排便をしたか確認できたり、使用枚数を把握できるメリットもあるが、大半は可燃物の日まで家で置いておかねばならず、おむつの処分に困るという。

 トイレトレーニングは、おむつだけに留まらない。男児の場合、立った状態で排尿する方法を教えなければいけないが、最近は、それを教えない保護者も少なくないといい、そのせいで、トラブルが発生するケースも。小規模保育園で働いている相川さん(仮名)は、こう語る。

「最近は、掃除が面倒という理由で、家のトイレでも座って排泄をさせるママが増えていています。うちの園には、いわゆる“立ちション用”の便器がないのですが、この前、課外活動で小学校の校庭を借りた際、その小学校のトイレには和式トイレと立ってする用の便座しかなく、座った状態でしか排泄をしたことがなかった男児が、うまくできずに泣いてしまったんです」

 立った状態での排尿をうまく伝えられないママさんの場合、小学校に入学してからトイレ問題で困るそうだ。また女児でも、家や保育園に洋式トイレしかなかったため、和式トイレを見て驚いた子もいたという。この園では、小学校入学に向けて、和式トイレや立った状態でも排泄ができるよう、保護者に指導することにしたそうだ。

「ただ、保護者の反応はいまいち。排泄に関するアドバイスをしても、『保育園で練習用の小さな立ち便器を購入してください』と言ってきたり、保育園のトイレを和式に改造できないかというママもいました。あるママから、『トイレトレーニングは、保育園で全部対応してもらえると思ってた』と言われたときは、ちょっとカチンときましたね……そういった方たちは、結局、駅や公園まで出向き、和式トイレや立ってするトイレで練習したそうですが」

 排泄はデリケートな話題なので、園側も保護者に言いづらい部分があるという相川さん。息つく暇もなく働いていている多忙なワーママたちが、トイレトレーニングを園に任せたい気持ちもわかるが、子どもが自力で排泄ができるようになるために、在宅時のトイレトレーニングのフォローは必要不可欠なのかもしれない。
(池守りぜね)

このニュースに関するつぶやき

  • 自宅でトレーニングする時間が取れないんでしょう?保育園側で代わりにトレーニングのサポートしてくれてるのに文句あるとか、理解出来ない…
    • イイネ!2
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