日向坂46が取りに来たひらがなけやき時代の忘れ物 原点の地・Zepp Tokyoで見せつけた成長

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2019年03月15日 19:11  リアルサウンド

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 日向坂46が、3月14日にZepp Tokyoにて、MTVによるスペシャルプログラム『MTV LIVE PREMIUM:日向坂46 -1st Story-』の公開収録を行った。この日は、抽選で選ばれた1000人のファンの前で、一夜限りのライブを披露。新たなスタートを切る彼女たちによって、会場全体がハッピーオーラに包まれた。


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 『MTV LIVE PREMIUM』は、毎回1組のアーティストにフォーカスを当て、通常ライブとは異なるオリジナルあふれる企画と演出で貴重なライブ空間を送る、MTVのライブシリーズ。今回は、今年の2月11日にけやき坂46(以下、ひらがなけやき)から改名し、3月27日にデビューシングル『キュン』をリリースする日向坂46によるスペシャルライブ。日向坂にとってZepp Tokyoは、2017年3月に初めてワンマンライブを行なった思い出深い場所。しかし、彼女たちにとっては反省点ばかりで苦い思い出でもあるという。あれから2年。オリジナル曲の発表やイベント出演により着実に力をつけ、今や日本武道館や横浜アリーナといった大箱を満員で埋め尽くすほどに成長した彼女たち。先日行われた『日向坂46 デビューカウントダウンライブ!!』でひらがなけやきにピリオドを打ったが、デビューを前にひとつやり残したことが、このZepp Tokyoでのリベンジである。


 客席は日向坂のイメージカラーである空色のペンライトで埋め尽くされ、日向坂オリジナルの「Overture」が終わると、デビューシングルの表題曲「キュン」からスタート。小坂菜緒をセンターに、可愛らしいキュンキュンダンスで観客を魅了し、因縁のZepp Tokyoを一気にハッピーオーラの空間へと変える。続いて、この日MVが公開された話題の「ときめき草」を披露し、1期生とMCの鮎貝健を交えたトークを展開。


 結成当初を振り返り、柿崎芽実は「レッスンの合間の休憩時間とか、何でもない日常、他愛もない時間が一番大切だったなって思いますね」と語り、加藤史帆もまた「12人で始めたZeppツアーが思い出深くて、そのツアーでファンがどんどん増えたし、私たちもパワーアップできたし、とても大切な経験でした」とコメント。そんな中、キャプテンの佐々木久美は「MCも自分たちだけでやるのが初めてで、全然うまくいかなくて、終わった後に親にダメ出しをされた」と苦い思い出があることを告白し、佐々木美玲も「実はこのZepp Tokyoでやったライブが一番悔いが残っている。だから今日はリベンジしたい」とこの日のライブへ懸ける熱い思いを口にした。


 また、ひらがなけやきの全国ツアーの最中に、長濱ねるが欅坂46に専任する発表があった当時について井口眞緒は「ねるちゃんがそこに立ってパフォーマンスしていたことで、私たちがどれだけ安心してステージに立てていたかを感じ、存在の大きさを改めて強く実感しました」と語る。齊藤京子も「長濱ねるちゃんがいたから今私たちはここにいるし、グループの顔であった長濱ねるがいなくなってしまうのはすごく不安でした」と振り返りつつ、「今はこうして堂々と立たせていただいてるので、あの時よりは成長できたかなと思います」と力強く答えた。


 トークの後は、一期生の「耳におちる涙」、加藤史帆、佐々木久美、佐々木美玲、高本彩花、小坂菜緒のファッション誌専属モデルメンバー5名によるユニット曲「Footsteps」、二期生の「沈黙が愛なら」と、デビューシングルに収録される楽曲を立て続けにパフォーマンス。青空をイメージとする日向坂だが、この時は夕陽がさすようなオレンジのライティングが印象的で、どこかノスタルジックな気分になった。


 二期生のトークでは、加入した2017年8月当時の話題に。小坂菜緒は「先輩の姿を見ていたので、キャッチコピーを作らなきゃいけないと思って、ほとんどのメンバーがキャッチコピーを全力で作っていました」と言い、自らのキャッチフレーズを「大阪、小坂、日向坂、三本坂を全力で駆け上がります! 高校1年生の16歳、小坂菜緒です!」という日向坂バージョンで初披露。観客とメンバーからは大きな歓声が上げった。


 ライブは一期生と二期生による「JOYFUL LOVE」から再開。ピースフルなこの楽曲は、ファンがペンライトで、会場を綺麗な虹色に染め上げた。その景色に、佐々木久美は「どんな会場でもやってくれる」、佐々木美玲もまた「どうやって計画しているんだろう」と喜びの声をあげる。三期生の上村ひなのを呼び込み、改めて改名とシングルデビューの話題に。東村芽依は「初めて聞いた時はめっちゃビックリして、でも今はファンの皆さんの“おひさま”という名前もできたし、日向坂という名前がお気に入りです」と述べ、高瀬愛奈は「素敵なかわいい名前でデビューさせていただくので、名前の通り、暖かくてポカポカしたハッピーをたくさん届けられるグループになれたら」と意気込みを語った。


 彼女たちのライブには欠かせない「NO WAR in the future」「誰よりも高く跳べ!」「ひらがなで恋したい」で観客のボルテージも最高潮に達し、そして加藤史帆の「いつも私たちのことを照らしてくれ本当にありがとうございます! 私たちのハッピーオーラを受け取って下さい!」を合図に、最後の曲「ハッピーオーラ」を披露。2年前とは違い、余裕さえ感じられる安定したライブで、会場は終始、多幸感に満ち溢れていた。


 デビューシングルの全収録6曲を含む10曲のパフォーマンスを終え、最後に今回のライブの感想を聞かれた潮紗理菜は「私たちの原点とも言えるZepp Tokyoで、このタイミングでライブをさせていただくのは本当に嬉しかったです」と話し、富田鈴花は「二期生はZepp Tokyoさんに立たせていただくのは初めてなんですけど、デビューという記念の時に、ちゃんと映像として今日の日の記録が残るということがすごく嬉しくて、これを見てまた私たちは初心を思い出し、ファンの皆さんにも“こういう日もあったんだな、かわいい!”と思ってもらえたら」と笑いを誘う。高本彩花は「初心を忘れずにたくさんの方に愛されるグループになりたいなって思います」と決意を語り、松田好花は「海外とかでいつか披露させていただくのが夢です!」と目標を掲げた。


 その後、観客の声援に応え、アンコールとして再びデビュー曲「キュン」をパフォーマンス。オープニングで披露したとき以上の盛り上がりを見せ、まさにハッピーオーラに全開のライブは幕を下ろした。ひらがなけやき時代の忘れ物を取りに来た今回のライブは、彼女らの2年間の成長を見せつけるものとなり、これで心置きなくシングルデビューを迎えられるはずだ。(取材・文=本 手)


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