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今だから話せる、関西情シスの裏話「上司からのトンデモ特命」「“脱“で有名なアレも使いよう?」――「大阪俺情」の夜が熱かった

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2019年03月15日 13:22  ITmediaエンタープライズ

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ITmediaエンタープライズ

写真満員御礼の大盛況でスタートした俺たちの情シスin大阪
満員御礼の大盛況でスタートした俺たちの情シスin大阪

 エンタープライズ編集部主催の情シス交流会「俺たちの情シス」が、ついに関西に進出! その記念すべき第1回が、2019年2月5日に大阪で開催されました。



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 初回のテーマは、参加者の皆さんがお互いのことを知って仲良くなれるよう、「情シスとしての課題や悩み」に設定。ライトニングトーク(LT)では、7人の登壇者が、日頃感じている情シスとしての「悩み」や「課題」を話しました。



●「まず、自分から動く」が突破口に――SIから情シスに転身したKさん



 トップバッターは、某食品系企業にお勤めのKさん(仮名)。13年間、SIerやソフトハウスでシステムの開発と構築に携わった後、企業の情シスに移りました。



 「SIerの立場では踏み込めない領域まで入り込んでユーザーに関わりたい」「自分の仕事をもっと身近に感じたい」――。そう思って転身したKさんでしたが、現実はそう甘くなかったようです。



 会社のITリテラシーがそれほど高くないことは、それなりに想定していたものの、「モニターやケーブルがつながっている機械のことなら何でも面倒見てくれるんでしょ?」といった“家電量販店の店員さん”的な扱いには閉口することもあったといいます。



 「実際に情シスとしてユーザーに関わるようになったら、SIerの立場よりも口出しができなくなったんです(笑)」(Kさん)



 しかもKさんの会社は情シスの離職歴が高く、勤続3年以上の社員はほとんど残っていない状況。もちろん、申し送りの資料などは残す文化もなかったといいます。「自分の転身は間違っていたのかもしれない……」と、一時は後悔もしたKさんでしたが、気を取り直して、社内の情報環境整備に一から取り組みました。



 例えば、Active Directoryを使ったユーザーの環境設定自動化、メール環境のクラウド移行、Excelの切り貼りによるデータ管理をなくすためのツール作り、プロジェクト管理ツール「Backlog」による案件管理や保守作業の記録とナレッジ化などなど……。



 「私は以前、東京で開催された『俺たちの情シス』に参加したことがあり、そこで皆さんと思いを共有する経験ができたことで、『まずは自分から動いていこう』『もう少し頑張ってみよう』と思えるようになりました。だから今回も、まずは自分から動いてみたのです」(Kさん)



 こうして地道な取り組みを続けるうちに、Kさんの同社での情シス歴も2年になりました。最近では、少しずつ、社内での理解も進み、新しいことに取り組めそうな気配も出てきているそうです。



 目下の一番の悩みは、「上司のITリテラシーが低い」こと。最新のテクノロジーをキャッチアップできない上司は、どんなシステム連携も「CSVでできるでしょ?」と結論付けてしまうため、なかなか技術的な新しいチャレンジができないのだといいます。この“何でもCSV地獄”には、来場者の中にも賛同する人がちらほら。



 「とはいえ、実際に動くものを見せて説明すれば分かってくれるようにはなってきましたので、その意味では希望があります。まずは自分の周囲から納得してもらい、少しずつ社内での陣地を広げていこうと思っています」(Kさん)



●ソフトウェアのライセンス管理ならではの課題に“あの救世主”が!?――ゲーム開発企業の木村さん



 続いての登壇者は、ゲーム開発を手掛けるヘキサドライブにお勤めの木村成宏さん。開発部門の技術サポートを行う部門のチーフを担当しています。



 木村さんが同社に入ったのは2年前。入社後は、大量の物理サーバやストレージ、複雑なネットワークを仮想化し、ユーザーのアカウント管理をシンプル化するなどの基盤整備に取り組みました。また、本社と支社との間で構成を同じにし、データの同期と冗長化による障害対策なども実現したといいます。



 その中で、ゲーム開発企業特有の難題にも直面しました。それは、ソフトウェアの「ライセンス管理」です。



 ゲーム開発の現場で使われているソフトウェアのライセンス形態はさまざまで、その多様さや管理の難しさは、一般的な企業の比ではありません。



 「買い切りか、サブスクリプションか。サブスクリプションの場合、年単位か、月単位か。さらにOSS(オープンソースソフトウェア)を利用しているケースでは、それがどんな条件のライセンスになっているかを個別に管理する必要があり、全てを正確に行うのは非常に難しいのです」(木村さん)



 そこで、ベンダー製の資産管理ツールを導入してみたものの、取得できる情報はOSに依存することが判明。また、近年のゲーム開発ツールでは、ソフトウェア内で利用するアセット(追加機能)にも、個別のライセンスが設定されているケースがあり、こうしたものを市販のツールで管理することはできないという課題も露呈しました。



 一時は独自にレジストリ情報を追うことでライセンス情報を取得しようとも考えましたが、開発環境は日々アップデートされるため、追従は難しい……。悩んだ末に、木村さんが導き出した結論は、“歴戦のIT戦士”に使い継がれてきた「あの万能ツール」(?)の助けを借りることでした。そう、「Excel」です!。



 「いろいろと試行錯誤はしてはみたものの、資産管理ツールのみでの運用には無理があり、どうしても不足部分を補う必要がありました。ただ、Excelだけでライセンス管理を行っていた頃に比べると、情報の精度は格段に上がっており、正確性を確かめる作業のリアルタイム性も向上しています」(木村さん)



 同社では今後も、ライセンス管理の精度向上を目指すそう。また、それ以外のアカウント管理などについても、人事部や業務部門と連携しながら、自動で情報を更新できる環境を構築したいといいます。



 近年、一般的な企業でもシステムの一部にクラウドサービスを取り入れる動きは加速していますが、それに伴って、ライセンス管理やユーザー管理に当たって考慮しなければならないことが以前より増えているのではないでしょうか。



 「こんなことで悩んでいる」「うちではこんな方法を使っている」といった意見があれば、他の企業の情シスの人たちと積極的に情報交換をしてみるのがよさそうです。



●「え? うちのサイトを攻撃?」 驚きの上司命令を受けためが・きんぎょさん



 普通、情シスというのは、自社の情報システムをサイバー攻撃から守ることに心血を注ぐもの。しかし、今回のLTでは、上司から命じられて「自社Webサイトに攻撃を仕掛ける」ことになった方が登壇しました。この珍しい体験を披露してくれたのは、めが・きんぎょさん(仮名)です。



 ことの発端は、めが・きんぎょさんが勤める職場の広報担当者が、Webマーケティング系の営業を受けて、6年前に構築した自社サイトの「ログ」に関心を持ったこと。いざ、ログを入手しようと思って調べ始めたところ、「構築時の担当者は残っておらず、構成情報も契約情報も不明」という驚くべき状況が判明したそうです。ログの分析どころか、サーバに管理者としてアクセスもできないという由々しき事態でした。



 手を尽くして調査したものの、結局、契約情報や管理者パスワードは不明のまま。八方ふさがりの中、ついに上司から、めが・きんぎょさんに「責任は俺が取るので、サーバアカウントを確保してくれ!」と、予想外の指示が下ったのです。



 めが・きんぎょさんは、調査で当たりを付けたアカウント名に対して、トラブルを起こさないように、1日数回ずつログインを試行。それが奏功し、無事(?)管理者アカウントを奪取することに成功しました。



 そして、管理者アクセスが可能になったサーバをのぞいた結果分かったのは、パスワードは構築時の初期設定から変更されておらず、肝心のアクセスログは記録する設定がされていなかったということ。



 また、サイト編集用IPアドレスの全容は不明で、過去に担当者が管理していたIPアドレス以外からのログインがあったことも判明したのでした……。



 広報担当者には「あらためてアクセスログを保存する設定にしたこと」「編集担当者が利用しているIPアドレスを管理し、その動向を把握しておくようにすること」を申し伝えて、本件は決着。さらに、情シス担当者として、「積極的にWeb担当者と話すなどの方法で逐次情報収集し、重要事項は文書化しておく」ことを決めたといいます。



 「企業のWebサイトは、作って終わりではなく、会社として運用していくという意識を持つことが大切。皆さんが“管理者アカウントを奪取”しなければならないような事態が起こらないよう、祈っています(笑)」(めが・きんぎょさん)



※本件は、めが・きんぎょさんがあくまで所属先の指示に従って行ったことであり、その後の経緯についても関係者の合意を得ています。決して同様のことを、担当者の独断ではしないでください。



●「利益を出せる情シス」になるための試行錯誤――通販企業の情シス、Sさん



 続いて登壇したのは、ファッション、雑貨、食品などの通販を手掛ける企業の情シス部門に所属するSさん(仮名)。Sさんは、金融系のシステムエンジニアとして4年勤めた後に、今の会社に入社。社歴は既に10年のベテランです。9年目までは、主に基幹システムやCTIシステムの再構築に関わり、2018年に、新設された「新規開発グループ」に異動になりました。



 新規開発グループのミッションは、社命として下った「情報システム部門のプロフィットセンター化」です。



 「情報システムを使ったコストカットや効率化であれば、自分のこれまでの経験や知識から、何ができるかイメージできます。一方で、プロフィットを出すためのシステムの使い方は、これまでにない視点や取り組みが必要。新規開発グループは、そのために作られた部署です」(Sさん)



 目下のSさんの問題意識は、「情シスがプロフィットを出し、役割を拡大していくためにどんな活動ができるのか」の試行にあるといいます。



 いろいろな可能性を考える中で、実際に社員が利用する「社内販売サイト」を構築してみたり、申請や稟議(りんぎ)のワークフローシステムを内製してみたりと、さまざまな取り組みを行ってきました。



 もちろん、近ごろはやりの「IoT」「AI」「ビッグデータ」といった最新の技術も、自分たちでどのように活用できるのか考えていきたいので、検討と試作を進めているといいます。



 「同じような課題に取り組んでいる情シスの方と、ぜひとも情報交換してみたい」というSさんに対し、会場からは、「社内システムを利用する部門に対して課金を行うという仕組み作りも選択肢の一つ」など、さまざまな意見が挙がりました。



●情報や文化の「鎖国」は情シスの衰退を招く グローバル企業視点の課題を提示したGさん



 続いての登壇者は、医療関連機器の製造、開発、販売を行っている企業にお勤めのGさん(仮名)。グローバルに事業を展開する同社では、売上に占める海外比率は80%以上だそうです。



 企業システムとしては、MicrosoftやSAPのソリューションを中心に導入。グローバルの各拠点で使われている製品は同じである一方、そこで使われているコードの体系などはバラバラで、目下の課題は、その統合による合理化にあるそうです。



 Gさんが「俺たちの情シス」に参加した最大の動機は「情シスとして抱えている課題や解決策」などの「情報の交易」にあるといいます。



 「企業の情シスが抱える問題の一つは、自社、自部門と違う文化に触れる機会が極端に少ないこと。人材の流動性が低いことに加え、取引先となるSIerも固定化する傾向にあります。こうした状況は、いわば『鎖国』のようなもので、情シスの衰退を招きます」(Gさん)



 SIerの視点ではなく、実際にソリューションを導入し、運用している「情シス」視点での成功、失敗、苦労の経験を共有することが、「情シスの繁栄」につながっていくのではないかと、Gさんは主張します。



 また、「関東と比べて、関西圏では情シスが情報交換できる機会が非常に少ない」とも。同様の意見は、他の登壇者からも挙がっており、実際にそうした状況を変えるための取り組みを始めている人たちもいるようです。この点については、次の2人の登壇者がタイムリーな意見を披露しました。



●「関西の情シスコミュニティー」を作りたい――「ひとり情シス」のつらさと戦う小原さん



 続いて登壇したのは、セキュリティ、資産管理などの企業向けソフトウェアの開発会社、エムオーテックスに勤めている小原さん。入社は、約6年前。同社では、情シススタッフの入れ替わりが激しく、常に「ひとり情シスのつらさ」と背中合わせで業務を行ってきたといいます。



 情シスが抱える一般的な悩みとして、よく「社内でリスペクトされない」「緊急性の高い割り込み業務が多くなり、改善に時間が取れない」「仕事をすればするほど、やるべきことが増えてしまい、生産性を上げるインセンティブがない」といったことが挙げられます。



 小原さんはこれらに加え、「新しいことができない」「情報収集の時間が取れない」「1人だと休めない」「頑張っても見てくれる人がおらず、愚痴を言う相手もいない」といった「1人情シス」ならではのツラさにもスポットを当てました。



 「これまで、情シスとしていろいろ苦労してきました。だからこそ、情シスの世界をより良いものにしていきたい」という小原さんは、関西圏を中心とした情シスのコミュニティーを立ち上げたいという思いを持っているといいます。



 そんな小原さんには、司会を務めたITmedia エンタープライズ編集部の池田がアドバイス。「開催頻度は最多でも月に1回程度まで。参加人数は15人前後の小規模なものをイメージ」「会費は3000円前後のところにボーダーがある。飲み会1回分くらいまでの会費が参加者の心理的なハードルを下げる」などといった、俺情の開催経験から分かったノウハウを伝えていました。



●「マイナスをゼロ、そしてプラス」にするためにできることは? 神戸デジタル・ラボの山本大作さん



 「関西圏の情シスコミュニティーが少ない」と感じている参加者が多い中、神戸でコミュニティーの立ち上げに取り組んでいるのが神戸デジタル・ラボ(KDL)の山本大作さんです。



 山本さんは、Web系のインフラエンジアから情シス担当者になった経歴の持ち主で、情シスで得たノウハウを発信するブログ「KDL 情's Cafe BLOG」を執筆している他、情シスコミュニティー「情シス Cafe in Kobe」の運営も行っています。



 KDLにおける情シスの業務範囲は、「企画」「システム・利用サービスの管理」「運営」「ユーザーサポート」など多岐にわたります。一方で、各案件に情シスが関わる範囲については、「技術スキルや組織横断的に、情シスがやらなければいけないことか」「会社の全体最適に寄与する案件か」といった要件に合わせて個別に判断するのだそうです。



 もともと、山本さんは「Webソリューション部」でインフラの整備運用を担当する傍ら、有志による「情報システム管理委員会」に参加し、情シス業務を兼任していました。しかし、会社の事業拡大で管理対象が増加。また、仮想化環境の導入などで、「情シス」としての業務が膨れあがり、兼任が困難な状況に……。そこで、2014年に技術的負債を含む課題の解消を目指して、専任として「情シス担当」に就任し、課題の整理とメンバーコントロールを始めたという経緯があります。



 「2017年ごろまでは、オンプレからクラウドへの移行や、事業にとってインパクトの大きな課題解消に注力してきました。いわば、『マイナス』だったものを『ゼロ』に近づけるための取り組みがほとんどでした」(山本さん)



 会社が抱えていた大きな課題に、ある程度、解決のめどを付けた現在。山本さんは「『ゼロ』から『プラス(価値創出)』に転じるための取り組みをやっていきたい」と話します。具体的には「業務の自動化」「クラウドの徹底活用による運用の負荷軽減」「経営課題の解決や現場の業務負担をITの力でサポートする」ことなどを挙げていました。



 また、より具体的なテーマとしては、「PC、スマートデバイス、ネットワークといった物理リソースのイケてる管理方法」「他部門との良好な協力体制の作り方」「クラウドの使いこなし」「セキュリティ確保の現実的なガンバリ方」「情シス担当者の未来(求められるスキルマップは何か)」といったことに取り組んでいきたいといいます。



 会場からは、「それらをそのままテーマにすれば、しばらくはコミュニティーイベントの開催に困らない」といった意見も出ました。つまり、多くの情シス担当者が共通して感じている課題ともいえそうです。



 今回、大阪で開催された「俺たちの情シス」読者交流会は、今後の「関西圏での情シスコミュニティー」を活性化させるための、ちょっとしたカンフル剤になったのかもしれません。今後の盛り上がりに期待しましょう!


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