「高い保育料払ってるのに」私立幼稚園のママが、土曜日の“園庭掃除ボランティア”に怒り

2

2019年03月06日 16:03  サイゾーウーマン

  • 限定公開( 2 )

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

サイゾーウーマン

写真

保育園、幼稚園、小学校、おけいこ事の教室などでは、日々子どもの保護者と施設側の間でトラブルが発生している。ほんの些細なことでも、自分のこと以上に気になってしまうのが親心というものなのか。わが子のことを思ってとクレームを入れるママもいれば、モンペと呼ばれることを恐れて我慢するママも。そんなトラブル事例とママの葛藤をつづる。

 最近では、保育園の場合は0歳から、幼稚園もプレと呼ばれる年少より早く入園できる制度なら2歳からと、年々、園へ通い始める年齢が低年齢化している。子どもたちにとっては、初めて家庭以外で長時間を過ごす場所となる保育園や幼稚園。それだけに親にとっては、どのような特色を持った園に入園させればよいのかは悩ましい問題である。

 早期教育に力を入れている園や、外国人教師を配属し語学に力を入れている園など、少子化に比例して、幼稚園や保育園の教育方針も多様化している。今回は、そのような特色のある幼稚園や保育園に通わせているママたちの本音を紹介する。

ママグループから孤立! ボランティア活動は絶対参加がルール

 都内にある私立幼稚園で働いている青山さん(仮名)は、特色のある幼稚園では、保護者の負担がかつてよりも増えていると語る。

「ここの地域は、幼稚園が30園近くある激戦区。うちの園では、ヴァイオリンや英会話など情操教育を行うのが人気で、いつも定員以上の申し込みがあります。そのせいか、保護者も行事などの参加に熱心な方が多いんです。有志のママによる絵本の読み聞かせや、月1回の保育参観のほか、イベントの取り決めなどを行うクラス会も盛ん。ただどれも平日に開催されるので、専業主婦じゃないと通わせるのが難しいですね」

 保護者同士で何らかのトラブルが生じた場合、子ども同士の仲が良くても、グループから仲間外れになっているママができてしまうという。

「うちの地域は、バザーや夏祭りといった地域イベントが多いため、休みの日に園以外でのお付き合いが生じます。その時に遅刻が多かったり、約束をドタキャンするなど、ルールを守れないママさんは、自然にグループから外されていきますね」

 保護者が園の行事を手伝うのは、あくまで子どもが園生活を快適に過ごすためであり、そこに強制力はないはずなのだが、参加するのが暗黙のルールとなっているそうだ。行事によっては拘束時間が長く、そのため思った以上に負担に感じるママも多い。保護者が参加しなければならない行事がどれくらいあるのか、入園前の説明会などでは聞きづらく、入園後にその大変さと気付かされるという。

 「本来なら、保護者による手伝いはボランティア活動のため、やりたい人がやるべきなのですが、うちの園の場合では、ほぼ強制となっています。ほかにも、幼稚園が任意でお願いしている寄付金などに躊躇される家庭は、ママグループから外れている印象がありますね。園に相談されても、なかなかママ同士の関係に介入できないので、心苦しいところではありますが」と、青山さんは語る。ママ友付き合いに疲れても、幼稚園は、その教育方針に同意をして入園しているのが大前提なので、転園しづらい面があり、卒園までの数年我慢してしまう保護者が大半らしい。

 都下にある私立幼稚園に4歳児になる娘を通わせている幹江さん(仮名)は、実際に入園してみて時間の制約が多いと感じている。

「幼稚園の評判をまとめたサイト内でも、子どもたち一人ひとりに寄り添う教育をしていると高評価だった園に入園させました。入園前から、未就学児向けに開催している月1回の園行事にも参加し、園長に顔を覚えてもらえるようにしていました。園長が『うちは平日の行事も多い。子どものための休みが取れないような親はうちの園には向かない』と言っていたので、覚悟はしていたのですが、ここまで多いと専業主婦の家庭以外は通わせられないと思いました」

 幹江さんは、子どもが幼稚園に通うようになったら、パートタイムで働こうと考えていたが、結局、専業主婦を続けている。

「うちの園では、保育の必要がない土曜日に、保護者による園庭掃除や、教室の大掃除があるんです。安くない保育料を払っているのに、なぜ保護者がボランティアに駆り出されるのか納得ができず、一度、家の事情で休んだのですが、先生から『どこかに出かけたのですか?』と詮索されたんです。掃除は有志による参加のはずなのに、無言のプレッシャーを感じましたね」

 さらに、入園してからの“精神的な負担”として、家庭訪問があるという。

「年に一度、担任の先生による家庭訪問があります。その時は、子ども部屋の掃除から、先生にお出しするお茶菓子の用意まで準備に追われています。昨年、初めてだったのでお茶など用意せず、あとで同じクラスのママたちに『それではだめだよ』と注意されました。先生は忙しくて、お茶などは飲んではいかないが、マナーとして用意しておくべきだというんですが……先生に確認しようにも、扱いづらい母親と思われると怖いので聞けませんね」

 このように、大事な子どもを預ける場所なので、幼稚園の言い分を全て受け入れてしまうママたちも多いという。

 最近は、多世代交流の一環として、老人ホームと保育園が同じ建物の中で運営される形態も増えてきている。老人ホームが併設された保育園に4歳になる息子を通わせている香奈さん(仮名)は、同じ建物なので、高齢者から感染症が広がるのではないか心配らしい。

「入園が決まった時は、高齢者との触れ合いによって、優しい子になれるようなメリットを期待していました。でも、老人施設の方では、インフルエンザなど感染症がはやったりすることもあり、エントランスは別とはいえ、同じ建物の中で保育されているので、感染が気になります。年中や年長になると、よくホームの方に歌を歌いに行ったり、行事を一緒に行うので、接触が多く、普通の保育園に転園も考えています」

 関東圏にある私立幼稚園に、5歳になる男児を通わせている晴美さん(仮名)も、高齢者の子どもへの接し方に疑問を感じているという。

「うちの園では、70代の男性が剣道を教えに来てくれるのですが、息子がホール内を走り回った時に、竹刀でお尻を叩かれたんです。腫れたり、赤くなったりするほどではなかったものの、園児を叩くという行為に驚いて園に抗議しました。でも、園は“体罰ではなく、あくまで指導”と受け止めているようで、取り合ってもらえませんでしたね」

 世代によって体罰の考え方は違うものにもかかわらず、多世代交流を重視する園に、保護者の方がついて行けなくなるケースもあるようだ。

 幼稚園も保育園も、子どもたちが楽しく安全に過ごせるのが一番。保護者は、園選びの際、一度「ここに入れたい!」と思うと、園のマイナスポイントが目に入りにくくなってしまうこともあるだろうが、そういうときこそ、冷静になるのが大事なのだろう。一方、園側も多少は不利益な問題も、事前に説明するべきであると言えるのかもしれない。
(池守りぜね)

    ランキングライフスタイル

    前日のランキングへ

    ニュース設定