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スターバックスが高級旗艦店の出店で示すブランド活性化の重要性

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2019年03月15日 07:10  まぐまぐニュース!

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中目黒と池尻大橋の間の目黒川沿いに、世界で5店舗目となる「スターバックスリザーブロースタリー」がオープンし話題となっています。ドリンクの主な価格帯で900円以上という高級旗艦店を出店したスターバックスの狙いはどこにあるのでしょうか?メルマガ『理央 周 の 売れる仕組み創造ラボ 【Marketing Report】』発行人の理央周さんが、歩みを止めることなく自社ブランドを新しいステージ上げる姿勢について解説します。

「スターバックスリザーブロースタリー」がオープン

2月28日に東京の中目黒にオープンした、スターバックスリザーブロースタリーが大きな話題になっていた。スターバックスリザーブロースタリーとは、コーヒーの焙煎機があるスターバックスの旗艦店で、本社があるシアトル、上海、ミラノ、ニューヨークに続いて、東京が5店舗目になるとのこと。

開店の当日は、入店応募を事前にネットで募集したそうだが、希望者が多く、入場規制がかけられ、募集人員1200人のところに、数万人が応募したとも報道されていた。

実際、この日東京オフィスに遊びにきた私の友人が、午前中に整理券をもらったそうで、その番号がなんと3800番台。彼が入店できたのは、午後2時過ぎだったとのことだ。

各種報道によると、これまでのスタバとの違いが目立つ。店舗に入ってまず目を引くのは、4階まで17メートルの吹き抜けで、キャスクと呼ばれる巨大なコーヒー豆の貯蔵庫があり、それを中心として、豆を運ぶためのチューブが、店中に張り巡らされているため、「ゴーッ」という音が響くらしい。

もう一つの大きな特徴として、スターバックスの通常メニュー以外での、上質なコーヒーが多く揃えられている点。ドリンクの主な価格帯が900円以上ということで、通常のスターバックスよりかなり高く設定されている。

コーヒーも、通常のスターバックスにある、ドリップやカフェラテに加えて、コロンビアなど豆の産地ごとの、いわゆるストレートコーヒーなどが中心とのこと。

ロースタリーというくらいで焙煎からするため、ひきたてのコーヒーが楽しめる、という点を強調していると言える。

コーヒー以外も充実しているのも大きな特徴だ。2階には、ティバーナという、中国茶や紅茶を使ったドリンクが中心のフロアがあり、3階はバーカウンターになっていて、コーヒーを使ったカクテルなど、アルコール飲料が飲めるそうだ。

スターバックスがリザーブロースタリーを展開する理由

なぜスターバックスは、このような高級店を出したのか、を考えてみたい。

これまでも、スターバックスはリザーブという、通常のスターバックスのメニューよりも、若干高級なコーヒーを出してくれる業態はあった。リザーブは通常、スターバックスの既存店舗の一部に併設されていて、リザーブメニューのお客様のための専用のカウンターで飲むことができる。価格帯は、7〜800円台が中心なので、通常メニューよりは高め。

しかし、今回のスターバックスリザーブロースタリーは、それをさらに一歩進めた業態だ。これを出した背景には、スターバックス自体が、全体のブランド価値を、より高めようと考えているのだろう。

スターバックスは、日本進出以来、カフェのあり方を変えリードしてきた。第3の場所を提供することで、コーヒーを楽しんでもらう、というコンセプトで店頭を大切にし、接客に力を入れ、その結果ファンを増やしてきた。

また商品ラインアップ戦略も独特で、季節ごとのフラペチーノで話題性を作り、10〜20代の支持も集めてきた。しかし、ドトールやコメダ珈琲などの追い上げ、さらにドトールも超高級喫茶店「神乃珈琲」を出店するなど、競争が激しくなってきている。

また、自店舗にしても、「混んでいてなかなか入れない」というイメージがついてしまったり、出店数の多さが、逆にコモディティ化したりと、内部的な問題点も増えてきている。

ブランド活性化の重要性

ブランドとは、顧客(候補含む)から見たときに、自社を他社と区別させることを目的とする。その中身は、認知され、想起されうること、見た目の価値があること、顧客層との関連性があること、そして、顧客の忠誠心が強いこと、が挙げられる。

したがって、ブランドを育てるということは、顧客がロゴやネーミングに触れた瞬間に、競合他社よりも「価値がある」と思わせるように、マーケティング的な努力をし続けるということだ。

認知し、好感触を持ってもらうために、イメージカラーやロゴなど基本の部分は絶対に変えず、常に同じものを見せることで、顧客層の心に「焼印」をつけることを第一義とする。一方で、顧客層はわがままなので、同じことを続けるだけでは、飽きられてしまう。したがって、新しい価値を付け加えていくことが重要だ。

私が会社員時代に担当していた、ラッキーストライク、というブランドも、ブランドのカラーである赤は、絶対に変えることはないが、市場がライト嗜好に変わっていくことに合わせて、赤そのものの色を、徐々に明るくしていったりしていた。ブランドを長くファンに愛してもらうためには、このような活性化が必要だ。

例えば、カミソリのジレットで言えば、2枚刄だった替え刃を、3枚、4枚と増やしていくことも、ブランドの活性化に当たるし、老舗ブランドのバーバリーが数年前に、若年層に向けてコミュニケーションを取ろうとし、俳優のエマ・ワトソンを起用することで、イメージの若返りを図ったことも、ブランドの再活性化だ。

今回の、スターバックスリザーブロースタリーの市場導入も、その背景には、伸びてきたカフェ市場が飽和に近づいたこと、競合他社も多く参入してきたこと。コンビニの100円コーヒーのような、新規参入が現れたことなど、自らが作り上げた市場の拡大に伴って、業界、市場ともに大きく変わったことが挙げられる。

この変化に伴い、スターバックスもまた、自社ブランドを新しいステージにあげようとしているのが、この新業態と言えそうだ。常に新境地を開くための企業努力をする点、ブランドを構築するのは、自店舗で、ということに対するブレない姿勢など、見習うことが多いケースと言える。

image by: Joe Mabel [CC BY-SA 4.0], via Wikimedia Commons

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