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“女子アナとおじさん”はいつまで続く?【中年男ルネッサンス・トークイベント】

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2019年03月13日 20:51  ウートピ

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写真“女子アナとおじさん”はいつまで続く?【中年男ルネッサンス・トークイベント】
“女子アナとおじさん”はいつまで続く?【中年男ルネッサンス・トークイベント】

1月29日、「八重洲ブックセンター(東京都中央区)で、『中年男ルネッサンス』(イースト・プレス)の刊行記念イベントが開催され、著者の田中俊之さん、山田ルイ53世さん、そしてゲストには小島慶子さんが登壇。「中年男のゆくえ」について語り合いました。

「中年男」というタイトルですが、そのトーク内容は現代を生きる女性たちにも知ってほしいポイントが盛りだくさん。ユーモアと笑いに包まれながらも示唆に富む発言が盛りだくさんだったイベントの一部を編集してお届けします。

第1回:おばさんいじりにはもううんざり
第2回:一億総イタコ状態の現代に思うこと

自分が出ていったほうが早いというジレンマ

田中俊之さん(以下、田中):ジェンダー問題で、結局ここが難しいなと思う部分なのですが……。ステレオタイプって、ある場面においては便利に作用することがあるんです。僕の例ですが、宅急便を配達する男性の感じが悪かったことがあって……。妻は僕に言うわけですよ「あの人いつもタメ口だし、箱が汚れていたことを指摘したけれど取り合ってくれなかった。今日はあなたが代わりに出てよ」と。

山田ルイ53世さん(以下、山田):それでどうなったんですか?

田中:妻のことを軽く扱うような態度をとると聞いていたその人は、僕には敬語を使いましたし、箱が汚れていたことを伝えると、あっさり「すみません」と認めました。結局、男性が表に立ったことで、物事がうまく進んでしまったんですよね。逆に、女の人が出たほうが早いというシチュエーションもあるはず。

つまり、男らしさ、女らしさに頼った方が便利だという場面は確実に存在するので、すぐにことを済ませたいと思った時に、それらに頼りがちなんです。

山田:思い当たることがあります。我が家では、休みの日の昼ごはんを近所の定食屋の出前にする場面がたびたびあるんです。注文して届きますよね。その時に僕が出て受け取った、次の時はスープが熱いんです。でも妻が対応するのが何回か続くと、スープがぬるくなる。そういうことですよね?

小島慶子さん(以下、小島):そうねぇ。

山田:あれ、ピンと来ていませんか?(苦笑)

田中:今のスープの話だと、女性が出てくるから後手にしていいんだということですよね。あの家では女性が出てくるから後でいい、あの家には男性がいるから早く配達しなければならない。ただ女性だからというだけで、女性を軽んじている人はいますよね。確かにそういう相手には男が出て行くと話が解決しちゃうから。難しいなと思うんですよ。

小島:宅急便とか定食屋の出前のケースには当てはまらないかもしれないけれど。「あ、私なんかちょっと女性だからってナメられてる?」みたいな場面で、女性が「ちゃんと私の話も聞いてください」と主張すると、「うわっ、ヒステリー!」とか言われちゃうんですよね。特に職場みたいな小さなコミュニティの中では。

第二検索ワードに「ヒステリー」

山田:これ、小島さん怒るかなと思って言わなかったんですけど。もちろん昔から尊敬申し上げているラジオパーソナリティーの方のお一人なのであれなんですけど。今日の対談にあたって、より詳しく知っていないといけないなと思って……。「小島慶子」で検索したら、第2検索ワードが「ヒステリー」だったんですよね。

小島:あら、本当? ところで、ヒステリーって正しく説明できる人はいますか? 

山田:正確な? ふんわりとしかわからないですね。なんか……キー!!!ってこと?

小島:精神医学の用語として正しく使おうとすると、普段使われているようなヒステリーとは厳密には違うようですよ。みなさん後で辞書を引いてみてくださいね。つまり、私がいま何を言いたいかというと、言葉は正しく使った方がいいと思うのがひとつ。

そして、ヒステリーという言葉を誰がどんな場面で使うか考えてみてほしいということなんです。おそらく、女の人が意見をはっきり言ったり、誰かに対して自分はそうは思わないと反論したり、誰かが喋っている途中でカットインしたりという場面で、そういうものを見慣れていない、あるいは、あってはならないと思っている人が、使うんですよね。なぜかというと、ほかに言葉が見つからないから。だから、「これは、ヒステリーだ」と。

山田:情けない使われ方ですね。

小島:おそらく、日常会話や漫画などで「女の人が突発的に感情的になって、理屈になっていない何かを喚いている様子」に対して、「ヒステリー」という言葉が使われていて、それが無意識にインプットされていると思うんです。それで、そのような場面に出くわす時に「ああ、女のヒステリーだ」と思うわけですよね。でも、自分が何が起きているのかを理解できていないのではないのか?という視点はないんですよ。「女なのに可愛くない。女子アナみたいにニコニコしていない」というだけで、何かもう気にくわないとか、見たくないとか。怖いとか、面倒臭いとか。それこそ感情に任せて相手をヒステリー認定しているように感じますね。

“女子アナとおじさん”がセットなのはいつまで続く?

山田:女子アナって言葉もお嫌いですよね。

小島:そうですね。私は“(カギカッコ)女子アナ”という俗称は絶滅すればいいと思っています。「女子アナ30歳定年説」という週刊誌が勝手に作った俗説があるのですが、どんな売れっ子も30歳で若い後輩に取って代わられるよという意味で。

田中:今は、30代以上でも活躍されている女性アナウンサーも増えましたよね。

小島:かつてと比べればいい流れだと思います。実は、“女子アナ”という言葉がフジテレビで発明されてから30年が経つんですよ。

山田:元々がフジテレビなんですか?

小島:調べてみたのですが、“女子アナ”ブームは、フジテレビに有賀さつきさん、八木亜希子さん、河野景子さんが入社した1988年あたりから始まっているんです。けれど今、”女子アナ”的役割がテレビの女性の中で終わりつつあります。だからそういう意味では皮肉なことに「女子アナ30歳定年説」は当たっていたなと思うし。コンテンツ自体の寿命という意味で。女性にとっても”女子アナ”的なロールモデルはない方がいいと思っています。“女子アナ”と“おじさん”ってセットになっていますから。

山田:そうですね。そういえば『中年男ルネッサンス』にも書きましたけれど。“女子アナとおじさん”のセットって脈々と受け継がれていますよね。

小島:“女子アナ”というワードが登場したのは、それが盛んに消費されるマーケットがあるからですよね。それは何マーケットかというと、いわゆるおじさんなわけで。若くて清楚で、育ちの良い可愛い女子がおじさんである自分に丁寧に接してくれて、自分の発言には全てウンウンとあひる口で頷いてくれて……。

山田:あひる口じゃなくていいでしょ!(笑)

小島:そうね。あひる口じゃなくてもいいか(苦笑)。とにかく、「難しい話ですねー。勉強になりますー」って言われたいとか。そういうおじさんの欲望を叶えるための相方として配置されているんですよ。でもね、こんなことを言うと、「ほら、小島慶子がまた若い女子アナに嫉妬して」という声が出てくるんです。そうじゃなくて、若い女性を抑圧しているロールを憎んでいるんだという話なのですけれども。

この“女子アナロール”が絶滅しなかったのは、社会の中で、承認されたいけれどそれが叶わないという、息苦しいおじさんロールが、おじさんの間で脈々と再生産されていたからだと思うんですよね。つまり、ずっと需要が途絶えなかったから。

けれど、MeTooや財務事務次官のセクハラ事件を受けて、一昨年から去年にかけて女性アナウンサーたちが意志的に発言するようにもなってきて、それを賞賛する世間の声も増えて、女子アナ的なロールがいよいよ廃れてきているんですよ。廃れてきたということは、相対するおじさんの生き方の多様性にも光がさしている気がしませんか? 

田中:「中年男=若い女子が好き」という一方的なイメージの押し付けが崩れたら、ラクになる人も多いだろうと思いますね。

(構成:ウートピ編集部 安次富陽子)

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  • 「青年男子アナとおばさん」だってそれなりの需要はありそうだと思う。
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