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東京五輪招致・贈収賄疑惑、JOC竹田会長の関与めぐり職員が証言…森喜朗氏リーク説も

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2019年03月03日 09:41  Business Journal

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写真JOC会長・竹田恆和氏(写真:ロイター/アフロ)
JOC会長・竹田恆和氏(写真:ロイター/アフロ)

「竹田さんの性格を一言で表すなら、“おぼっちゃん”ですね。職員を叱責したり、感情をあらわにしたりするようなところもない。育ちが良いためなのでしょうが、仕事をガツガツという印象も受けません。基本的には“下に任せている”というスタンスで、本当に今回の贈収賄事件の実務的なことは知らなかったと思いますよ。だから、竹田さんの会見の内容に嘘はないと思います。ただ、仕事ができるタイプでもなかったのは間違いないですね。良くも悪くも、会長という立ち位置を与えられた“お飾り”的な方ですね」


 これは、日本オリンピック委員会(JOC)職員によるJOC会長・竹田恆和氏の人物評である。


 東京五輪の招致活動をめぐる不正疑惑の渦中にある男は今、岐路に立たされているのかもしれない。


 竹田氏には、東京への五輪招致が決まる直前、日本円に換算して2億3000万円もの贈収賄事件に関与したとの容疑がかかっており、現在もフランス当局の捜査は進行中だ。


 1月15日に行われた記者会見では、記者に一切質問させずに退出したことが大きな話題になったが、そこで竹田氏は以下のような弁明を行っている。


「私自身は契約に関し、いかなる意思決定プロセスにも関与していない。最後に書類に押印しただけだ」


 だが、この発言に関しては懐疑的な声もある。職務放棄とも取れるこの発言について、組織の長としての責任や資質を疑う声が各メデイアで報じられたことにも妥当性があるといえるだろう。もっとも、竹田氏を知るJOC職員の発言からは、竹田氏のビジネスパーソンとしての基本的なスタンスも見えてくる。


「竹田さんは派閥を好む方で、自分の味方側なのか、敵側なのかという嗅覚が敏感です。それはマスコミ対応に関しても同様です。定期的に新聞社やテレビ局といったマスコミとの食事会をしていましたが、側近には『あの社は好意的だ』『あそこはダメだ』とこぼしていました。IOCの中でも、自分側の人間のことは、わかりやすく可愛がっていましたが、それでも反対派を露骨に不遇にするということはありませんでした。だから、JOCの中での会長評は、実はすこぶる良いんですね。内弁慶というか、内部からの評判は良いけれど、外には敵も多いというところでしょうか」(JOC職員)


●石原慎太郎元都知事&森喜朗元首相と対立


 そんな竹田氏の歯車が狂ったのは、ある出来事がキッカケだったという。それは、2016年の五輪招致の失敗にあるという。俗に言う「2016年東京オリンピック構想」だ。


 08年に行われたIOC理事会の第1次選考では、東京・マドリード・シカゴ・リオデジャネイロの4都市のなかで、東京はトップの評価を得ていた。ところが翌09年の第2次選考では、まさかの最低票に終わっている。


「それまでの竹田さんは、これといって失敗らしい失敗をしてこなかった。旧皇族という家柄の良さもあり、誰も竹田さんには意見を言いにくい雰囲気もあったと思います。ただ、石原慎太郎元東京都知事が中心となった五輪招致の際に、招致委員会副会長としての器が問われる結果となった。悪いほうにおぼっちゃま気質というか、事なかれ主義が出たかたちです。ガツガツと他国の代表と渡り合える器量がなかったと判断され、石原氏の怒りが爆発して、かなり厳しく叱責を受けたんです。それ以降、しばらく竹田さんはふさぎ込みがちになり、性格も以前より暗くなってしまったほどです」(前出・JOC職員)


 今回の贈収賄疑惑に関しても、前回の招致失敗を繰り返さないために先手を打ったという見方もできる。「東京五輪開催は、竹田さんの地道なロビー活動が実を結んだ面もある。だから同情の余地もあると思うんです」という、JOC職員の声にも少し納得できる部分があるのかもしれない。


 ただ、石原氏の叱責により、森喜朗・東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長との関係も悪化していくことになる。16年招致の際のトップである石原氏と昵懇だった森氏が、竹田氏に“無能”の烙印を押すのは必然だったのかもしれない。全国紙運動部記者はこう話す。


「招致委員会の全理事が全員退任したのに、竹田さんがJOCの会長を続けていたのも、石原さんは気に食わなかったようです。竹田さんがIOC委員に就任するなど、出世したことも面白くなかった。もともとソリが合わなかった竹田さんと、石原・森ラインは前回の招致失敗から修復できないほどの溝ができてしまった。竹田さんは竹田さんで、前回の失敗の責任を自分に押し付けた石原さんと森さんに対して相当強い恨みがありますから」


 さらに、今回の贈収賄の不祥事も、アンチ竹田サイドから出てきたという声もあるという。


「そもそも、今回の一連の贈収賄事件をリークしたのは、森氏サイドという見方が強くあります。森氏が竹田氏を潰すために、仲のよい記者にスクープを“抜かせた”ということです。タイミング的にも、カルロス・ゴーン日産自動車前会長の逮捕と重なり、世間的にも『フランス政府からの報復では』という印象を想起させやすかった。森氏の思惑と異なったのは、世間には思ったほど竹田氏に対して厳しい反応がなかったことではないでしょうか」(前出・全国紙運動部記者)


 一連の不祥事で孤立無援状態の竹田氏は、20年の東京五輪をJOC会長として迎えることができるのか。いずれにしても、一刻も早い真相の解明が待たれる。
(文=中村俊明/スポーツジャーナリスト)


このニュースに関するつぶやき

  • 竹田さんは悪いことには手を出していないと思います。疑いは晴れるでしょう。
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