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小1プロブレムはなぜ起こる?知っておきたい4つの親の心構え

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2019年03月11日 06:31  ウレぴあ総研

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ウレぴあ総研

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もうすぐ春。小学校入学というおめでたいシーズンではありますが、ややナーバスになっているママもいるのではないでしょうか。

「うちの子学校でうまくやっていけるかしら?」小学校入学前の子どもに教えたいこと

保育園、幼稚園までは子どもの主体性を重んじて、比較的のびのび育てていたママほど、小学校でうまくやっていけるか、不安に思うかもしれませんね。

ママたちが恐れているのは、どんなことでしょうか。

授業中、ちゃんと座っていられるかしら。先生の言うことを理解できるかしら。トイレに行きたいとちゃんと言えるかしら。“小1プロブレム”(小1問題)という言葉を聞いたことはありますか?

小1プロブレムとは、小学校に入学した1年生が、それまでとはまったく違う学校という環境になじめないがために起こす問題の数々や、そういった状況そのものを意味します。具体的には、上記に挙げたような行動に当たります。

一方、小1プロブレムは日本特有の現象だとする意見もあります。ともすれば子ども側の問題とされがちな小1プロブレムですが、問題の根っこは実は別のところにあるのかもしれません。

つい、問題を回避するために、事前になにかしなくては、という守りの思考経路になるかもしれませんが、親子ともども、新生活を楽しく迎えられるように、積極的に考えてみてはいかがでしょうか。

『小児科のぼくが伝えたい 最高の子育て』が好評の高橋孝雄先生のコメントも交えて、必要以上に小1プロブレムを恐れない方法をご紹介します。

■小1プロブレムはなぜ起こる?

保育園などでは、入園前に、慣らし保育の期間をとるのが一般的です。また、企業だったら、入社前に内定者を対象にした研修を行いますよね。それに対して、小学校にはそれがありません。

そもそも3月まで自分の好奇心のままに遊んでいた子どもに、4月になったとたん、いきなり一定時間、椅子に座らせること自体、かなりの難易度なのではないでしょうか。

日本の小学校の授業形態は、全員が同じ方向を向いて行う一斉授業です。欧米では、公立であっても、一斉授業のスタイルはあまり見られず、生徒たちは個人、もしくはグループに分かれて、それぞれの課題に取り組むそうです。

昨今、多様性は大事だと言われるようにはなってきましたが、教育の現場にはまだ浸透しておらず、「みんな一緒」であることがデフォルトなのですね。

■学校側も小1プロブレムをおそれている?

6歳の娘がいるAさんは、先日、小学校で行われた入学前の保護者向けの説明会に参加してきました。説明会には新1年生の保護者が一堂に集められ、教頭先生が1年生になる心構えを話されたそうです。

Aさんが感じたのは、学校側には、「1年生になるにあたって子どもはこうあるべき」という理想像があるのだな、ということ。

入学してからその像に近づけていくのではなく、年長の3学期から準備期間はもう始まっている、ということを強調する学校側の話に、やや戸惑いをおぼえたそうです。

また、生活面に話が及ぶと、「早寝早起き、朝ご飯朝ウンチ!」を連呼。Aさんの娘は毎日決まって、夕食前に排便します。早寝早起き朝ご飯はともかく、朝、排便の習慣がない子どももしなくてはいけないのかと思ったそうです。

「とにかく、決まり事が多いと感じました。それも、子どものためにある決まりではなく、学校行事や授業をスムーズに進行させるための決まりみたいです。

たとえば、体操袋のヒモの長さから、防災頭巾のヒモの長さまで決まっているんです。それから驚いたのは、子どもに和式便器の使い方を教えてくださいと言われたことです。

理由は”汚れるから”だそうです。トイレに関する注意は多く、“授業中でも、トイレに行きたいと我慢せずに言える子どもを育てています“とも言っていました」

説明会が終わった後、Aさんの胸には、我が子が1年生になる喜びよりも、不安の方が上回っていたそうです。

Aさんの話を聞いて筆者が思ったことは、学校側も1年生を迎えるのが不安なのだな、ということでした。

■準備よりも大事なこと

1年生になった時の苦労を考えて、準備は早めの方がいいと思ってしまいがちですが、まったく逆にこんな意見もあります。

「就学前から、小学校に入った時に苦労させないために、親が先手をとって準備する必要はないと思います。保育園、幼稚園の間は、好きなだけ自由にやって、個性を伸ばして、毎日が楽しい!と思えることをすればいいんです。

ルールがあることを知るのは、小学校に入学してからでも遅くありません」

こう話すのは、『小児科のぼくが伝えたい 最高の子育て』の著者である高橋孝雄先生です。

「小学校に入って特に最初の1,2年間というのは、算数や国語よりも、集団生活を学ぶことがメインなのですね。ルールがある、時間割がある、一定時間座っていないといけないなど、そういったことに戸惑い、次第に慣れていくのが小1の時期。当然、最初からうまくできるはずがない。

だからこそ、楽にスタートを切らせてあげたいと先走るのは、親として当然ですね。一斉に始まるものには準備が必要と考えるのはやさしい親心です。

でも、ぼく私は多少の苦労はさせた方がいいと思うのですよ」

高橋先生の二番目のお子さんは、アメリカで生まれ、4歳の時に日本に帰国しました。小学校に上がるまでは自分の名前すらひらがなで書けないくらいでした。同い年の子たちはお手紙ごっこをしたりしていたのに。

「小学校に入学して初めて国語の授業というものがあることを知り、やるか・・・と思ったのでしょうね。それからは、あっという間にお手紙が書けるようになりました。機が熟していた、ということでしょうね」

自分で気付くことで、子どものやる気に火がついたのですね。ですが、もしうまくいかなかったら、どうしたらいいのでしょうか。

「仮に失敗したとしても、それも悪いことではありません。失敗させる勇気、失敗を教訓にさせる技術というものがあります。

“それでいいんだよ、ママはそういうの好きだよ”“パパは子どものころ、もっとできなかったらしいよ”って言ってあげるチャンスです。

そこでまたがんばれば、こんどこそ!は叶うこともし、やればできるんだという自信につながります」

子どもを信じて手を出さないことが、結果的に子どもの力になるのでしょう。

ちなみに高橋先生の二番目のお子さんは、ひらがな以外にも、”顔を水につけられない“というどうしても克服できない弱点がありました。しかしプールで25m泳げないと得意の体育で◎がもらえないと知って、なんと”犬かき“で25mを泳ぎ切ったという逸話があります。

検定を前に、泳法は問わないというところに目をつけて、犬かきを考えついたのですね。友だちは拍手喝采、先生は”まあ、しょうがないか“と笑っていたそうです。

親がスイミングに通わせて泳げるようになるよりも、自分の力で課題をクリアした喜びを、お子さんは得たのではないでしょうか。

■新しい環境になじむまで子どもをしっかりサポートしていこう

『本当は怖い小学一年生』(ポプラ新書)の著者、汐見稔幸さんは、小1プロブレムは、子どもの側からの既成の教育に対する異議申し立てではないか、という見方をしています。

この本が出版されたのは、2013年ですが、これはあながちうがった見解ではないかもしれません。

文部科学省の調査では、病気と経済的な理由を除いて年間30日以上学校を欠席した不登校の小・中学生は、2017年度時点で14万4031人に上り、5年連続増加傾向だといいます。

2020年の教育改革を前に、教育も変わりつつあります。フリースクールなど、学校に代わる学びの場はまだ少なく、認知度も低かったのですが、2016年に「教育機会確保法」が策定され、学外教育支援の必要性が社会的に認められる動きがありました。

まだまだ一般的な社会では、「学校は行くもの」という意識が主流かもしれませんが、どうしても学校に適応できない子どもが、別の場で学ぶ機会を得ることは、選択肢のひとつとしてあってもいいと認める流れになってきたということですね。

とはいえ、和を重んじ、人と違うことを避ける日本人の国民性から考えると、すぐに今の学校環境が変わり、集団より個人をベースに置いた教育に変わるとも思えません。

小学校入学を控えた子どもを持つ親としては、小1プロブレムをどう回避するかよりも、新しい環境になじむまで子どもをしっかりサポートしていこうという心構えを、どーんと持っていたいものです。

卒園に向けて、”今”というかけがえのない時間を、大事に積み重ねていけるといいですね。

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