『MADE IN JAPANというだけでは、赤ちゃんの敏感な肌は守りきれません。』
これからは“MADE IN GREEN”という考え方が必要になってくるのではないでしょうか。
赤ちゃんが生まれると、肌に優しい安心なものを選びたいと思うママも多いのではないと思います。
筆者も、MADE IN JAPANや、オーガニックの素材が肌に良さそう!と思い、できるだけ選ぶようにしていましたが、それだけでは本物の安心安全ではないことを今回の取材を通して知りました!
ママの間で人気の洋服ブランド『プチバトー』や、抱っこ紐の『BABY BJORN』もエコテックス®認証の商品ということをご存じでしょうか?
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出典: It Mama(イットママ) 出典: It Mama(イットママ)
とても気になる「エコテックス®認証」、そして*サステナブルについて実際どういったことを意味するのか知らないことが多いと思います。
そんな「エコテックス®認証」の、日本で唯一の認証機関として知られるニッセンケン品質評価センターが開催するセミナーが、「東京インターナショナル・ギフト・ショー春2019 The 5th LIFE×DESIGN」にて開催されるということで、参加してきましたのでご紹介します。
テーマは【サステナブルへの日本の消費者意識と、先を行く世界の取り組み】
(*)サステナブル…持続可能であるさま。特に、地球環境を保全しつつ持続が可能な産業や開発など
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日本の消費者のサステナブルへの意識は世界からみるととても低い、という結果がエコテックス国際共同体の行ったリサーチで出ており、世界ではどのような問題と取り組みがなされているかなどをお話いただきました。
その中で、エコテックス®認証の最高峰の証明である「MADE IN GREEN」という認証もご紹介くださいました。
筆者が特に衝撃を受けたのは、エジプトやインドネシアの川が染色工場の排水によって汚染され、川がドロドロになった写真でした。
その川の近くで、100万人以上の方が生活をしていて、この川の魚を食べているのかと思うと
ぞっとしました……。
また、日本はMADE IN JAPANに対して過度に信頼しきっているところがあり、これは繊維製品に限らず、農産物などにも言えるとのお話がありました。
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山崎さんが、オリンピック開催に当たり、グローバル基準で求められる農法で栽培された作物を採用しようとしたら、ほとんど国産のものが使えないという結果になったそうです。
では、「MADE IN GREEN」という認証はどういったものなのでしょうか?
“MADE IN GREEN”が証明するものは下記の3つになります。
・有害物質に関してスタンダード100の基準をクリアしている
・環境を配慮した生産工場で作られている
・安全で社会的責任を果たす労働環境で作られている
タグの右下にあるQRコードを読み取ることで、スマートフォンやPCから、どの国のどの工場でどんな素材が加工されたのか、生産にかかわるすべてのサプライチェーンを確認することができるようになっています。
スタンダード100の基準にもとづき、従業員や環境に配慮した生産現場で製造されていることが証明された、これからの未来をクリーンにしていける認証であることが分かります。
MADE IN GREENの商品が世の中に広まると、環境も少しずつ改善され、働く人も買う人、着る人もみんなが幸せになり、いい循環が生まれるのではないでしょうか。
世界中の都市を出張や旅行で訪れている『FORZA STYLE』編集長(講談社)でファッションディレクター干場義雅さんは、世界の中からみた日本とその問題について、以下のようにお話いただきました。
日本製の製品は、取り上げられるイメージやものづくりに対してまじめに細部まで取り組む姿勢や職人技といった点などでも「品質がいい」「安心で安全なもの」というイメージがついていると思いますが、一概にそうとは言い切れないと思います。
もちろんきちんと考えられて作られているものも沢山ありますが、、
日本の規制は、他国と遜色なくきちんと法で線を引かれていると思っていましたが、ヨーロッパや中国などと比べても日本の安全規制の基準が低すぎる。これって国の問題ですよね?
サステナブルな考えのもと世界最高レベルの安全を保証するエコテックス®認証などを日本の企業もどんどん取ればいいと思います。
ヨーロッパでは、空港でもそうですがスーパーなどでもエコテックス®や他の安全性などを証明するマークを、たくさん見かけます。
かっこいい洋服を作っているのに、その工程が地球環境に配慮されていないものだったり、労働環境が悪い会社だとしたらどうでしょう。かっこ悪いと思います。問題だと思ったことを一人一人がSNSで発信すれば世の中絶対に変わってきます!
私の今日のスーツは、20年以上着ています。体型さえ変わらなければ一生着れます。
それは作っている人への敬意にもなるし、ものを大切にすること、いいものを長く使うこと(服育)を親が子どもに伝えていくことが大切だと思います。
エコテックス®の山崎さん曰く、エコテックス®で規制される有害物質の毒性は即効性があるわけでなく、発ガン性、変異原性、内分泌かく乱物質(いわゆる環境ホルモン)という何年も経過してから、人体へ影響を及ぼす毒性がほとんどだそうです。
「あの時のあの服が悪かった」という因果関係がつかみにくいということが、日本の企業でエコテックス®認証が取得されない理由、ネックになっている理由の一つに挙げられるようです。
モニター デロイト CSV/Sustainability Strategyの藤井麻野さんは、SDGs(*)への取り組みをふまえた企業戦略をされており、ご自身も1歳の娘さんのママでもあることから、お子さんが食べるもの・身に着けるものについて以前より気にするようになったとのことです。
また、妊娠をされた時、体調の変化もあって、肌に触れるものを過敏に感じたと言い、MADE IN GREENについては以下のようにお話をされていました。
子どもが着るものや触れるものは、長い年月をかけて身体に出てくるかもしれないので、個人的には将来に向けて安心安全な製品を意識して選びたいです。
ただ、安心安全のためには、生産工程を見直したり、認証取得でコストが掛かります。消費者もそのこと(安心安全のためにはコストが掛かること)を理解して、製品に見合った価格を払うような意識改革も必要なのではと思っております。
会社は環境にとって必要だと思っても踏み込めないことがあるので、消費者側の意識を変えることも必要です。
●SDGs(エスディージーズ)とは?
持続可能な開発目標(SDGs)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標。
(*)「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」
持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。
エコテックス®の山崎さんもお話されていましたが、自分だけでなくわが子や孫への影響を考えることはもっと先の未来をつくることにつながります。
ファストファッションなど、トレンドや可愛さ、安さで選んでしまうこともあると思いますが、
安心安全の素材、環境のこと、子どもたちのことを考えて、私たち一人一人がどういった選択をして、未来をつくっていくか、日々の生活の中で意識していくことが大切ですね。
【参考・画像】
※ MADE IN GREEN – ニッセンケン
※ 著者撮影
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