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猫と住むため「事故物件」に… 41歳女性の快適な選択とは?

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2019年02月22日 11:41  AERA dot.

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写真猫が飼える賃貸物件を探し続け、たどり着いたのは…(写真:getty Images)
猫が飼える賃貸物件を探し続け、たどり着いたのは…(写真:getty Images)
「ペット可だけど猫はNG」という賃貸物件は結構多いらしい。都心で好条件の部屋にネコと住むため、事故物件を借りたという人まで。「#猫の日」だから考えたい。猫との生活の現実とは。

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*  *  *
「猫とそれなりの部屋に住むためには、何かを大きく妥協するしか無いんです」

 東京都内に住む女性(41)はそう話す。猫を飼い始めたのは10年前。小さなころからずっとネコと一緒に暮らしてきて、猫がいない生活に「禁断症状」が出始めたからだった。公園で拾った猫と住み始めた最初の部屋は、明らかに傾いていた。しかもベランダのガラス窓が勝手にカラカラと音をたてて閉まる程……。それでもそこそこの広さがあり、駅近の猫可賃貸は希少。契約更新まで住み続けた。

 仕事の転勤で東京に引っ越すことになり、そこでも苦労した。駅近だと学生向けアパートのような、手狭なワンルームしか残っていない。しぶしぶ決めた部屋は、最寄り駅から徒歩20分。内見中に「最初に見た物件はいま決まりました」と不動産屋に揺さぶりをかけられたが、猫可物件はそこそこの条件でもすぐに決まってしまうのが現実。即決した。仕事でヘトヘトになって帰る玄関先で、あの子が「にゃー」と迎えてくれる暮らしは、何物にも代え難い!

 住み始めてからも定期的に不動産屋に通い、物件探しを続けていたが、店員たちは

「ちょっと今は(空きが)出ていませんね」
「猫を飼うと相場より2、3割は家賃が高くなるんですよ」

 そう言って煙に巻こうとする。大家さんに隠れて飼ったりしたら、ご近所トラブルに発展したり、発覚して退去させられたりしても次に行くところが無い。だから「猫可物件」にこだわった。

 数年後、彼氏と住むため少し広めの部屋を探そうとしたら、さらにハードルは上がった。

 2人で訪れた不動産屋で「無い」と一点張りの店員に、彼氏がしびれを切らした。

「無いはずは無い」
「明日、別の不動産屋で契約するからもう一回探して」

 その言葉に押された店員が1枚の資料を取り出し、渋い顔でこう口にした。

「ただ、ご説明が……」

 ピンときた。ああ、事故物件か。強盗だとしたら、防犯面で問題があるマンションと考えられ、また狙われると困る。でも病死や自殺なら、私たちにも猫にも関係ない。

「強盗ですか? そうじゃないなら自殺か怨恨ってことですね」

 聞くと同じ建物の別の階の部屋で、2件の“事故”が起きていた。部屋が違うからなのか詳細は教えてくれなかったが、後でネットで調べてみると、飛び降り自殺が1件と怨恨と思われる殺人事件が1件ヒットした。内見しても違和感は無い。それどころか猫が大好きな日当たりの良い広々した部屋。そこに決めた。

 不動産屋の店員が契約内定を電話で事務所に伝えると、先輩らしき人の驚いた声が電話口から漏れ聞こえてきた。

「あんた、アレ言ったの!? 2件だよ、2件!!」

 絶対に決まるはずのない物件だと思われていたのだろう。しかし、女性はあっけらかんと言う。

「事故物件でも私にとっては全然問題が無いんです。夜中に変な音とかもしないし、猫も私たちも元気に暮らしてる。お隣りさんも犬や猫を飼っているから、毛が生え変わる時期もお互い様。すごく快適です」

 不動産・住宅サイト『SUUMO(スーモ)』を運営するリクルート住まいカンパニーによると、首都圏(東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県)の賃貸物件数は186万4千件(2月18日現在)。そのうちペット飼育可の物件は約15%、28万2千件だった。

「10年ほど前から、賃貸でもペット可の物件は増えてきていますが、猫が飼える物件はまだかなり限られています」

 そう話すのは、さくら事務所の不動産コンサルタント、土屋和馬さんだ。

「ペットが飼える物件のうち、半数以上は猫NGと考えていいと思います。最大の理由は爪とぎ。部屋の障子や襖、壁紙でもつめとぎをしてしまうので、犬などほかの動物と比べても補修費がかなり高額になってしまうのです。さらに、大家さんにとっては退去後に敷金の返還額などで賃借人ともめたり、交渉したりする可能性があるということ自体も手間に感じ、事前に避けようとするわけです」

 希少な物件に出会えたとしても、猫飼いたちの受難は続く。冒頭の女性が言われたように、敷金や賃料が通常よりも高額に設定されるというのだ。

「敷金・礼金は1カ月ずつというのが一般的ですが、猫を飼うと敷金はさらに1〜2カ月分が課されることが多い。大家さんとしては原状回復費用を賃借人から取れない場合を考慮して、高ければ賃料が1万円ほど上乗せされるケースも見られます。ただ、賃貸物件の空室が増えているという現状もあり、ほかの物件と差別化するために『猫可』をアピールする大家さんも今後は増えてくるのではないでしょうか」(土屋さん)

 冒頭の女性も、猫不可だったはずの両隣りの賃貸マンションで飼い猫を見かけることがあるという。

「コンビニには必ず猫砂が置いてあるし、飼っている人は結構いると思うんです。それなのに、こんなに物件が少ないのはおかしい。もっと条件の良い部屋が増えてほしいと思います」

 人を癒やし、たくさんの生活を支えている猫たち。その暮らしがもっと自由で快適であってほしい(AERA dot.編集部・金城珠代)

このニュースに関するつぶやき

  • 俺は自分の家を事故物件にしてやろーかと思ってましたwwww意味わかるよな常軌を逸した超絶非モテで、しにたく成りましたww今思えば、バカみたいな話ですね。考えてるだけの男性は、がんばりましょう
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  • 上岡龍太郎の「霊なんてものが存在するなら、アメリカ人のバースが広島球場でホームラン打ちまくるはずがない」って発言を聞いてから、そういうものは気にしなくなりました。
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