先天性皮膚疾患の母子、アメリカン航空CAから心無い対応 降機させられる(米)

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2019年03月06日 10:21  Techinsight Japan

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“魚鱗癬”を患う母子がアメリカン航空機から降ろされる(画像は『Love What Matters 2019年3月2日付「‘An airline employee quietly asked about ‘my rash,’ and if I had a letter from a doctor stating it was ‘OK for me to fly.’ I explained to him it was a genetic skin condition.’」(Courtesy of Jordan Flake)』のスクリーンショット)
世界希少かつ難治性疾患の啓発を目的として、世界的規模で毎年2月末に開催される「Rare Disease Day(世界希少・難治性疾患の日)」。今年は2月28日だったが皮肉にもこの日、先天性の皮膚疾患を抱えた母子がアメリカン航空の男性CA(客室乗務員)から心無い対応を受け、降機を命じられた。母親はFacebookで怒りを露わにしている。『Love What Matters』『Mirror』などが伝えた。

米サウスカロライナ州コロンビアに住むジョーダン・フレイクさんと息子のジャクソン君(1歳)は、皮膚の表面が魚の鱗のように硬くなり剥がれ落ちてしまう先天性の皮膚疾患「魚鱗癬」を抱えている。

母子は奇しくも2月28日の「Rare Disease Day(世界希少・難治性疾患の日)」 に、軍の仕事で自宅を離れてダラスにいる夫クリスさんのもとへ約2か月ぶりに会いに行こうと、テキサス州エルパソからアメリカン航空機に搭乗した。

機内で座席についたところ、同航空の男性職員が母子に声をかけた。彼はジョーダンさんの隣に座っていた2人の男性乗客に席を立つよう頼み、周囲に聞こえないようにジョーダンさんに「その皮膚疾患はフライトに適しているのか」「医師からの手紙を所持しているか」と尋ねたという。この男性職員は、機内にいたひとりのCAから母子のことを聞かされ呼ばれたようだ。

ジョーダンさんは不快になりながらも自分たちの皮膚疾患は生まれつきのものであること、この疾患は魚鱗癬という病名であることを伝えた。するとその職員は他のCAやパイロットと話し始め、グーグルでもその病名を調べていた。しかし再びジョーダンさんの座席に戻ってくると、職員は謝罪しながらも「このフライトには搭乗できないので降りてほしい」と言ってきた。

ジョーダンさん親子を機内から降ろすよう指示されたその男性職員は、ジョーダンさんの荷物を機内から出すのを手伝ったが、チェックイン時に預けた荷物を機体から降ろすことは不可能だったためジョーダンさんはホテルの宿泊を余儀なくされた。幸いにもその職員がジョーダンさん親子のためにホテルを予約し、異なる航空会社の別のフライトを予約してくれたという。

しかし急に降機を命じられたジョーダンさんは、自宅に残してきた娘の世話をしてもらえる人の手配をし直さねばならず、スーツケースがないために翌日の衣類や皮膚につけるローションなどを購入しなければならなかったそうだ。ジョーダンさんは「親切に対応してくれたこの航空会社職員ではなく、ひとりの無知なCAからの差別を受けたことを明確にしておきたい」と記したうえで、Facebookでこのように怒りを露わにした。

「アメリカン航空にはメールをして返事を待っている状態です。降機させられる直前にパイロットとも話したのですが、彼は私の皮膚疾患を問題視していないようでした。でも、その男性CAは私の疾患を“湿疹”と呼び、私が説明した後も『医師からの手紙を所持していないので』とパイロットに主張していたのです。この日に限ってこんなに嫌な思いをするなんて。人生でこれほどの侮辱を受けたことはありません。先天性皮膚疾患を恥じるべきではないのに、恥だと思わずにはいられないような気分にさせられました。これは許し難いことです。私はこれまで、この疾患が原因で医師の手紙を提示するよう求められたことなどなく、また医師からも魚鱗癬が伝染病ではないということを証明する文書を常に携帯していなければならないと指示されたこともありません。今は2019年です。一方的な差別などは止めて、疑問があるなら質問して話に耳を傾けてほしい。性別や肌の色などを差別すべきではないように、先天性疾患を抱えている人にも偏見を持つべきではないのです。」

これを受けたアメリカン航空側は、ジョーダンさんに謝罪。さらに飛行機代を返金し、次のフライト時のアップグレードを約束した。この件については現在、調査を進めているとのことだ。

このニュースを知った人からは、「航空会社のスタッフは医師じゃないんだから、念のために次からちゃんと医師の手紙を所持すれば問題ないことでしょう?」「稀だから伝染すると思ってしまう人もいるのでは。医師の手紙があった方が伝染病ではないということを明確にしやすいとは思うけど」「あまり知られていない病なら本人の『伝染しない』という言葉だけを信じるわけにもいかないだろう。それにこっそりと尋ねているわけだし、ちゃんとプライバシーを考慮しているじゃないか。何を怒る必要があるんだ」「でもなぜ先天性疾患だからといって、医師の手紙を所持しなければならないの? 降機させられて恥をかかされたのよ。この母子はそんな目に遭わされる必要なんかないじゃないの」「CAは航空会社の規定に従っただけ」「母親が傷ついたことには同情するけど、CAの対応に賛成」「目に見えるような疾患なら、他の乗客を不安にさせないためにもちゃんと医師からの証明書を所持しておくべきだと思う。職員やCAが他の大勢の乗客を守ろうとするのは当然でしょ」「この母親とCAの間で何かしらのミスコミュニケーションがあったのかもしれないよね。次回は彼女もこんな嫌な思いをせずに搭乗できるといいね」といった声があがっている。

画像は『Love What Matters 2019年3月2日付「‘An airline employee quietly asked about ‘my rash,’ and if I had a letter from a doctor stating it was ‘OK for me to fly.’ I explained to him it was a genetic skin condition.’」(Courtesy of Jordan Flake)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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