声優・立花理香、ソロデビューミニアルバム『Flora』全曲解説

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2019年02月23日 06:12  マイナビニュース

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●のんべえ立花理香の歴史
2月28日発売のミニアルバム『Flora』でアーティストデビューを果たした声優の立花理香。

今回、アーティストデビューを迎えた彼女にインタビューを実施。アーティスト面についてはもちろん、彼女がタレントから声優に転向した理由、大好きなお酒やアイドルの話など徹底的に聞き「立花理香の魅力」を余すところなくお伝えする。

○▼自分へのご褒美と、お酒

――以前、アーティストデビューをした自分へのご褒美を考えていると言っていましたけど、結局何になったんですか?

そうなんですよ! これから頑張ろうという自分へのご褒美に、はじめてイヤモニを買ったんです。これまでのイベントではレンタルというか、会場のものを借りていたんですよ。でも、アーティスト活動をしている方が自分の耳の形を取ってイヤモニを作っている方がいて、それが格好良くて憧れだったんです。

――もうすでにイベントではマイイヤモニを付けて?

はい! 別作品のイベントで着けて歌ったんですけど、ドキドキしました。やっぱり愛着が湧きますよね。スタッフさんにも「私、マイイヤモニをはじめて使うんです」と言ったら、「よかったねえ」って言ってもらって(笑)。機材調整をしているときも「うちの子大丈夫ですか?」みたいな。

――すみません、実はご褒美って、てっきりお酒絡みかな……と思っていたんですよ。真面目なご褒美でした。

いやー、みんなそう思っていただろうなあ(笑)。私もたまには格好つけるんですよ。でも、晩酌は毎日しています。飲まない日はないんですけど、さすがにアルバムのレコーディング前日は禁酒していました。

――最近マンネリ気味だった晩酌が、アテを変えたら楽しくなったと言っていましたね。クリームチーズの味噌漬けとか。

そうそう、そうなんです。昔はビールにポテチが大好きだったんですけど、最近は日本酒に合うおつまみを買うだけじゃなく、自分で開発することが増えました。最近はお漬物を漬けています。大根ときゅうりで飲んでいて、お酒を愉しんでますね。

――結構前に「豪遊するぞ」と言って、セブン-イレブンのねぎ塩豚カルビ弁当とか焼き鳥盛り合わせを買いまくってたのが印象に残っています。

ねぎ塩豚カルビ弁当めっちゃ美味しいんです! ときどきリフレッシュしたいなってときはカロリーを気にせず、コンビニやスーパーの商品を好きなだけ買って帰るんです。そういう日はビールに日本酒にハイボールに……いろいろ飲みますねえ。

――お酒はいつごろから飲み始めたんですか?

20歳か21歳くらいのときかなあ。大学のゼミの先生がお酒が強い方で、しかもこれがまた美味しそうに飲むんですよ。それで飲んでみようかなって。

――最初はどういったものを?

甘いものばかりでしたね。カシスオレンジとか。

――ずっと日本酒やビールを飲んでいるイメージがありました。いつごろからシフトしていったんですか。

21歳くらい……?

――はやい……。

甘いものを飲んでいたのは最初の1年くらいでしたね。ビールはずっと苦いものだと思っていたんですけど、夏の暑い時期にビアガーデンでビールを飲んで、「くうぅぅ〜〜〜〜!」って。

――飲み歩きとかも?

いまは家で飲んでばかりですけど、昔はひとりで飲みに行っていましたね。昼間から浅草のホッピー通りで、もつ煮を食べつつお酒を飲んで……幸せでしたねえ。行っていたのは平日の昼間だったんですけど、結構人がいて賑やかでした。

○▼いまのお酒気分は?

――イベントとかも行かれます?「オクトーバーフェスト」とか。

行きます! 東京に住んでいるいとこのお兄ちゃんと一緒に! ビールをたらふく飲んで、ソーセージを食べて、あとムール貝の酒蒸しがめちゃくちゃ美味しくて最高でした。青空の下で飲む、こんな贅沢ないですよ。

――直近だと3月10日から始まる「にいがた酒の陣」とかもありますね。地方のお酒イベントとかも行かれます?

詳しい〜。新潟だと駅前すぐにある「ぽんしゅ館」とか、広島の西条で開催される「酒まつり」に行きたいですね。お酒のイベントだったら、泊まりじゃないとなので、なかなか難しくて。でも、今度九州に遊びに行こうと思っているので、そこで焼酎を飲むのが楽しみですね。

――ほんとになんでも飲めますね。

ちょっと前までは紹興酒が苦手だったんですけど、去年の秋にはじめて台湾でイベントをして、そこではじめて現地の紹興酒を飲んだらすっごく美味しくて! そこから飲めるようになりました。

――そこで気になるのはやっぱりお酒の失敗談ですが。

あー……。業界入ってすぐのころに、お仕事の打ち上げでいろいろな方とご飯に行ったんですよ。私はその場にいるのがどんな方かもまったくわからなかったんですけど、お酒を飲める声優が珍しかったみたいで「あれも飲みな」「これも飲みな」とたくさん飲ませてもらって、私も楽しくなっちゃって。そのまま飲んでいたら、テンション上がっちゃってお酒をこぼしちゃった方がいたんですよ。

――おー……。

私はもう楽しくなっちゃってるから、「すみません、てへってへっ」みたいな。そうしたら、そのこぼした方がたいへん偉い方で、次の日にマネージャーさんにまあ怒られて絞られましたね。その方には1〜2年後に再会して謝ったんですけど、「大丈夫だよ」と受け止めてくださって、「しかしよく飲むね」って。もう頭が上がらなかったです。

――飲み過ぎはこわいですよね。ちなみに、いま一番飲みたいお酒は?

え、うわー! なんだろう……一番……。ナウですよね?

――ナウアルコールです

うーむ……。いまは、しそハイボールですね。おつまみは、なんこつの唐揚げ! 揚げ物って家で食べられないので、外で食べたくなっちゃいますね。

●タレントから声優への転向
○▼忘れられなかった声優への夢

――「立花理香 お酒について語る」のインタビューは以上で、ここからは「声優 立花理香ができるまで」についてお聞きしたいと思っていまして。

はーい!

――立花さんはもともと関西でタレント活動をされていたので声優という職業とは縁遠かった。なので、現在に至るまでのお話をお聞きしたいと思っています。

大学院生だった当時、京都に住んでいたんですよ。そのときに、京都の四条河原町という夜のお店のスカウトが多い場所を歩いていたら、「お姉さんちょっと」って声をかけられて。素通りしようとしたら「怪しい仕事じゃありません」と言われて「これが怪しくなかったらなんなんだ」って感じじゃないですか(笑)。そこで「芸能の仕事です」と名刺を出されたんですよ。

――そこで話を聞いて?

はい。ちょっと試してやろうじゃないですけど、「この人はどうやって私を丸め込もうとするんだろう」と思って、話を聞きに行こうと。

――好奇心だったんだ。

不純な動機でしたね(笑)。

――立花さんは心理学を専攻していたので、そういうのが関係しているのかな。

そうかもしれないです。もともと人自体に興味はあったし、「自分だけは催眠術には引っかからないぞ」という根拠のない自信があったんですよ。なので「どう出てくるんだろう」と思って話を聞いていました。

――それでタレント活動をスタートして、声優という仕事にシフトしていったわけですけど、どういった気持ちの変化があったんでしょうか。

もともとアニメやゲームが好きというのもあったんですけど、小学生のときに新聞広告に出ていた声優養成所のイラストを切り取るのが好きだったんです。それはイラストがかわいいから集めていただけなんですけど、そのうち内容も読むようになって、そこで声優という仕事に興味を持つようになりました。実はそのとき、親に内緒で養成所に履歴書を送っていたんです。

――それは何歳くらいのときですか?

小学校高学年ですね。だから履歴書の書き方もわからなかったんですよ。「扶養家族の有無ってなに?」みたいな(笑)。返事も郵送で戻ってくるので、親に見つかったらまずいので、私が郵便受けをチェックする係になっていました。結局、二次審査の返事がきて、未成年の人は親の承諾書がないとダメだってときに、親に見つかってしまったんです……。

――そこで説得に?

当時は広島に住んでいたので、「東京の養成所に行くより、ふつうに進学したほうがいい」「本当に声優になりたいんだったら高校を出てからでもいいでしょ」と言われて……、私はすんなり受け入れられなかったんですけど。

――一度、声優から遠ざかってしまう。

はい。なんだかんだ勉強も嫌いではなかったですし。でも、そこでアニメやゲーム、声優から離れてしまいました。そしてタレント活動をするようになって、たまたま「好きなアニメについて語っていい」というラジオ番組をさせてもらって、やっぱり「声優になりたいな」って思ったんです。アニメやゲームは好きだし、自分でつくる側になったら楽しいんだろうなって。

――思い立ってから行動するまでは早かったですか?

すぐでしたね。京都と東京を往復して事務所を探していたんですけど、1年以内には決着がつきました。

○▼紆余曲折あったアーティストデビュー

――その後養成所に行って、声優として活動を始める。はじめての仕事ってなんでした?

とあるアプリのキャラクターボイスでした。収録するブースのなかには私ひとりしかいないので、どうしたらいいかわからなかったです。アニメだとブースの中に先輩たちもいるんですけど、もうどうしたらいいやら……、という感じでしたね。

――『アイドルマスター シンデレラガールズ』の小早川紗枝役はそのあとでしょうか。

はい。事務所に入るか入らないかくらいの時期にオーディションを受けさせてもらって、はじめて合格したのが『シンデレラガールズ』でした。それこそ当時は京都に住んでいたので、京都出身の小早川紗枝ちゃんはとはすごく運命的な出会いだと思いましたね。

――小早川紗枝もそうですけど、キャラクターソングを歌う機会も多いじゃないですか。もともと個人の名前を出して歌いたいという気持ちもあった?

いや〜、個人で歌いたいという気持ちはなかったですね。歌に自信があったわけでもないですし、あくまで声優として東京に出てきたので、キャラクターのために歌うのはうれしいんですけど、「自分として歌うのはどういう気持ちでやればいいんだろう」って。でも、今回のアーティストデビューのお話をいただいたときにはすぐ「やります!」って。それも好奇心でしたね。

――それは時期でいうといつごろ?

2017年の秋くらいですね。やると決めてからはすべてが早かったです。ちょうど秋にはじめてのファンクラブイベントを予定していて、そこで何かを発表したいと思っていたので「じゃあここでデビューを発表しよう」と。あと、私の誕生日が2月27日なので「その周辺にミニアルバムを出したいです」と圧をかけて(笑)。いろいろ間に合わせていただいたんですよ。

――今回、実際にレコーディングして、キャラクターではなく個人として歌ってみて気付いたことなどは?

キャラクターソングは作品の世界観やキャラクターの良さを引き出すという風に目的がしっかりしているんですけど、自分として歌うときは、何を目的にすればいいのかわからなくて、それが最初にぶち当たった壁ですね。

――どうやってその壁を乗り越えていったのでしょう。

歌詞を読んでいる中で、キャラクターとして歌うときやお芝居をするときの作業と似ている部分が多いなと気付いたんです。歌詞を読んだときに流れがわからない文があっても、最後まで見てみるとその理由に気付くこともある。ここに気付いてからはスムーズにになりました。あとは、楽曲ごとにキャラクター設定というか、目的地を設定して、そこに向かっていきましたね。

●大人っぽさとは?
○▼声優として腹をくくったいまだからこそ歌える楽曲

――ここからは楽曲についてお聞きしていきます。まずはミニアルバムのタイトル『Flora』という名前の由来から。

私は名前に「花」がついているので、花をモチーフにしたくて、スタッフさんと相談しながら付けました。「Flora」には花の女神という意味があるらしいんですけど……最初は「私が女神って」と(笑)。

――ファンクラブの名前も「Flower Cheers!」ですもんね。「花」に対してこだわりがあるのかなと思っているんですけど、お好きなんですか?

(小声で)それがまったく……。花心というものはまったくないですね(笑)。今回は全6曲それぞれ花や花言葉をテーマにして楽曲をつくってもらっているのに。全曲レコーディングが終わってギリギリで『Flora』というタイトルを付けたんですけど、改めて考えるとこのタイトルで良かったと思います。

――では1曲目の「REALISTIC」。クールめな楽曲で、どこか懐かしさを感じます。

この曲は最初にレコーディングをしたので、「どう歌えば良いんだろう」と変な色気を出す前でしたね。はじめて自分のために作っていただいた曲だったので、すごくうれしくて……! 歌詞も私をイメージして書いていただいたので、これは全力で歌おうと思って、ありのまま歌いました。

――表現したことがストレートにつづられているとおっしゃっていましたね。

はい。"期待して 何度だって傷ついてきた だからもう ふわっと夢なんか語らない"の歌詞が気に入っています。私がいま10代だったら、ふわっと夢を語っていたと思うんですよ。いまは地に足をつけて声優としてがんばっているんですけど、当時は学生をしながらタレント活動をして「この先どうしようかなあ」とふわふわしていた。声優として腹をくくったいまだからこそ歌える楽曲かなと思います。

――今回、初のMV収録だったと思いますけどいかがでした?

ほんっと楽しかったです! 廃墟みたいなところから始まってサビにいくにつれて鮮やかになっていきますよね。いっぱいのお花の前で歌っているシーンも、あれは金網にお花が咲いているので、ただきれいなだけではなく、力強さも残しつつというイメージなんですよ。顔を出してお芝居をするということはなかなかないので、そこも楽しかったですね。

――ダンスもキレキレでした。

もともと踊れる歌曲が欲しかったのでお願いしていたら、それがこの「REALISTIC」になりました。練習をしているときは良かったんですけど、実際に衣装を着てブーツを履いて踊ったら、思いの外ヒールが高くて(笑)。このヒールを履いたまま格好よく見せるにはどうしたらいいのかを考えながらレッスンをしていました。いつかライブでも踊るのかなと思います。

――2曲目は真っ赤なバラをイメージさせる「Flaming Rose」。

「Flaming Rose」は「REALISTIC」とはまた違ったベクトルの強さを出したかった楽曲です。レコーディングでは2番目に収録をしていて、一番壁にぶつかったときですね。「私が歌うには申し訳ないな」というくらい格好良い歌詞なので、どう表現するかをずっと考えていました。考えた結果、「赤いリップの女性が歌うんだったらしっくりくるな」と。小悪魔感だったり、女性的な強さだったりを出せたらいいなと歌っていきました。

――3曲目は「赤いアネモネ」。

ここではじめて弱さが出てきましたね。それと、懐かしい感じの楽曲は好きですし、入れたかったんですよ。

――「アネモネ」の花言葉は「はかない恋」「恋の苦しみ」「見捨てられた」ですけど、「赤いアネモネ」になると「君を愛す」になる。「赤い」があるだけで、ただ悲恋かと思いきや、すごく大人っぽい印象の楽曲になりますね。

作詞のSatomiさんは、裏の読みがいがある歌詞、想像するのが楽しい歌詞を書いてくださる方なんですよ。切ない曲ではあるんですけど、ストーリーが見えやすかったので歌いやすかったですね

○▼自分という軸

――続く5曲目の「Say Goodbye」。終わってしまったけど、記憶のなかにある「君」を思い出しているという楽曲です。

「赤いアネモネ」や「Say Goodbye」は、「ここをこうしたらエモみが出るんじゃない?」みたいな話をスタッフさんとしながら、曲を組み立てていきました。メロディだけを聴くと暗いというよりも、むしろさわやかな感じがしますよね。でも、歌詞を読むと未練やしこりがあるんだろうという。だけど日々は止まらないから、進んでいかなければいけないんですよね。次の「marguerite」もそうですけど、歌ってて楽しい楽曲でしたね。

――「marguerite」はポップなメロディと、花占いをするくらいだけど、"まるで少女みたい"という、絶妙な年齢の女性の曲になりました。

花占いがテーマの楽曲なので「ザ・かわいい」みたいな楽曲なんですけど、最後のほうの歌詞がすごく好きなんですよ。(小声で低音になりながら)"いつかはあなたに 言わせてみせるわ 私を好きだって 必ず"。圧を感じる……。これは良い性格してんなあって(笑)。

――ははは。そういえば2月の誕生花はマーガレットらしいですね。

あら、ありがたや。

――楽曲の主人公と立花さんは似ている部分はありますか?

うーむ。決して私はなれない感じの子ですねえ。だからこそ「こういうかわいい女の子いいなあ」という憧れを詰め込みました。まるで少女みたいな、そんな恋をしてみたいもんですなぁ……。

――えーと……。さ、最後の楽曲は「gradation」。「移ろい」「辛抱強さ」といった花言葉を持つあじさいをテーマにした楽曲です。

音の数が少なく、心地よい音色なので、歌っていて気持ちよかったですね。実は偶然にもミニアルバムの収録順とレコーディングの順番が同じなんですよ。むき出しの状態で歌った「REALISTIC」を経て「gradation」へとたどり着いたんですけど、「gradation」が一番素の状態で歌えた気がします。

――ライブで弾き語りをするようなシーンが浮かびました。

私はピアノをやっていたので、どこかのタイミングで弾き語りができればいいなと思っています。あと、バイオリンの音色も入っていて、好きな楽器を詰めていただいた私得な楽曲ですね。個人的にはカラオケバージョンが欲しいです!

――今回のアルバムに収録されている楽曲は、全体的に大人っぽいイメージが多かったです。立花さんが思う大人とはなんでしょう?

大人かあ、なんだろう。あ、大人の方がわがままだなって思いますね。子どものころと違って、ダメッて言ってくる人が圧倒的に少ないですよね。「大人のやりたいこと」って、やろうと思えばやれることが多い。その中で自分の軸がぶれないように……あ、いまからすごいかっこいいこというな私。(きれいな声で)だからこそ、自分という軸がぶれないようにすることが大事だなと、今回改めて感じました。

――いまぶれてませんでした?

だ、大丈夫なはずです。

――では、自分のことを大人だなと思った瞬間は?

20歳そこそこのころは、人が間違っていることをしたら「こうした方がいいよ」とはっきり言っていたんですけど、ここ数年は言わなくなりましたね。決してその人を見捨てているわけではなく、その人なりの正義があるんだなということがわかったんです。そこを考えることができる大人になれたんだなって。あとは、ひたすらお酒を飲んでると「大人っぽい」とか言われますね(笑)。いやー、好きでねえ……。

●一緒に咲けるように背中を押せたら
○▼なにかを伝えられるように歌わなければ

――声優アーティストって、いまとても定義が難しいジャンルだと思います。その中に立花さんは足を踏み入れようとしている。立花さんにとっての「声優アーティスト」とは?

歌の上手さだけで考えたら、本業の歌手の方がたくさんいますよね。そことは別に、自分がなにができるかを考えたとき、音楽周りのスタッフさんから、「声優さんが歌うときは、セリフと一緒で、ことばで伝えることに慣れている」と言われたことを思いだすんです。声優である私が歌をうたうにあたって、そこは忘れてはいけないと思っています。ただ音を出すんじゃなくて、なにかを伝えられるように歌わなければいけないなと。

――声優面とアーティスト面の両方持っているからこそ伝えられることがある。

でも、アーティストってアートをする人じゃないですか。今回、なにもしていないなあってのが自分のなかにあるんです。いつか自分で作詞をするなり、演奏するなり、そういう形でアートできたらいいなあと、次への燃料になりました。

――立花さんの最終的な目標は?

そうだなあ、紅白かなあ……。でかいなー……。でも最終的には、ソロで発見したことをキャラクターに活かしたいです。キャラクターソングにも還元できるかもですし、その逆もあるかもしれない。相乗効果で高めていきたいですね。

――そういった面をファンの方には今後どう届けたいのかなと。いま楽曲はあるけど、まだ披露してはいない(インタビューは2月)。そういうはざまの時期って貴重ですよね。なので、いまの気持ちを聞いておきたいです。

ラジオで少しずつ曲を流していると「誰だ誰だ」というコメントが出てきて、それくらい私を知っている方が今回はギャップを感じてくださっている。逆に今回私のことを知る人はしゃべっている姿を見たら誰だと思うかもしれない。そこが楽しいですよね。びっくりさせたいんですよ。

――今後立花さんのそういう姿を見るのはリリースイベントだったり、3月11日に開催されるバースデーイベントだったりで。

はい! バースデーイベントは絶賛組み立て中です。来てくださった方に楽しいと思ってもらえるのはもちろん、びっくりもさせたいので、いい意味で裏切れるような要素を入れたいですね。どうしようかニヤニヤしている状態です。

○▼荒野に咲く花……!?

――先ほどはお酒の話をしましたけど、立花さんはアイドルのDVDを観るのも好きじゃないですか。

大好きです!!

――アイドルのどういったところに惹かれるんですか?

みなさんすごいんですよ。ライブDVDを観ていても、全部いい意味で、CD音源通りってことはないんです。やっぱり生のほうが……あ、DVDなのに生って言っているの入り込みすぎてやばいですね。アイドルさんって「ファンの方がいるからがんばれる」というMCをする人が多いんですけど、たしかにファンの前だと常に笑顔なんですよ。そういうところを観ちゃうと、もっと応援しようって思いますよね。あと、かわいいのはもちろん当たり前なんですけど、そうではない格好いい曲もあって、格好いいパフォーマンスもするし、「この子たちこんな姿も見せちゃうんだ」って。アイドルさんって10代の子も多いので、この子たちががんばっているなら、私ももっとがんばらなきゃなって思いますよね。1曲踊っただけで汗だくってグループもありますし……。それからそれから……。

――立花さん!

はいっ!

――そんなにアイドルを好きになるきっかけってなんだったんですか?

なんだろう。でも、世代的にモーニング娘。ですかね。

――最近のイチオシグループは?

えー、聞いちゃいますー? いまは こぶしファクトリーですね。メンバーの入れ替わりもあったんですけど、新体制になってからコンサートで新曲を聴いたとき、彼女たちは精一杯の力で歌って踊ってパフォーマンスをしていて、応援しなきゃという気持ちがより強くなったんですよ。3月にも新曲が出ますしね。はまちゃんがねー頑張っているんですよ。

――立花さん!!

はい!!

――熱いアイドル愛、とてもよく伝わりました。なんでアイドルの話をしているかと言いますと、アイドルって自分たちにキャッチコピーを付けるじゃないですか。

あー、はいはい。あ、それか……。

――それです。立花さんはアイドルではなくアーティストとしてのデビューですけど、キャッチコピーを付けてみませんか?

私が考えるアイドルさんは、みんなにとっての光なんです。光があるからそこに向かっていきたいとか、がんばろうとか思えるんですけど、私はどちらかというとぬかるみ感がありません?

――そんなことはないですよ。

光が言う「がんばろう」とぬかるみが言う「がんばろう」は説得力とかメッセージ性が違う気がするけど……。「ぬかるみに咲く花」。なんか違うなあ。もっと荒れてるような、あ、「荒野に咲く花」でどうですか。西部劇チックで格好いい。

――それでは立花さんは「荒野に咲く花」として。

大丈夫かなあ……。

――ファンの方にとっては立花さんは光ですから。

そんなことないですよきっと。でも、光属性になれるようにジョブスキルを上げたいと思います。私はほかの声優さんのように特徴的なところもなく平凡なんですけど、平凡なりにやれるところまでやってみますので、ぜひライブなどにファンの方が来てくださった際には、一緒に咲けるように背中を押せたらいいなと思っています。

○▼立花理香デビューミニアルバム『Flora』

ミニアルバム+DVD
価格:3,000円(税抜)
CD収録内容
01.REALISTIC
02.Flaming Rose
03.赤いアネモネ
04.Say Goodbye
05.marguerite
06.gradation
DVD収録内容
REALISTIC MUSIC VIDEO
REALISTIC MUSIC VIDEO メイキング映像

○▼立花理香 Birthday event 2018 〜Flora〜 昼の部

日程:2018年3月11日
会場: 新宿ReNY
昼の部 開場 14:30 開演 15:00
夜の部 開場 18:00 開演 18:30(加藤大樹)

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