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消費増税、その駆け込み消費は間違い!住宅や車は無意味?急ぐべき意外なモノとは?

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2019年03月03日 13:01  Business Journal

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Business Journal

写真「Gettyimages」より
「Gettyimages」より

 増税前に買うものは買って、なるべく出費を抑えたい――。今年10月の消費税10%への増税を前に、そんな気持ちに駆られている消費者は少なくないだろう。特に、金額が大きくなればなるほど増税前後で支払う消費税の差額は大きくなることから、不動産や自動車といった高額商品を含めた“駆け込み需要”は過去の消費増税時も起こっていた。


 単純計算で200万円の自動車を消費税8%時に買えば216万円だが、消費税10%時に買うと220万円。その差は実に4万円である。


 増税前に駆け込み購入することで消費税の2%分を浮かせられるわけだが、「分野によっては必ずしもトクができるとは限らない」と話すのはファイナンシャルプランナーの山口京子氏だ。


●“人生最大の買い物”住宅購入は増税後のほうがオトクか?


 まずは、もっとも大きい買い物ともいえる、戸建て住宅や分譲マンションといった不動産物件の“駆け込み消費”から考えていこう。


「不動産購入の場合、まず前提として消費税がかかるのは建物部分、仲介手数料、登記費用などの諸費用で、土地代や個人間での売買は非課税になるということを知っておきましょう。これに加え、『贈与税非課税枠の拡大』『すまい給付金の増額』『住宅ローン減税控除期間の延長』『次世代住宅ポイント制度』など、増税後の消費の冷え込み対策で創設されたり改められたりした制度があるので、駆け込み消費をするならこれらを考慮する必要があります」(山口氏)


 それぞれ簡単に説明すると、「贈与税非課税枠の拡大」とは、親などから住宅資金の援助を受ける場合、一般住宅なら700万円だった非課税枠が2500万円に引き上げられるとのこと。多額な資金援助ができる富裕層しか関係ないかもしれないが、これに当てはまるのであれば節税額は大きくなる。


 より一般消費者が関係するところでいうと、国から給付金がもらえる「すまい給付金」は、現在は年収の目安が510万円以下なら最大30万円だが、増税後は同775万円以下だと最大50万円に変更となる。そして「住宅ローン減税控除期間の延長」によって、毎年の住宅ローン残高に応じた所得税・住民税の控除期間が10年から13年へと延長される(最大150万円)。さらに、商品などと交換できる「次世代住宅ポイント」が、新築なら最大35万ポイント、リフォームなら最大30万ポイントもらえる制度も創設されている。


 これらを踏まえ、超低金利という現状があるものの、「キャッシュ一括で支払う特殊なケース以外は、不動産に関して無理して駆け込み消費をする必要はないのでは」というのが山口氏の意見だ。


 さらに、消費税8%のままで住宅を購入できる条件は、今年9月30日までに物件の引き渡しが完了しているか、3月31日までに請負契約を交わしている場合。いずれにしても、慌てて決める必要が出てくるので、今から駆け込み消費のために住宅購入するのは得策とはいいがたいのではないだろうか。


●エコカーは増税後のほうが、従来より節税になる可能性も


 次に、自動車のケース。


「結論から言うと、エコカー以外の自動車に関しては、増税後に購入するメリットは少なくないため、わざわざ焦って増税前に駆け込み消費しなくてもいいかもしれません。まず従来、軽自動車以外の新車(自家用)の場合は3%かかっていた自動車取得税が廃止され、その代わりに新たに導入された燃費課税(環境性能割)が0〜3%ほど課されます。こちらはエコカーなど燃費のいい車を選べばかなり節税できるし、自動車税も排気量が小さい車ほど安くなるように変更されています。電気自動車などのエコカーの場合は自動車取得税、重量税、自動車税が安くなるエコカー減税、グリーン化特例はなくなりますが、それ以外のクルマは燃費課税と変更された自動車税を考えればトントン。こちらも駆け込み消費をする必要性はそこまで感じません」(山口氏)


 ここまで住宅や自動車について解説してもらったが、この2ジャンルにおいてむしろ市場の動向による価格の変動、たとえば駆け込み需要に合わせて業者がたくさん仕込んでいた商品が売れ残り、後にそれらが投げ売り状態になる――といったことはあるのだろうか。


「ディーラーは在庫をあまり抱えない仕組みになっていますので、そういったケースは少ないと思います。ただ住宅に関しては、建築後1年以上経つと中古扱いになってしまうので、もしかすると増税後しばらくすると安い物件が出回る可能性もあるでしょう。これを狙うのも手ですね」(山口氏)


●家電は来年3月が狙い目? 駆け込むなら保険適用外治療


 昨年11月28日に政府が発表した消費増税時の価格設定についてのガイドラインによると、増税後に景気が冷え込むのを防ぐために、小売事業者などは増税前から値上げをしても構わないという方針を示している。つまり増税前後でトータルの価格は変わらないという現象も大いに考えられる。しかも今回の増税は、一般消費における軽減税率やカード決済によるポイント還元もあるので、駆け込み消費が財布に優しいかは疑問だ。


「9月と3月に決算がある家電量販店は、もし今年10月の増税の影響で半年間売り上げが冷え込んでいたとしたら、来年3月の決算期に大セールが行われることも考えられます。ですから、むしろ増税後のその時期を狙ったほうが賢いかもしれません。トイレットペーパーなどの消耗品も日々セールがありますし、数円から数十円のために買いだめしても場所を取るだけですよね」


 では、どの分野なら駆け込み消費に意味が出てくるのだろうか。


「人間ドックや白内障の手術、インプラントなど、いずれはやらなくてはいけないと思っている保険適用外の治療は増税前に受けておいてもいいでしょう。あとは住宅のリフォーム。そして、まだ鉄道会社によって運賃の値上げがどうなるかはわかりませんが、定期券や新幹線のチケットを購入しておくのもいいですね」


 いずれにしても、必要ないものを増税によって“言い訳消費”することが一番の損。商品価格にかかわらず、増税前は踊らされないことが重要だろう。
(文・取材=武松佑季、A4studio)


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