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東大に合格する子を育てる親に共通点はある? 開成の校長に聞いた

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2019年03月15日 11:30  AERA dot.

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写真柳澤幸雄(やなぎさわ・ゆきお)/1947年生まれ。東京大学名誉教授。開成中学校・高等学校校長。開成高等学校、東京大学工学部化学工学科卒業。71年、システムエンジニアとして日本ユニバック(現・日本ユニシス)に入社。74年退社後、東京大学大学院工学系研究科化学工学専攻修士・博士課程修了。ハーバード大学公衆衛生大学院准教授、併任教授(在任中ベストティーチャーに数回選ばれる)、東京大学大学院新領域創成科学研究科教授を経て2011年より現職。自身も男の子を育て、小学生から大学院生まで教えた経験を持つ(撮影/工藤隆太郎)
柳澤幸雄(やなぎさわ・ゆきお)/1947年生まれ。東京大学名誉教授。開成中学校・高等学校校長。開成高等学校、東京大学工学部化学工学科卒業。71年、システムエンジニアとして日本ユニバック(現・日本ユニシス)に入社。74年退社後、東京大学大学院工学系研究科化学工学専攻修士・博士課程修了。ハーバード大学公衆衛生大学院准教授、併任教授(在任中ベストティーチャーに数回選ばれる)、東京大学大学院新領域創成科学研究科教授を経て2011年より現職。自身も男の子を育て、小学生から大学院生まで教えた経験を持つ(撮影/工藤隆太郎)
 今年も東京大学の合格発表が終わり、開成高校が38年連続で合格者数1位となりました。開成の柳沢幸雄校長は、著書『男の子を伸ばす母親が10歳までにしていること』の中で「頭の良い子にするにはどうしたらいい?」「自信のある子に育てるには?」「男の子の育児にコツはある?」といった、子どもの学力を伸ばす土台となる疑問にわかりやすく答えています。ここでは、毎年たくさんの東大合格者を輩出する、開成の生徒の親に共通する子育ての極意はあるのか、柳沢先生に聞きました。

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 子どもは誰でも、何かしらの特性(才能)を持っています。そして、その特性を伸ばすためには、第一に、心から安心して過ごせる場所が必要です。

 当たり前ですが、子どもは一人で生きていけません。親が食べさせてくれ、守ってくれる所、つまり家の中が最も安心できる場所であることが重要なのです。

 家の中では両親の仲が良く、父親と母親が互いの悪口を言わないことも基本。平易な表現ですが、「両親の笑顔」は子どもにとって何よりの安心であり、愛情そのものなのです。

 一人親家庭でも、親が笑顔で穏やかな気持ちで接していれば、子どもはのびのびと育つことができますので心配はありません。

 最も大事なのは、「自分は親から愛されている。受け入れられている」と、子どもが感じることなのです。

 開成では入学後、学校生活に関するアンケートを取るのですが、98%を超える子が「学校が楽しい」と答えます。学校が楽しいというのは、自分を受け入れてくれる場所があるということです。

 安定した家庭で育った子は、クラスや部活動、委員会など「自分を受け入れてくれる場所」を見つけます。そういう場所には自然と行きたくなるので、結果として学校生活が楽しくなり、勉強にも身が入るのです。

 しかし、居場所が見つけられず学校生活を心から楽しめない子の多くは、うまく人間関係が築けません。その背景には、親の過保護や過干渉、強圧的な態度、あるいは、人との交わりを試す経験の乏しさがあります。

 子どもの才能を伸ばすには、どんな勉強をさせようか、何を習わせようかなどと考える前に、子どもが育つ土台の場所、つまり家庭環境を整える必要があるのです。

 プラスして、子どもが通っている学校や塾の先生の悪口を言わないことも大切なポイント。親が悪く言うような場所に通わされている子どもの気持ちを考えればわかりますね。また、大好きな親が、先生や指導者をバカにすれば、子どもは必ずマネします。

 もし、学校や塾などで問題があった場合は、大人同士で対処し、子どもを巻き込まない。これが鉄則です。

 子どもを伸ばす第二のポイントは、親が子どものゴールをきちんと見据えることです。その場合、親の価値観の根っこを、「一日も早い自立」に置いておくと、迷いが少なくなります。

 たとえ、東大に合格したとしても、それはあくまで通過点でゴールではありません。子どもが社会の中で自分の居場所を見つけ、自分の力で食べていく、つまり「自立」こそが最も重要なのです。有名大学に入ったとか、金持ちになったとか、何かで活躍したかなどは、おまけみたいなものです。

 しかし、親御さんの中には、わが子を自分と同じ道に進ませようとしたり、自分が叶えられなかった夢を子どもに託したいという思いが強く、「小さいうちから英語と中国語を習わせなくては」「何が何でも、◯◯中学に合格させねば」と、躍起になる人もいます。

 そうした親御さんほど、受験の結果に一喜一憂する傾向があり、子どもの心を傷つけてしまうケースも少なくありません。

 たとえば中学受験では第一志望に入れる割合は全体の一割程度です。

 開成でも、毎年3倍4倍という倍率があり、合格できなかった子どもは、第二志望、第三志望の学校へ入学しています。

「中学受験というのはそういうものなのだ」とわきまえ、志望校に落ちても、これで終わりだという感覚ではなく、「目標に一歩近づいた。上を目指してよく頑張った」と、子どもが自己肯定感を持てるように、親はフォローしなくてはなりません。

 また、中学受験では、「レベルの高い学校にぎりぎりで入るより、ランクを落としてでもトップを目指してほしい」という考えで志望校を決める人がいます。しかし、入学試験の順位と卒業する際の順位には相関性がありません。むしろ、一年生の学期末の成績が出口(卒業時)を予想するのに非常に重要な情報だと、いろんな先生が言っています。

 要するに、入学した学校でその環境にいち早くなじみ、そこで生きながらえるための身のこなしや身の処し方、そういう生活力が肝心なのです。

 たとえ、第一志望に補欠で入ったとしても、志望校に入れず別の学校に行ったとしても、そこで伸びるか埋もれてしまうかは本人次第。そして、その人間力を養うのが家庭なのです。

 中学受験でも大学受験でも、それは子どもの人生の通過点にすぎず、入ってからが大事。そういう意識を持った親の子どもが伸びやすいということは言えると思います。

(取材・構成/松島恵利子)

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