なぜSNSばかり見てると「やる気」がなくなるのか?【Dr.菅原の脳小噺】

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2019年03月08日 19:00  citrus

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「長蛇の列ができているお店を見ると、つい並びたくなる」という人は多いと思います。さらにその店先に「テレビで紹介された海鮮丼!」「口コミランキングで1位!」といったキャッチフレーズが掲げられていたらイチコロ。居てもたってもいられず、並んでしまう人続出のはず──。実はこれ、みんな脳の「クセ」なんです。


「バンドワゴン効果(※注1)」と呼ばれるクセで、いわゆる「勝ち馬に乗る」行動です。「みんながいいと言っているから、それはいいものだ」と判断してしまう脳のクセなのです。


ものが持つ本来の価値ではなく「他の人の評価」が気になり、大勢の人と同じことをすることで安心してしまう。このようなクセは誰の脳にもあるものです。


他人の評価や行動はSNSにより、以前とは比べものにならないくらい手軽に知れるようになりました。その結果、自分の頭で考えず、他人の評価が無意識に頭を支配してしまい、いつのまにか他人と同調してしまう……。これが仕事や勉強の「やる気」を削ぐ原因となっているのです。


ですから、やる気が起きないときには、入ってくる情報を制限するもの効果的です。いわゆる「情報デトックス」です。スマホをオフにして、SNSやウェブをシャットダウン。他人の評価、行動を目にしないようにする時間をつくるのは、現代人にとって大切なことかもしれません。

 


※注1:「バンドワゴン効果」は、1950年、あまりかの経済学者ハーヴェイ・ライベンシュタイン氏の論文『消費者需要理論におけるバンドワゴン効果、スノッブ効果、およびヴェヴレン効果』のなかで言及されました。バンドワゴンとは、パレードの先頭の楽隊車のことで、このパレードを見ると何となく楽しそうだなという雰囲気につられてパレードの列が長くなっていく様からこの名前がつきました

 

 

 

【関連書籍】
「めんどくさい」がなくなる100の科学的な方法(大和書房)
 


 

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