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占いに導かれインドで総額80万円のお祓い… スピリチュアルにハマった女性が57歳で結婚するまで

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2019年03月15日 16:00  AERA dot.

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写真占いを頼りに、インドまで行ってしまった(※写真はイメージ)
占いを頼りに、インドまで行ってしまった(※写真はイメージ)
「私たち、結婚しました!」――続けて届いた2通の結婚報告はがき。お葬式に参列することのほうが増えていたというのに、まさか同年代である50代の友人から結婚話を聞かされるとは。もしかして、と調べたところ、ここ20数年で50歳前後の結婚増加が判明。総数から見れば少ないものの、“50歳からの結婚”が増えていることは間違いないようだ。連載「50歳から結婚してみませんか?」では、結婚という大きな決断を50歳で下すことになった5人の女性の本音とリアルに迫る。第23回は、スピリチュアルな世界にはまってしまった橋本美智子さん(仮名・58歳・自営業)の前編をお届けする。

*  *  *
 身ぎれいで、きちんとしたたたずまいの橋本美智子さん(仮名)は58歳。年齢よりうんと若く見える。

 1年前、57歳で5歳年下の男性と入籍した。

 橋本さんをよく知る友人はこう話してくれた。

「彼女『結婚しない』って言っていたんですよ。それが、やはりすることになって。ずいぶん長くつき合っていたと思います。結婚後はすぐに名刺の名前を変えてました。やっぱり、結婚したかったんだと思いますよ。だってすごくうれしそうだったから」

 橋本さんが長い交際を経て、57歳で結婚に至った心境の変化とは? それまでの人生を追いながら聞いてみた。

■夫から愛されていないように感じてしまった

「2010年に母が80歳で亡くなったんですが、そのときに弟から『このままずっと1人でどうするんだ!』って言われて。弟にしてみれば姉を心配してのことなんですが、この言葉にはっとしたんです」

 橋本さんは40歳で離婚を経験していた。両親は前の夫のことを気に入っていたのにも関わらず、相談もせず、別れた。

「父は大切に思っていた息子(前の夫)と一方的に縁を切られてしまったわけです。ひどいことをしてしまいました。弟に言われて気づいたというのもありますが、親を安心させたいという気持ちはずっとあったんです。『1人はイヤ、結婚したい!』、私の中でくすぶり続けていたことでした」

 27歳のとき、恋愛結婚で同い年の男性と結婚。彼は建築家だった。

 結婚後、ほどなくご主人の仕事の都合でドイツに行くことに。海外生活は2年程度だったが、仕事を辞めてついていった橋本さんは、仕事に頑張っている夫から置いてけぼりにされているような孤独感に襲われたのだ。

「私は彼から愛されていないように感じてしまったんです。彼が私のことを嫌いになったわけでもないし、むしろ別れたくないと言ってくれたのに……。彼はとても優秀で、ただ忙しかっただけで、当時の私にはそれがわからなかった。私だけが成長していないような、そんな気持ちになってしまって」

 そして橋本さんは、救いを精神世界に求め始める。

「海外に行く前に友人から、シャーリー・マクレーンの本が面白いと言われ、ドイツの書店で偶然見つけて、むさぼるように読みました。それ以降、スピリチュアルなものにすっかりはまってしまって。私はここ(精神世界)で頑張っていこうと。彼とは別世界のところだから、競うこともないし、頑張れるんじゃないかと思ったんですね」

 ご主人は建築家という小学生からの夢をかなえたのに、「建築は自然破壊」とまで考えるようになってしまった橋本さん。住む世界が違うと思うようになり、いったん離れてみようと、38歳で別居。

「思い込みが強いんです。プラスに働くといいんですけど、マイナスに働くと極端に走ってしまうところがありました。そしてこの頃、正社員になり、仕事がおもしろくなると、夫のところに戻る気もなくなってしまい、40歳で離婚。スピリチュアルな世界には、結婚していた30歳頃から、離婚後の45歳くらいまで、はまってしまうことに……」

■どっぷりスピリチュアルの世界にはまる

 当時を「本当にどうかしていた」と振り返る橋本さん。

 では、橋本さんの言うスピリチュアルとは、具体的にはどういったものだったのか?

「特にはまっていた43歳の頃、仕事のことを占ってもらおうと“インド占星術”の占い師を尋ねて行ったことがあります。赤坂のビルに入っているから安心だと思って(苦笑)。そこで、『あなたは結婚をして、子どもを産み、育てたほうがいい』と占い師から言われました。私の心の奥を覗かれたような気分でした。そのとき私が本当に望んでいたことは、仕事で成功することではなく、結婚して子どもを持つことだったんです。仕事のことを占ってもらおうと行ったのに、予想外の展開でした」

 そして、橋本さんはインドへ! 思い込みの強い性格がマイナスに出た行動を取ってしまう。

「占い師によると、今結婚にはよくないゾーンに入っているから、お祓いをしたほうがいいと、南インドのお寺に行って祈ってもらいなさいということに。その当時、テレビに出ていた有名な女優さんも一緒に来てましたよ(苦笑)」

 お寺でお坊さんが3時間ほど祈りを捧げた後、近くの村の子どもがいる夫婦に祝福をしてもらい、自分を守ってくれるという宝石をもらう。この一連の儀式の代金は80万円!

「今までの自分を変えるつもりで行ったんですが、帰国してもなんにも変わりませんでした」

■スピリチュアルからネットの力に依存

 お祓いはきかなかったけれど、真実があるとしたら、「結婚して、子どもがほしい」と気づいたことだ。

「45歳くらいに初めてネット婚活をしました。会費として1万円ちょっと払うと、2〜3カ月間はプロフィールが出るので、その間に相手を探します。その間に決まらない場合は、継続してもいいし、少し経ってからまたやってもいいんです。

 でも、実際に何人かに会ってみましたが、これはと思う人が見つかりませんでした。そしてその頃には、会社を辞めて独立したこともあり、結婚への思いも次第にしぼんでいきました」

 そんなときに、母の死。弟から「このまま1人でどうするんだ!」とガツンと言われてしまう。

「49歳になっていました。私が危ういから、仕事も含めてこの先どうするのか、はっきりして頑張りなさいと、弟は励ましてくれたんだと思います。

 きょうだいはすべて結婚しており、独身は私だけ。母の葬儀で焼香をする際、ほかのきょうだいは夫婦で立つのに、私だけ1人。食事の席に着くときも、『お姉ちゃん、あそこでいい?』と隅っこの半端な席になったり(苦笑)。少しひがみっぽく聞こえるかもしれませんが、それが現実で、社会はやはり夫婦という2人1組で成り立っているんだなって、このときひどく痛感したんです。自分をそういう立場に置いておくのは、自分自身にすごく失礼なことだし、自分を大切にしていないなって」

 橋本さんは50歳を目前にして、やっと本気になり、この後、結婚相談所のお見合い、2度目のネット婚活とエンジンがかかったかのように見えたのだが……。(取材・文/時政美由紀)

時政美由紀(ときまさみゆき)
(株)マッチボックス代表。出版社勤務後、フリー編集者に。暮らし、食、健康などの実用書の企画、編集を多数手がけている

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